真実はどこに?

 

c Asahi Shimbun Publications Inc. 提供 風邪の症状を訴える人が増えてきました(写真/getty images)

 朝晩の冷え込みが厳しくなってきた今日この頃。風邪症状を訴えて受診される方が多くなってきました。

「風邪を治す薬をください」

 外来でよく耳にする言葉です。しかしながら、風邪を治してくれる特効薬はありません。では、風邪をひいたらどうすればいいのでしょうか。今回は、風邪にまつわるお話をしたいと思います。

 俗に言う風邪は、「かぜ症候群」と定義されています。鼻から咽頭、気管、気管支、肺に至る上気道の急性の炎症による症状を呈する疾患です。咳や咽頭痛、鼻汁や鼻づまり、発熱、倦怠感、頭痛や筋肉痛などを引き起こします。あらゆる年齢層に発症する疾患であり、米ミシガン大学のMonto医師は、就学前の子どもは年に5〜7回、成人は年に2〜3回の頻度で風邪を発症すると報告しています。

 風邪の原因の80〜90%はウイルス性です。ライノウイルスやコロナウイルス、RSウイルスやパラインフルエンザウイルス、アデノウイルスなどが主な原因ウイルスです。ウイルスに効果のある特効薬は、残念ながら存在しません。安静にし、水分や栄養補給を行う「対症療法」が治療となるのです。

 ウイルス以外にも、細菌や肺炎マイコプラズマなども原因となる場合や、ウイルス感染についで二次性の細菌感染を引き起こし、肺炎に至るケースもあります。その際は、原因が細菌であるために、治療には抗菌薬が必要になります。しかしながら、大部分が、ウイルス性の風邪。ウイルス性には抗菌薬は必要ありません。

 それにもかかわらず、ウイルス性の風邪と診断しつつも、患者さんが抗菌薬を希望されたら抗菌薬を処方している現状があるのです。

 そもそも「抗菌薬」とは、細菌の増殖を抑えたり殺したりする働きをする薬のこと。「抗生物質」という言葉の方が聞き慣れている方も多いかもしれませんが、厳密には異なります。細菌の増殖を抑制したり、殺す薬が抗菌薬であり、この抗菌薬のうち細菌や真菌といった生き物から作られるものを、特に抗生物質といいます。同じ意味で使用されてしまっていることは臨床現場においても多々ありますが、厳密には異なるものを意味します。

 こうした抗菌薬の過剰な使用や乱用は、抗菌薬が効かない「薬剤耐性菌」を増やすことに繋がります。

 アメリカ疾病予防管理センターのFleming−Dutra氏らによると、2010年から11年にかけて米国における外来患者さんへの抗菌薬処方のうち、約30%は不適切だったと言います。14年に世界保健機関(WHO)は、抗菌薬の耐性は世界の多くの地域で無視できない警戒レベルに達しており、早急に対策を講じなけれは、これまで治療可能だった一般的な感染症や軽傷で命を落としうるという時代へ世界は逆戻りすると指摘しました。

 日本の現状はどうか、というと、抗菌薬はウイルス性の風邪には効かないにもかかわらず、患者から強く求められると処方している診療所が約6割を占めていることが、今年6月、日本化学療法学会と日本感染症学会の合同調査委員会の調べでわかりました。さらに、ウイルス性の風邪と診断した患者やその家族が抗菌薬を希望した場合、12.7%の診療所は希望通り処方し、50.4%の診療所は抗菌薬が不要であることを説明しても納得を得られなければ処方していたのです。

 また、今年の10月末には、風邪で受診した際に本来は効果のない抗菌薬を処方してほしいと考える人が30.1%を占めていたことが、国立国際医療研究センターによる抗菌薬に関するアンケート調査も公表されました。また、「抗菌薬が風邪に有用」と答えた人は49.9%、「インフルエンザに有用」と答えた人は49.2%と、ほぼ半数の人が誤って認識していることが判明したのです。

 さらに、抗菌薬の乱用は、私たちが共存している細菌にも影響を与えることが近年わかってきています。13年、ニューヨーク大学医学部のTrasande医師らは、2歳までの子どもへの抗菌薬の使用とその後の肥満傾向について1万1532人を対象に調べたところ、生後6カ月以内に抗菌薬を処方された子どもは、より肥満傾向にあったと報告しました。また、16年にはジョンズ・ホプキンス・ブルームバーグ公衆衛生大学院のSchwartz医師らが、3〜18歳の16万3820人の小児の電子健康記録データを解析した結果、前年の1年間の抗生剤処方や抗生剤処方回数が多いこととBMIの上昇が関連していたと報告しました。

 もちろん、抗菌薬が必要な時は、子どもであろうと大人であろうと使用する必要があります。必要以上に使用することは、耐性菌の面でも、私たちが共存している細菌への影響の面でもよくないということなのです。

 また、抗菌薬は細菌を殺してくれる一方で、副作用ももたらします。個人的なお話で恐縮ですが、私は抗菌薬を飲むと、必ずといっていいほど下痢を引き起こしてしまいます。私の場合、日常生活に支障をきたすほど下痢がひどく、恥ずかしながら、短時間のうちに何度もトイレに駆け込む、なんていうことも多々あります。

 下痢は、抗菌薬による副作用の一つとして知られています。私たちは、約100兆個もの細菌と共存しています。細菌同士はバランスを保ち、安定した生態系を構成していています。特に、消化管に生息している細菌を「腸内細菌叢(腸内フローラ)」と呼んでいます。外からきた病原体に対してバリアとして働いたり、正常な免疫システムの維持に大きな役割を担っていることが明らかになりつつあります。けれども、抗菌薬を内服すると、この腸内細菌叢のバランスが崩れてしまい、結果として下痢を引き起こしてしまうのです。

 抗菌薬を飲むと、私はカンジダ膣炎もたびたび引き起こしてしまいます。膣内の常在菌であるカンジダという真菌が増えることによっておこる疾患です。14年の小林製薬の調べでは、女性の5人に1人は経験したことがあると回答しています。女性にとっては一般的な疾患の一つと言えます。

 カンジダ膣炎の典型的な症状としては、非常に激しいかゆみが出現し、白く濁ったおりものが増えることが特徴です。膣や外陰部も、消化管内と同様に菌同士がバランスをとって共存していますが、抗菌薬の内服、ストレスや疲れなどによる免疫の低下やホルモンバランスの変化によって菌同士のバランスが崩れてしまうと、カンジダが異常に増殖してしまうのです。

 このように抗菌薬は細菌を殺してくれる一方で、副作用として様々な症状を引き起こします。2015年に全日本民医連に報告された抗生物質(抗菌薬のうち細菌や真菌といった生き物から作られるもの)による副作用193件のうち、最も多い副作用は発疹(112件)であり、ついで肝障害(24件)、下痢(10件)、口内炎(7件)と続いていました。他にも、腎障害や聴力障害、嘔吐や嘔気と言った消化器症状など、報告されている副作用は多岐に渡ります。

 こうした自身の経験もあり、ウイルスによる風邪に対しては、抗菌薬の内服は必要なく、休養して体力を回復させること、そして水分補給や栄養補給をしっかり行うことが大切であることを丁寧に説明するように心がけています。

 抗菌薬はもちろんですが、薬には「リスク」と「ベネフィット」があります。過度に薬を恐れる必要もありませんが、内服を自己判断で中止することなく、医師の指示に従って内服することが大切です。参考にしてみてくださいね。

◯山本佳奈(やまもと・かな)

1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー、CLIMアドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

MSNニュース
ジャパンビジネスプレスより転載記事

韓国のあきれた徴用工判決に米国でも批判が噴出
2018/11/07 06:00

「韓国はきわめて無責任な国家だ」――。 

 韓国最高裁が日本企業に、韓国のいわゆる元徴用工とされる人たちに対する賠償を命じた。この判決の内容と、米国の反応を見ると、どうしても「無責任国家」という言葉が思い出される。

 冒頭の言葉は、米国の国際戦略問題の権威、エドワード・ルトワック氏による発言である。1年ほど前に私がインタビューした際、彼はためらわずにこう述べた。

 ちなみに徴用工に関して、あえて「いわゆる」という表現をここで使うのは、この裁判を起こした原告の“徴用工”とされる人たちは、日本側の情報によると「徴用工ではなく募集に応じた労働者だった」とされるからだ。安倍晋三首相も国会でそう明言した。

韓国が国家として無責任な原因は?

 ルトワック氏は米国の歴代政権の国防長官顧問などを務め、現在はワシントンの大手研究機関「戦略国際問題研究所」(CSIS)の上級研究員として活動している。保守系の学者で、トランプ政権に近いことでも知られる。

 私がルトワック氏に意見を尋ねたのは、直接には北朝鮮の核問題についてだった。だが、北朝鮮の核武装への韓国の対応を質問したとき、彼は文在寅政権への批判を込めながら次のように語ったのである。

「韓国が国家として無責任な原因は、国内の結束がないことだろう。国家的な意思がまとまらないのだ。それは韓国内に、自国の基本的なあり方をめぐって意見の分裂があり、国としての結束が決定的に欠けるからだろう」

 韓国では、民主的な方法で選ばれた歴代大統領たちが任期の終わりとなると、ほぼ誰もが犯罪者として扱われ、石をもて打たれることになる。以上のルトワック氏の説明を聞くと、その理由がなんとなく分かってくる。

米国の政策に大きな支障を引き起こす

 では、今回の韓国最高裁の判断に米国はどう反応しているのか。

 米国の各メディアの報道や論評、さらには専門家たちの見解発表を調べてみると、全体として韓国も日本も正面からは非難せず、きわめて慎重な姿勢が目立つ。

 だがさらに詳しく、幅広く、米国の反応を点検すると、やはり今回の韓国側の主張には無理があり、無責任だとみなす基調が浮かび上がる。ルトワック氏の韓国評がその基調につながっているともいえるだろう。

 米国の主要メディアの報道は、まずこの時期に日本と韓国が対立を深める事態が米国の政策にとって非常に大きな支障を引き起こすという点で一致していた。

「米国政府は、日本と韓国に、歴史に関する意見の相違を克服して米国との協力をともに増強し、北朝鮮の核の脅威をなくし、中国の影響力拡大に対処することを強く促してきた。そんな時期に日韓の対立がなぜ必要なのだ」(ニューヨーク・タイムズ10月30日付記事)

「韓国と日本の歴史をめぐる争いは、北朝鮮の核の脅威と中国の覇権拡大を抑えるための米日韓三国の協力を乱してきた。今回の韓国での判決は、この協力をさらに妨げることとなる」(ABCテレビの同日の報道)

「今回の韓国での判決は、北朝鮮の非核化や中国の不公正貿易慣行に対処するための、米国と日韓両国という同盟国との連帯の強化を阻むことになる」(ブルームバーグ通信同日記事)

 以上の報道は、韓国最高裁の判決が、米国の東アジア戦略にとって大きな障害を新たにつくり出したと批判する点で一致していた。

 しかもどの報道も、韓国側の判決が、1965年の日韓両国政府間の合意や、その後の韓国側でのこの種の個人の損害賠償は韓国政府が責任を持つという公式方針に違反していることを詳しく説明していた。同時に、日本側の安倍首相や河野外相の「韓国の動きは国際法的にもありえない」といった激しい非難声明も詳細に伝えていた。

韓国寄り学者も判決を批判

 こうした米国側の報道を詳しく読むと、今回の韓国最高裁の判決は 韓国側に問題があり、法治国家としての一貫した責任を果たしていないという認識がかなり明白に浮かび上がる。「韓国側が間違っている」という断定こそしていないが、非は韓国側にあり、法治国家、主権国家としての責任の欠落が根底にあるとする批判の構図が明確だといえる。

 韓国に対する米国側のこの種の批判的なスタンスは、前述のニューヨーク・タイムズの記事の末尾で次のように象徴的にまとめられている。

「スタンフォード大学の東アジア研究所の研究員ダニエル・スナイダー氏は、『朝鮮半島情勢や中国の動向によって、米国とその同盟諸国は団結して効果的な対処をとることが不可欠となっている。そんな時期に、日韓両国を離反させる動きが起きたことはきわめて不運だ。私はその点で韓国政府の判断に強い疑問を感じる』と述べた」

 スナイダー氏といえば米国でも有数の朝鮮半島専門の研究者であるが、日韓の歴史問題では韓国側の主張を支持し、日本には厳しい態度を示すことで知られる学者である。その米国人学者が、今回の日韓の対立では明確に韓国側の最高裁の判決への批判を表明したわけだ。

 こうした米国側の韓国批判が、判決をめぐる日韓対立に今後どう影響していくかは判断が難しい。だが、少なくともいまの段階では、米国は「非は韓国側にあり」という裁定を下しつつあるといえるだろう。そして、その裁定の背後にはルトワック氏の言葉に反映される米側の年来の韓国「無責任国家」論までが影を広げているようなのだ。

2018/10/30 06:00
国土交通省の分類では本州・北海道・四国・九州・沖縄本島の5島を除くすべてが離島である。日本には離島が6847あり、このうち有人は421で、ほとんど(6426)が無人離島である。

 
少子化の影響もあって、対馬に見るように有人離島でも人口減少が続いている。しかも振興策の不備などから外国勢力によって占拠されるかもしれないという不安に晒されている。

 領土・領海・領空を守るために海上保安庁や自衛隊は日夜努力しているが、不毛な論戦に明け暮れる政治の不作為から、領域保全に必要な議論が行われず、各種法制の不備が指摘されている。

 そうした結果、現場に関わる海上保安庁や自衛隊の努力だけではいかんともし難い状況が現出する。

 離島防衛に関わる自衛隊の専門部隊として、平成30(2018)年3月27日に水陸機動団(約2100人)が編成された。

 10月14日に朝霞駐屯地で行われた「自衛隊観閲式」では、最新鋭のステルス戦闘機「F-35A」のデモフライトとともに、特に注目を浴びたのが水陸機動団に関わる「V-22オスプレイ」や水陸両用車「AAV7」などであった。

最高指揮官の訓示

 観閲式に参加した自衛隊員約4000人を前に、最高指揮官の安倍晋三首相は「24時間、365日。国民の命と平和を守るため、極度の緊張感の中、最前線で警戒監視にあたり、スクランブル発進を行う隊員たちが、今、この瞬間も日本の広大な海と空を守っています」と訓示して、任務を称えた。

 「領土・領海・領空、そして国民の生命・財産を守り抜く。政府の最も重要な責務です。安全保障政策の根幹は、自らが行う継続的な努力であり、立ち止まることは許されません」

 これは「国を守る大切さ」の国民へのメッセージであり、同時に「国民の協力が不可欠」という要請でもある。

 「この冬に策定する新たな防衛大綱では、これまでの延長線上ではない、数十年先の未来の礎となる、防衛力の在るべき姿を示します」

 「日々刻々と変化する、国際情勢や技術の動向に目を凝らし、これまでのやり方や考え方に安住せず、それぞれの持ち場で、在るべき姿に向かって、不断の努力を重ねていってください」と述べた。

 首相が節目ごとに強調してきた日本を“真ん中”に据えて共生する国際社会の建設に尽力するという意思表明であり、その中での自衛隊への期待を示したものと理解できる。

 最後は不甲斐ない政治によって「厳しい目で見られ」てきた自衛隊(隊員)が「強い誇りを持って任務を全うできる環境を整える」と述べ、「これは、今を生きる政治家の責任であります。私はその責任をしっかり果たしていく」と、自衛隊の違憲性を解消する決意を示した。

 国民の9割以上が自衛隊の存在を認めているとされながらも、違憲とする学者もいる。また、「軍隊」でないことから国際法や慣習上の権利に疑義が挟まれ、PKO活動や外国軍隊との共同訓練・演習などにおいて共同歩調が取れない現実も散見されてきたからである。

 以下では、水陸機動団とグレーゾーン事態対処などについて言及する。

なぜ「離島奪還」なのか

 最近のマスコミ報道では、「離島奪還」という用語が多用されている。

 「離島奪還 初の訓練場」「離島奪還を想定した訓練」「離島奪還 陸海空の連携急務」「離島奪還へ万全」などである。

 離島防衛の専門部隊である「水陸機動団」の任務も、「島嶼侵攻を許した場合、奪還作戦の先陣を切る役割を担う」とされ、ここでも侵攻を許した場合の「奪還」である。

 オスプレイや輸送ヘリが運んでくる機動団の隊員が予定地に降着できるように、航空攻撃や艦砲射撃で進攻者に砲撃を加えて援護する。

 同時に、輸送艦(本来は強襲揚陸艦であるが自衛隊は装備していない)で運ばれて来た隊員が水陸両用車やボート、エアー・クッション・ヴィークルなどで上陸し、侵攻者を掃討するというものである。

 北海道では多くの山林やレジャー施設が主として中国系資本に買収されている。買収地の多くがアンタッチャブルな状態に置かれ、しかも水源なども豊富なところから衣食住を賄え、自己完結型の生活ができる。

 他方で、留学や技能実習で来日した外国人のうち5万人超が不法滞在の状況で、その中の8割は中国人が占めているとされる。

 無人離島では国民の目がほとんど届かず、場合によっては上記のような不法滞在の外国人も含めた勢力に占拠されて、陣地化や要塞化しているかもしれない。

 占拠ではなかったが、昨年11月、北海道の無人島、松前小島には北朝鮮の漁船員が漂着し仮住まいをしていた。

 相手が武力をもって占拠した場合、当然のことながら、奪還が必要となる。近年の「奪還」は尖閣諸島を対象にした“隠語”のように聞こえなくもない。

 尖閣諸島は本来日本の領土であるが、1970年代から中国が自国領と主張し、90年代に入り領海法を制定して自国領に組み込み、習近平政権になると台湾などと同様に「核心的利益」を有するとした。

 爾來、中国は同島を係争地として、日本を協議の場に引き摺り込もうと画策し、公船や軍用艦艇などを接続水域に侵入させ、時には領海を侵犯してきた。

 ちなみに、有人島の対馬も過疎化の進行で「島が危ない」と叫ばれてから久しく、その後も韓国系資本による土地などの買収が進んでいる。

 こうした経緯を踏まえ、本来日本の領土であり島であるが、何らかの事情によって普段の警戒・監視や防衛が思うに任せず、占拠を許す結果をもたらしかねない。

 そこで、訓練や演習では「占拠された離島を奪還する」という名目で訓練などが行われることになる。

グレーゾーン事態とは何か

 そもそも、「奪還作戦」をせざるを得ない状況に追い込まれるのは、偏に海保や管轄する地方自治体で対応できないにもかかわらず、海自を含めた防衛力が十分に機能しないからである。

 いや機能できない法体制になっていると言った方が適切であろう。そうした状況をもたらす最大の事案がグレーゾーン事態である。

 英国では沿岸警備隊は不法侵入船に対して、監視・通報の権限のみを有し、実際の取り締まりは通報を受けた海軍が担当している。

 東シナ海でのEEZ(排他的経済水域)の中間線をめぐる日中間の摩擦や、尖閣諸島を核心的利益とする中国は、警備にあたる海警局の公船を大型化し、また倍増するなどしてきた。

 それでも係争は海保と中国国家海警局が管轄する警察権に基づく水準にとどまっていた。

 ところが、「海洋強国」を目指す中国は、フリゲート艦や情報収集艦などの軍艦による違反も稀ではなくなってきた。

 同時に領海警備等を担当する海警局が中国軍を指揮する中央軍事委員会の指揮下にある中国人民武装警察部隊(武警)に編入され、「(武警)海警総隊」(対外呼称は中国海警局)となった。

 「軍隊の一部に変貌し、人民解放軍や民兵と一体化して戦う組織に変わった」(「産経新聞」10月24日付、山田吉彦「防衛力持つ『海洋警備隊』創設を」)のである。

 また尖閣諸島に最も近い浙江省温州には、海警局艦船の係留のための大型基地が建設されているという。

 尖閣諸島に多数押し寄せる漁船には、民兵が同乗することも多く、彼らの拠点は東シナ海及び南シナ海に面した浙江省、福建省、広東省、海南省の海岸沿いに点在し、10万人以上とみられている。

 軍事的訓練を受けた民兵と特殊GPS搭載の漁船による海上ゲリラ行動などに加え、海警局の公船の武装強化、さらには組織改編によって、日本側は警察機能としての海保だけではとても対応できない状況になっている。

 こうして自衛隊が防衛出動する有事には当たらないが、警察や海上保安庁だけでは対処が難しい「隙間」の事態があり得るし、昨今の状況からは、生起の可能性が高いケースとさえみられている。

 過去にも幾つかの事例が起きている。

(1)1997年2月、下甑島(鹿児島県)に中国人密航者が漂着し、山中に逃亡した。住民は緊張に包まれ、島内所在のレーダーサイトで勤務する自衛隊員も捜索に加わった。

 しかし、密航者の捜索は防衛出動でも治安出動などの対象でもない。そのため、隊員は「調査・研究」の名目で出ている。早速「自衛隊法違反ではないか」という指摘がなされて政治問題化した。

(2)2012年7月、五島列島(長崎県)の荒川漁港に「台風からの避難」の理由で中国漁船100隻以上が押し寄せた。

 中国は民兵としての教育を受けた乗組員の乗った漁船をまず送り込み、その保護を口実に漁船監視船や海軍艦艇が出動し実効支配を確立していくとみられていることから、「中国による尖閣諸島攻撃の予行演習ではないか」と疑問視された。

 ざっくり言って、尖閣諸島が現在のような状況になっているのは、日本が自国を守る軍隊を有せず、「国有化」はしたが、住民を住まわせ、事業を起こし、自衛隊を堂々と派遣できないできたからである。

 「自分の国は自分で守る」ということを言う人が多くなっているが、「守る」力の実在としての「軍隊」が日本にはない。解釈改憲でやってきたが、無理を重ねた矛盾が今日のグレーゾーン事案となっている。

グレーゾーン事態に対処するために

(1)平時において最も重要な活動である「警戒・監視」を自衛隊法の自衛隊の行動として規定

(2)グレーゾ−ン事態における新たな権限を自衛隊に付与する法制の検討

 などが民間の防衛関係団体からも提議されている。しかし、法的整備や運用面での改善には時間がかかるとみられる。

 問題点があると分かっていながらも、国民の理解が進まなければ法の制定や改定は進まない。

 そうこうしているうちに、相手が尖閣に上陸し施政権を主張しないとも限らない。日本は「日本の施政権下にある」としながらも、上陸を許す最悪の状況しか想定できないのだ。

 そのために、本来であれば事前に準備できる「離島防衛」のはずが、無人で放置して置かざるを得ない。上陸を許す結果は「奪還」しかあり得ない。マスコミなどで報道される「離島“奪還”」は、こうした考えからである。

 国家の安全に関わる重要事で、生起する事案によって過不足なく円滑かつ段階的に対応できる仕組みが必要であるが、省庁の権限をめぐる縦割り意識が根底にある。

縦割り行政が国益を毀損する

 2018年1月6日、上海沖合300キロの東シナ海でパナマ籍タンカー・サンチ号(8万5000トン)が香港籍のバラ積み船CFクリスタル号(4万トン)に衝突され、炎上した。

 衝突場所は、日中中間線の西方の中国側であったが、サンチ号は中国が開発を進めている油ガス田の近くを炎上したまま漂流し、14日に中間線東方の日本側の海底に沈没した。

 事故対処にあたっては外交的配慮が必要であることは言うまでもないが、この事故は人命救助、海洋環境、海運・海上交通、漁業資源、EEZ・大陸棚の境界画定など様々な問題と関連しており、海上保安庁・環境省・運輸省・農林水産省・外務省などの官庁が絡んでくる。

 日本は、かねて日中間の大陸棚の境界を中間線であると主張してきた。サンチ号の沈没場所は、日本の大陸棚上でもあるので、排他的管轄権を行使できたはずであるが、日本はそのように行動しなかった。

 井晋氏は「日中間で大陸棚の範囲や境界を争っているのであれば、日本は積極的にサンチ号事件に対する関心を表明し、同号のサルベージを積極的に推進し、沈没場所が日本の大陸棚であることを国際的にアピールするべき」(JBpress2018.9.18「中国にまたしてもやられた日本政府 日中境界線付近でのタンカー『サンチ』沈没事件で問われる日本外交」)であったと述べる。

 また、サンチ号の海難事故を報道したのは、第10管区海上保安本部と地方紙主体で、政府が官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置したのは、ようやく2月2日のことであったという。

 サンチ号事件における日本政府の対応は当初から消極的で、事故の経過に関する発信は透明性に欠け限定的であったともいう。

 こうしたことから高井氏は「縦割り行政の弊害以外の何者でもなく、各行政機関も専ら海上保安庁の対応に任せてきた印象を受ける。サンチ号事件などの海洋問題は、主権や国益が直接絡む多くの問題を含んでいることに留意しなければならない」と述べている。

 さらに、次のように危惧する。

 「中国が日本の了解を得ずしてサルベージを行ったのであれば、そして日本が何も抗議していなければ、国際社会は、沈没場所が中国の大陸棚であると認識することになるのではないか」

 「今後、日本が中間線以東の大陸棚を自国の大陸棚であるといくら主張しても、サンチ号事件に対する日本の消極的な対応と中国の積極的な対処活動の印象から、国際社会が中国に軍配を上げる可能性は否めない」

 日本は「尖閣諸島の領有権とそれに伴う日中中間線以東の周辺海域のEEZおよび大陸棚を自国のものと主張しているので、このことを諸外国に発信し賛同の輪を広げるためには、一つひとつの行動が常に外交の一貫性に沿ったものでなければならない」と注文する。

自衛艦の活用は?

 北方領土が占領される以前の話である。日本の管轄下にあった海域にロシアの漁民が侵入して密漁し、また日本の漁民を脅して獲物や金品を略奪することがあった。

 ロシアの漁民ともめ事を起こしているまさにその時、日本の軍艦がはるか向こうに姿を見せるだけで、件のロシア人たちは何事もなかったかのように、「さーっ」と消えていったそうである。

 中国は節目ごとに市民や漁民を動員してくることが知られている。

 昭和47(1972)年に日中が国交を回復し、条約の締結交渉を重ねていた。交渉が山場に差しかかっていた昭和53(1978)年、尖閣諸島の日本領海に200隻を超える中国漁船が殺到し、数日後に一隻残らず姿を消した。

 中国側は「漁船が魚を追っているうちに潮に流された」と説明したそうである。

 平成26(2014)年には小笠原諸島や伊豆諸島周辺に200隻を超す中国のサンゴ密漁船が集結した。台風で一時去ったが、再度結集してきた。

 時あたかも日中首脳会談の実現をめぐって虚々実々の駆け引きが展開されているさなかであった。

 小笠原の赤サンゴが荒らされ、漁民に莫大な損失をもたらしたことから政府は重い腰を上げ、違法操業の取り締まり強化や罰金引き上げなどを検討するが、日本の対応が甘いことに変わりはない。

 「産経抄」(平成26年11月8日付)が提案したのは、尖閣沖で奮闘している海保が小笠原沖などで200隻以上の漁船を相手にする余力はないだろうから、自衛艦が悠悠と漁船の脇を通るのは如何だろかという歴史の教訓であった。

 平成28(2016)年8月5日以降、中国は海警局の公船を尖閣諸島海域に派遣し、漁船400隻、公船15隻を動員した。漁船には民兵が乗船していたことも判明した。

 日本の漁船が他国の領海で違法操業したら拿捕されるばかりでなく、いきなり銃撃されることも頻繁であった。

 しかし、日本は、自衛艦を遊弋させるというような「軍事的圧力」と思わせる行動をとることはなかった。もっと活用してもいいのではないだろうか。

攻撃に要する兵力は防御の3倍

 軍事の常識として、防御は地形などを利用することができるために、攻撃(離島奪還もその一つ)の3分の1の兵力で済む。従って、可能な範囲で攻撃ではなく、防衛(戦術的には防御)で地域を守ることが大切である。

 もっとも、敵の攻撃できる経路がいくつもある場合は、防御兵力が各径路に分散されるために、各々の経路に分散配置が必要となり、全体的には防御兵力が多く必要となりかねない。

 そこで偵察・監視により主力が接近してくる経路を判断し、配備の重点を絞ることが重要になってくる。

 いくつもの攻撃ルートがあるような場合は、1つに集約させるために、他のルートには兵力に代わる接近阻止(または拒否)装置などが必要となる。

 以前は地雷などがそうした役割を担い、敵の行動を制約していた。しかし、今は人道上から国際条約で破棄することになっており、現実に日本はすでに破棄して装備していない(条約無視をする近隣国は定かでないが、多分保有しているに違いない)。

 ともあれ、離島の奪還は攻撃の一種で、相手の3倍の兵力が最小限必要というのが戦術の原則である。

 この原則に照らしても、基本的に「奪還」ではなく、占拠されるのを阻止する「防衛(または防御)」に注力すべきである。あるいは、上陸戦闘を許さないための接近拒否戦略が望ましい。

 防衛白書(29年版)は水陸機動団について、「(敵の」攻撃に対応するためには、安全保障環境に即した部隊の配置とともに、自衛隊による平素からの常時継続的な情報収集、警戒監視などにより、兆候を早期に察知し、海上優勢・航空優勢を獲得・維持することが重要」と強調している。

 そして、「(敵の侵攻の)兆候を得たならば、侵攻が予想される地域に、陸・海・空自が一体となった統合運用により、敵に先んじて部隊を展開・集中し、敵の侵攻を阻止・排除する」としている。先述の接近阻止であり、または「防御」ありきである。

 続けて、こうした対応が取れず万一「島嶼への侵攻があった場合には、航空機や艦艇による対地射撃により敵を制圧した後、陸自部隊を着上陸させるなど島嶼奪回の作戦を行う」と白書は述べている。

 このように、「奪回」は起死回生の手段である。

 水陸機動団が「離島奪還」作戦を練り、訓練し、演習しているからと言って、日本が離島などの防衛を疎かにしてはならない。

 最も厳しい状況下の訓練(すなわち奪還訓練)を行うことで、部隊の練度を最高に高めることにより、低烈度の状況対応は容易となるからである。

おわりに

 尖閣諸島が国有化されたのは野田佳彦政権の2012年9月のことであった。その2年前の2010年9月には、尖閣諸島を巡視している海保の巡視船が中国の漁船に追突される事件が起きた。

 国有化される前は島の近傍まで行き清掃し、時には上陸して国旗を持ち込むなどの行為も見られたが、今では海保の警備が厳しく、海保の警戒線より内側に近づくことはできないとのことである。

 他方、海保の統制を受けない中国の漁船は海保の警告を無視して悠然と島の近傍を遊弋する逆転現象が起きていると仄聞した。これでは国有化が仇になっているとしか言いようがない。

 実のところ、国家主席になりたての習近平は権力固めに、就任直後の2012年末から2013年初めにかけて、尖閣諸島の奪取を本気で考えていたという(矢板明夫著『習近平の悲劇』)。

 この時期の事象を振り返ってみると、公船の領海侵犯は頻繁に起きていたが、2012年12月13日、国家海洋局所属のプロペラ機が初めて尖閣諸島上空で領空侵犯した(なお、この日は日本が南京で大虐殺をしたとする南京攻略の75周年記念日でもあった)。

 2013年1月になると、19日と30日の2度にわたり、東シナ海で中国海軍のフリゲート艦が海上自衛隊の護衛艦に火器管制レーダーを照射する。戦闘準備完了さえ示唆する行動で、何時戦闘開始になってもおかしくない態勢を意味する。

 いずれにしても、安倍政権が過激に反応しなかったため、中国は口実を見つけることができなかったようだ。

 当時はホットラインもできていなかったが、政権の冷静沈着な行動が、大事を防いだということができよう。

 法律がなければ行動できない自衛隊である。グレーゾーンなどと称して放置できない認識が必要だ。

2018/10/30


 10月28日の早朝、東京・渋谷のセンター街にハロウィンの馬鹿騒ぎで繰り出した群衆が進入してきた軽トラックを取り囲み暴徒化、車体の上に乗るなどの乱暴狼藉の末、警官を呼ぶために運転者が席を離れた隙に、トラックをひっくり返すという事件がありました。

 友人からこの情報を送ってもらい、最初に私が確認したいと思ったのは、この暴徒が「何者か?」「どこの国の人間か?」ということでした。

「3.11の秩序」から7年

 誤解のないように最初に釘を刺しておきますが、「こんな暴動を起こすのは日本人であるはずがない。不良外国人がやってきて日本を悪くしているのだ」などという、“ドナルド・ダック”やドイツのネオナチ政党のようなことを言いたいわけではありません。

 流通している動画を見る限り、定かに確認はできませんでしたが、トラックの上に乗ったり横転させたりしたと思しい中に、見るからに日本人ではない外国人は見当たりませんでした。

 また、トラックを取り囲んではやし立てている群衆の中には、様々な肌や髪の色の人物が写り込んでいたようにも思われました。

 日本は2011年、3.11東日本大震災の後、一件の暴動事件も起きず、派手な略奪などもなく(火事場泥棒的な犯罪はあったようですが)、被災地で避難者が整然と協力して復興に当たるという、地球上でも稀有な「超高モラル社会」として全世界を驚かせた国でした。

 まだほんの、7年前の出来事に過ぎません。

 それが2018年の秋になると、夜の渋谷に繰り出した、多くは若者と思われますが、群衆が何の罪もない一般車両を取り囲み、それを転倒させて喜ぶという、普通によくある発展途上国の愚民の群れと同じ行動を取ったと報道されている。

 この間の「日本の劣化」をこそ、考えねばならないと思ったのです。「トラックを倒すなんて犯罪だ。こんな奴らは日本の恥だ」といったネットの書き込みを目にしました。

 ですが、こうした行動は、全人類に共通して見られる、ある意味では普遍的な「祝祭的反応」でもあります。

 このコラムで時折、生前たいへん多くご指導を頂いた文化人類学者の山口昌男さんの「中心周縁論」を引用してお祭りを議論することがあります。

日常的な価値の「転倒」

 普段隅っこにいるものが中心にやって来て、中央にいるものが隅に追いやられる。

 上は下、右は左、偉そうな奴は引きずり下ろし、男は女、女は男、たいくつな社会のあらゆる秩序や順序をひっくり返して、社会全体が活性化する・・・。

 これが祝祭の本質的な特徴ですので、象徴的な価値転倒の供犠は全世界のあらゆる地域で確認することができます。

 リオのカーニバルのような謝肉祭、韓国のタル・ノリで演じられる業病に罹患した貴族を嘲笑する仮面劇・・・。

 日本で考えるなら、日頃威張り散らしている「大名」が「太郎冠者」にやり込められる狂言など、極めて典型的な「祝祭的価値転倒」の技芸と言うことができるでしょう。

 渋谷で軽トラックを取り囲み、それを生贄に選んではやし立て、車体の上に乗って踊り、さらには車をひっくり返して大喜びする・・・。

 太古の人類が日常価値の転倒に共同体刷新活性化の力を見出したのと同じように、2018年10月28日の東京でも、半ば原始人、半ば猿の如き若者たちが、普段偉そうにして自分たちを押さえつけている体制や支配層、年配者や社会のルールをひっくり返して祝うという心理は、器物破損の犯罪行為であるのはもちろんですが、非常に普遍的な「人間社会によくあるパターン」であるのも間違いありません。

 要するに「未開な状態」で起こりやすい、衆愚状況です。

 そこまで、日本人を含むであろう、この加害者集団の精神年齢が「低下」していたことに、まず注目しておく必要があります。

 3.11の苦境を整然と乗り切ったはずの日本で、どうしてこんなみっともない「低EQ(Emotional Intelligence Quotient=心の知能指数)状態」に、若者が退行してしまったのか・・・。

 それを解くカギは、この非日常の「祭り」以上に、「日常」の側にあるように思うのです。

転倒の陰画としての日常

 要するに、日頃鬱積しているから、その憤懣が爆発する。そう考えるのが合理的です。トラックをひっくり返した者は、画像から身元を特定され、一部は逮捕されるなどして、刑事・民事の責任を問われるでしょう。

 この人たちには何ら同情の余地もなく、問われる社会的責任をきちんと果たすべきと思います。司直は再発防止を念頭に、もしかすると実刑を含む厳しい判決を下すかもしれません。

 しかし、中には、かなり確信犯で焚きつけながら、自身は手を下さず、責任をはぐらかして逃げおおせる奴がいるかもしれません。たぶん、いるでしょう。

 また、その場にいたほぼすべての人間が「お、何これ。トラックが取り囲まれてるじゃん。どーなんのかな。あれあれ乗っちゃったよ。踊ってる。面白れーなー」などと、この「非日常」の騒ぎを面白がっていたわけです。

 しかし、これら全員が逮捕、訴追などされることは絶対にないわけです。そこが一番の問題でしょう。

 またしても繰り返される古典的な「責任を取らない日本人」のパターンです。しかも、槍玉に挙げられるのは、日頃威張り散らす権力者ではなく、土曜の深夜日曜の早朝に業務でセンター街に乗りつけたのであろう軽トラックです。

 社会構造の上部でふんぞり返る悪代官が「この紋所が目に入らぬか!?」と格さん助さんに三葉葵の印籠を見せつけられ、「ここにおわせらるるは、畏れ多くも先の副将軍、水戸光圀公にあらせられるぞ! 頭が高〜い」と一喝され、

 「ハハ〜・・・」とひれ伏す価値転倒を、戦後70年を過ぎても日本人は一貫して愛好してきたわけですが、ここでは深夜に就労している営業車両を迫害する「弱い者いじめ」による「祭り」で喜んでいたわけです。

 残念ながらそういうケースも、人類には山のように例があります。

 欧州におけるユダヤ人排撃、近くはルワンダ・ジェノサイドでもミャンマーの少数派ムスリム・ロヒンギャへの迫害でもいいでしょう。

 要するに「ヘイト」と呼ばれるものは、すべてこの種の下層で圧迫され余裕のない大衆が、さらに弱いものを見つけて血祭りにあげて憂さを晴らす、最低最悪の経世済民のなせる技として客観的な分析が完了した社会病理にほかなりません。

 暴徒化した群衆の多くが、ひっくり返ったトラックの周りで万歳しながら飛び跳ねたりしているのを、私も動画で確認しました。その事実、この末期性にこそ注目する必要があります。

 1994年のルワンダ・ジェノサイドでは、暴徒化した民衆が面白がって少数派を追い詰め、教会や小学校にすし詰めにして手榴弾で爆殺したり、家族でバーベキューをしている食卓のま横で、なたで切りつけてなぶり殺しにしたりという、日常では考えられない事態が現実に発生しました。

 なぜ・・・?

 日頃抑圧されている、という社会不満があったからです。こいつらは悪い奴だ。私たちが日頃苦しんでいるのに、甘い汁を吸ってやがった。因果応報で懲らしめてやる・・・という心理。

 1933年にナチス・ドイツが政権を取ると、ただちにユダヤ人排撃が公共事業として推進されますが、多くのドイツ国民はそれを黙認、ないし支援しました。

 なぜ?

 第1次世界大戦に負け、多額の賠償金で経済を圧迫されていたドイツでは、戦争を仕かけたのがユダヤ人、国際ユダヤ財閥で、いくさで暴利を得てドイツ国民の日々の生活を圧迫している、というプロパガンダにさらされていました。

 ヘイト・スピーチによる洗脳です。

 2018年10月28日の暴徒は、「ヘイトスピーチ」で焚きつけられた群衆ではありませんでした。

 しかし、日常の中で高いストレスにさらされ、日頃の抑圧状況を転倒する、象徴交換儀式として「軽トラック」という生贄を欲していたことは間違いありません。

 直接の加害者の責任は言うまでもありませんが、そんな社会状況に日本を捻じ曲げて来たのはどこの誰か?

 遠因の責任をどこに問うべきかを考えるのも重要なことだと思います。くさい臭いにおいは元から断たなきゃダメ、ということです。

 レームダック政権の安売り人事、閣僚不祥事の類が毎日紙面を賑わせる末期的なご時世、起こるべくして起こった暴徒事件と考えられ、今後この傾向はさらに加速することが懸念されます。

「ええじゃないか」は終わりの始まり

 1867年8月から12月にかけて、日本は不思議な熱気に包まれていました。天からお札が降って来る、というのです。

 これは素晴らしい出来事の前触れだということになり、民衆は仮装して町に繰り出し、踊ったり騒いだり、大八車がひっくり返されたり、富裕な商家からモノが持ち去られたりもしたようです。

 これが世に名高い「ええじゃないか」の民衆暴動で、この間は都市も農村も社会機能が麻痺して、通常の市民生活を送ることが不可能になったと伝えられます。

 この「ええじゃないか」ですが、1867年12月9日にピタリとやみます。

 この日「王政復古の大号令」が出され、日本のレジームは近代のそれへと転換しました。「討幕派による陽動作戦だったのでは?」という説も検討されています。

 今回のような暴動は、ある政治的支配体制の末期の末期、もうどうしようもない状況であることを示すバロメータである可能性が考えられるでしょう。

 ハロウィン暴動は「終わりの始まり」と言うことができるかと思います。

日本政府が破産する瞬間、大逆転が起きる

10/14() 20:40配信  ヤフーニュースより転載記事

日本政府は破産しない。破産の1秒前に大逆転が起こるからだ、と久留米大学商学部の塚崎公義教授は説きます。
筆者は、日本政府は破産しないと考えています。しかし、世界中の投資家が日本政府は破産すると考えて日本国債の売り注文を出したら、どうなるのでしょうか。日本政府は破産するのでしょうか。その瞬間に何が起きるのか、考えてみました。

国債の価格が暴落し、ドルが暴騰する

日本政府が破産すると考えた投資家は、日本国債の売り注文を出すはずです。彼らが売るものは、今ひとつあります。日本政府の子会社が発行している「日本銀行券」という紙切れです。彼らは、日本銀行券をドルに替えようとして、ドルの買い注文を出すでしょう。
金融の怖いところは、皆が倒産すると思った借り手は、皆が融資を引き揚げるので本当に倒産する、というところです。健全な銀行が取り付け騒ぎで倒産することもあるわけですから。
したがって、ひとたび売り注文が増え始めると、売りが売りを呼んで暴落が止まらなくなる可能性があります。売り一色で取引が成立しないかもしれません。
それを予想した投機家たちは、日本国債や円をカラ売りするかもしれません。先物を売却するかもしれません。売り注文の額は、発行済み国債の残高を上回るかもしれないわけです。
そんな時に、最後の買い手として登場するのが、政府と
日銀です。

政府は外貨準備のドルを売って円を買い支える

政府は、1兆ドルを超える外貨準備を持っています。これを用いて暴落している円を買い支えるとします。1ドル300円くらいで取引が成立したとしましょう。市場に巨額のドルが供給され、市場から巨額の円が回収されます。
日銀は、市場から回収された分だけ市場に資金供給をしなければなりませんから、暴落した国債を大量に購入するはずです。国債の価格は額面の3割程度で取引が成立したとしましょう。

冷静になった時に、見えてきた勝者は?

夕方になって市場が閉まり、人々は酷かった1日を振り返るでしょう。国債を持っていた投資家は、額面の3割で投げ売りしたので、大損でした。
さらに悲惨なのは、外国人投資家でしょう。彼らは来日した時に10ドルを1000円に替えて額面1000円の国債を買ったはずです。それが、国債を300円で売り、それを1ドルに替えて本国に逃げ帰ったのです。
喜んでいたのは、国債と円をカラ売りしている投機家だけであったはずです。
「最も悲惨なのは、破産した日本政府だった」と読者は考えるかも知れません。しかし、そういうわけではありません。
日本政府は、1ドル100円で買って持っていた外貨準備のドルを300円で売却し、日銀は額面1000円の国債を300円で購入したわけです。しかも巨額に。
政府と日銀の連結決算で見ると、100兆円で買ったドルを300兆円で売り、その300兆円で額面1000兆円の国債を購入しているわけです。冷静に見ると、日本政府の借金はすべて綺麗に消滅しているのです。
本当に真っ青なのは、日本国債をカラ売りしている投機家でしょう。買い戻す義務があるのに、買い戻せる日本国債はすべて日銀が持っているのですから。

政府・日銀は、儲けた900兆円の一部を銀行に出資

投資は自己責任ですから、投資家が損をしても政府が救済する必要はありません。ただ、何事にも例外はあります。銀行が巨額の損失を出して倒産されると困るのです。倒産しないまでも、自己資本不足に陥って自己資本比率規制を守るために貸し渋りを始めても困ります。
そこで、政府は銀行に無議決権優先株を発行させ、それを買い取ることで、銀行の自己資本を充実させるはずです。銀行が将来儲かったら、優先株を買い戻す、という条件にしておけば良いでしょう。それにより、銀行の倒産や貸し渋りが防げて、金融市場の混乱が実体経済に波及することが防げるわけです。

政府が破産しなかったのは、負債が円建てだったから

過去、政府が借金を返済できずに破産(事実上の破産を含む)したケースでは、ドルを借りていた場合がほとんどです。政府が外国からドルを借りていると、外国から一斉に返済を要請された時に大変困ったことが起こります。
最初の1ドルを返済することは容易でも、そのためにドルを買うのでドルが値上がりし、2ドル目の返済は1ドル目の返済より厳しくなるのです。返済用のドルを買うたびにドルが値上がりしていくと、最後の1ドルを返済するために必要な自国通貨が巨額になり、倒産してしまう、ということが起きかねないわけです。
しかも、外国の貸し手はそれを知っていますから、政府が破産するかもしれないという噂を耳にした途端、他の貸し手が回収し始めるよりも先に回収しようとします。したがって、外貨を借りていると、危険なわけです。
外貨を借りている政府は、「危ない」という噂が立つと、実際に返済要請が来て本当に危なくなる可能性があります。一方で、自国通貨を借りている政府は、本稿が示すように、「危ない」という噂が広まれば広まるほど債務が減るのです(笑)。
外貨を借りている政府と自国通貨を借りている政府では、このように決定的な差があるので、「過去に倒産した外国政府よりも、日本政府の債務負担は重い(債務残高のGDP比が大きい)から、日本政府も破産するだろう」といったことにはならないのです。
本稿は以上です。なお、本稿は拙著『
日本経済が黄金期に入ったこれだけの理由』の内容の一部をご紹介したものです。
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プラごみ:「排出」と「漂着」の現場 北陸3県の現状 毎日新聞 
MSNニュースより転載記事

2018/10/08 12:58


毎日新聞 石川県小松市特産の大麦を使用したストロー(手前)=金沢市十間町で2018年10月2日、日向梓撮影

 プラスチックごみによる海洋汚染が世界的な問題となっている。欧州では使い捨て製品を規制する動きが進み、7月には米コーヒーチェーン大手「スターバックス」がプラスチック製ストローの使用廃止を発表した。日本海に面する北陸3県は、ごみの「排出」と「漂着」の現場でもある。現状や対策の取り組みを取材した。【日向梓】

日本海で多く

 環境省による2016年度の調査で、日本周辺の海域に漂流する人工物のごみを調べたところ、1平方キロメートルあたりの平均個数は、日本海215.6個東シナ海165.1個太平洋158.8個。いずれの海域でも、最も多かったのは「分類不能なプラスチック製品」で、次いで発泡スチロール食品包装材レジ袋ペットボトル−−だった。同省水環境課海洋環境室の担当者は「ごみが外海へ出て行く太平洋、東シナ海と違い、日本海はごみがたまりやすい上、北陸地方は外国のごみも入ってくる」。調査で確認したごみのうち、北陸3県付近では4割が外国のものだったという。

 プラスチックには、海中の有害な化学物質を吸着する性質がある。特に問題視されているのが、波や紫外線の作用で砕かれ5ミリ以下になったマイクロプラスチック(MP)だ。これを魚介類が飲み込み、食物連鎖を通じて有害物質が濃縮され、生態系に悪影響を与える恐れがある。

 石川県七尾市ののとじま水族館では10年以上前、保護したウミガメの体内からプラスチック片とナイロンが見つかったという。

漂着ごみの9割

 石川県は環日本海環境協力センター(富山市)と連携し、1996年から羽咋市の千里浜で漂着ごみの調査を実施。今年8月の調査では、約1時間半で約3キロ(862個)が集まり、個数別ではプラスチック類91%紙類5.2%ガラス・陶磁器類1.6%金属類0.7%布類0.4%ゴム類0.3%その他0.8%−−だった。

 今回は同センターの呼びかけで、千里浜の砂1リットルに含まれるMPの量も調べた。データがまとまるのはこれからだが、県廃棄物対策課の道下博之課長は「今まではMPを見ていなかっただけだと実感した。砂と区別がつかないほど小さなものもあり、どれだけの量が砂浜や海に紛れているのか想像もつかない」と話す。

脱プラの動き

 同センター調査研究部の中山純一部長によると、海岸の漂着ごみは国内から出たものが大半という。意図的な廃棄物より、川沿いで飲食した際などに風に飛ばされて海へ出て行くケースが圧倒的に多い。「なんの気なしに置いた食品トレーやラップが、海を漂うごみになっていくのです」

 2050年には、海洋生物の総重量を、海中のプラスチックごみが上回るという予測もある。中山部長は「海を漂うごみを回収するのは難しい。それよりも、ごみとなる製品を減らしたり、ごみをなるべく出さない努力をする方が合理的」と指摘する。

 民間の動きも始まっている。雑貨などの企画・輸入販売会社「ロータスコンセプト」(金沢市山の上町)は今夏、小松市特産の大麦を使ったストローを完成させた。麦わらを煮沸、乾燥させてカットしたもので、小松商工会議所や地元農家と相談して試作を重ねた。蒲田ちか社長は「企業も市民も、ごみを出さない生活に切り替えていく必要がある」と語った。

運動すれば「諦めない子」に? =体力と達成意欲分析―17年度体力調査

ヤフーニュースより転載記事

10/7() 17:06配信  時事通信社

 2017年度の体力・運動能力調査では、1219歳について、達成意欲と運動習慣、体力との関係を分析した。
 その結果、運動する頻度が高いほど、最後まで物事を諦めず、やり遂げる気持ちが強い傾向にあることが分かった。
 「何でも最後までやり遂げたいと思うか」の問いに対し、週に3日以上運動する15歳の男子の467%、女子は499%が「とてもそう思う」と回答した。一方、まったく運動しない男子は231%、女子が211%と低かった。
 体力との関係では、「とてもそう思う」と答えた15歳男子の新体力テストの合計点は528点、女子は531点で、最も高かった。18歳の男女でも同様の傾向がみられた。
 スポーツ庁は「子どもを持つ親にとっては関心が高いので、スポーツとやり遂げたいと思う気持ちに関係があることを示したかった」と話す。
 小学生に対する入学前の外遊びと体力などの関係も調査。入学前に外遊びを週6日以上していた10歳男子のテスト合計点は586点で、週1日以下の男子より6点高かった。10歳女子も同様に約6点高かった。
 また、10歳の男女は入学前に外遊びの回数が多いほど、現在も運動する頻度が高かった。同庁は「幼児期の外遊びの習慣の大切さが出ている」としている。 

MSNニュース/東洋経済オンラインより転載記事

貴乃花問題で誰も触れない横綱のリアル寿命 ガチンコ相撲で年間90日興行はムリがある

2018/10/04 17:00

 貴乃花親方の引退によって貴乃花部屋が消滅し、一連の貴乃花問題が終結することになりました。大相撲ファンを二分する騒動だったのですが、今回の出来事を転機に協会は一枚岩でまとまることになるでしょう。

 貴乃花親方は日本相撲協会の改革を目指して活動してきましたが、それはかなわない出来事となりました。

 ここで本当は話題にしづらい話があります。しかしおそらくはこのタイミングで問題提起をしておかないともう二度と語るタイミングが出てこない“不都合な真実の話”です。言葉を選びながら今回の貴乃花問題の本質とも思えることを指摘したいと思います。

 誰でも手に入る情報で、かつなぜかマスコミは黙殺している話。それは「横綱の寿命は一般人と比べて極端に短命だ」という事実です。これについては、決して貴乃花親方のことを暗示するものでもなんでもないことを、最初に強くお断りしておきます。

 ここ数年を振り返ってみましょう。2011年、おしん横綱と呼ばれた隆の里さんが59歳の若さで亡くなりました。2015年に大横綱で現役の相撲協会理事長だった北の湖さんがやはり62歳の若さで亡くなっています。翌2016年には千代の富士さんが亡くなりました。享年61歳です。

時代のヒーローたちは若くして亡くなってしまう

 私の時代のヒーローたちが相次いでこの若さで亡くなってしまう。悲しいことです。しかし「なぜこの若さで?」と思う人は次のデータをご覧になってどう思われるでしょうか。

 戦後の土俵に上がった歴代の横綱、つまり双葉山から後の代の歴代横綱を調べると隆の里さん以前の41人の横綱のうち実に38人がすでに鬼籍に入っています。平均没年齢は実は62歳。いまでも健康に活動されているのは輪島さん(70)、三重ノ海さん(70)、二代目若乃花さん(65)の3人だけです。

 伊勢ヶ濱親方つまり元・旭富士関が58歳。八角理事長つまり元・北勝海関と芝田山親方こと元・大乃国関が55歳で、それ以降の横綱含めまだ還暦になっていらっしゃらない元・横綱はもちろんこのリストには入っていません。とにかくそれよりも年長の元・横綱の平均没年齢があまりに若い。

 平均没年が62歳だと言うと相撲に詳しい読者は「27歳で急逝した玉の海さんが平均を下げているんじゃないか?」と思うかもしれませんがそうでもありません。サンプル数が少ないというのであれば戦後土俵に上がった大関も加えて没年を計算すると平均の没年齢は60歳とさらに下がります。貴ノ浪さんが43歳、北天佑さんが45歳、人気大関だった貴ノ花さん(貴乃花のお父さん)が55歳と大関もやはり短命の傾向にあります。

 お亡くなりになったそれぞれの事情はあるので深くは立ち入りませんが、大相撲の頂点にいらっしゃる方々はその命を削る仕事をしているということまでは申しあげておきたいと思います。

 大相撲の三役の取り組みとは、あの巨躯同士が猛スピードで激突するものです。これを例えて「本場所中は毎日、軽トラックと正面衝突しているようなものだ」という表現を聞いたことがあります。それが土俵人生の続くかぎり続いていく。そのようなお仕事です。

 当然のことですが、その衝撃はプロボクサーで言えばパンチドランカーを引き起こすレベルの衝撃のはずです。大関では将来は横綱確実と言われた栃東関は「このまま相撲を取り続けたら脳梗塞が再発する」と診断されて引退します。千代大海と武双山はどちらも強い大関でしたが、このふたりの対戦では張り手の応酬で双方血まみれになる激しい一番が名勝負として語られています。見ている側には名勝負でも、本人たちの身体をむしばんでいるはずだという点では心配です。

とにかく食べて太るという生活習慣もリスク

 脳への衝撃とは別に、身体を大きくしたほうが有利だという相撲の特徴から、とにかく食べとにかく太るという力士の生活習慣も、その寿命には影響を与えているはずです。

 別の分野のアスリートで言えばボディビルダーがこの問題を抱えているようです。私が出演している『モノシリスト』というテレビ番組で小島よしおさんが出題したクイズに「アメリカのボディビルは日本と本質的に違う点があるのですが、それは何でしょう?」という問題がありました。ボディビルに詳しい小島よしおさんによれば、アメリカのボディビルはスポーツではなくエンターテインメントだということです。そのためステロイドの使用が許可されているというのです。

 私も興味をもったので、ボディビルに詳しい友人にお願いしてアメリカのボディビル大会の最高峰であるオリンピア2018の観戦に連れて行ってもらいました。出場する世界の頂点のボディビルダーたちは皆、すばらしい肉体美を披露しているのですが、友人に言わせると、「あの状態にもっていくのは生命の危険と隣り合わせだ」というのです。

 実際に体脂肪率を極限まで落とす関係で、ステロイド抜きでも低血糖でふらふらになる。だからあの状態になれるのは年に1回が限度で、何度も大会を開催することは無理なのだそうです。そしてアメリカのボディビルダーは実際、若くして亡くなる人が少なくないといいます。

 同じ、肉体に極度の負担をかけるスポーツの場合で考えると、大相撲の問題はその試合の頻度でしょう。

 プロボクシングの世界タイトルマッチは年に1度か多くても2度開催するのが限度です。毎月ボクサーが興行に出場したとしたら、それこそボクサー生命どころか本当の生命に赤信号がともるはずです。

ショーとして興行するプロレスラーも命を削っている

 逆に頻繁に興行を行うとしたら。これはプロレスの世界の話ですが、最初からある程度のシナリオを決めておいて、あくまでショーとしての興行を行う前提でないと身体がもつはずはありません。もっともプロレスでも頂点を極めたレスラーたちは相撲と同じくらい短命の傾向があります。命を削っているのには違いはないのです。

 そのような情報を基に考えてみたいのが今回の貴乃花問題です。

 あくまで大相撲では八百長は行われていないというのが公式見解です。その前提で貴乃花親方と協会の争点はメディアではわかりにくい方向に話がもっていかれてしまうのですが、誰もが知っている公然の秘密ということで言えば、ガチンコ相撲を厳密に突き詰めるかどうかという一点にありました。

 貴乃花親方は相撲道という言葉を用いていましたが、貴乃花親方にとってこれは相撲哲学として譲れない大問題だったようです。

 一方でこれは誰も真剣に訴えかける人がいない話なのですが、年6場所15日間。つまり合計で90日、あの巨体の力士たちがガチンコで土俵の上でぶつかり続けたとしたら、彼らの生命の危険はどうなのかというより本質的な大問題があるのです。

 もし貴乃花親方が提唱するような相撲道を突き詰めるとしたら。そのうえでこれから先の未来ある若手力士たちが81歳の日本人男性平均寿命に到達できる安全性を考えたとしたら。このふたつの問題は両立できるものなのでしょうか。

 それを考えたら、現在の興行スタイルというビジネスモデルではそれは成立しません。無理やり改革をやるとすれば、それこそF1グランプリのように年間の開催を21回ぐらいにばらけさせたうえで、おのおの一番しか相撲を取らない。その年間21番勝負で年間優勝を決めるぐらいの開催頻度に下げなければ力士の身体はもたないはずです。

江戸時代は年2回、10日間ずつの開催だった

 実際、江戸時代の本場所は年2回。おのおの10日間の開催でした。つまり昔はF1グランプリの決勝レース並に相撲の勝負は少なかったのです。それが力士年金の問題から11日になり、13日になり、戦後は15日間で定着しました。昭和30年代に九州場所と名古屋場所が加わり、現在のように6場所90日制が定着したわけです。

 さて、大相撲の関係者は日本相撲協会だけでなくマスコミ関係者を含め協会を批判するのはタブーになっています。なので貴乃花親方が取り上げようとした本当の問題は「なかったもの」として収束を図られることになるのでしょう。が、私が今回取り上げたある意味で不都合な真実を考慮した場合、本当はどちらがよかったのかという話に決着をつけてみたいと思います。

 結論から言えば、意外に思われるファンの方もいらっしゃるとは思いますが、貴乃花親方の考える改革を進めてしまうと力士の生命はもっと危険にさらされることになっていたでしょう。

 そもそもアスリートの肉体的には無理なのです。それがビジネスの問題が絡んで、年6場所の90日に加えて、ファン育成のために大切な地方巡業もしっかりと行わなければならないというのが相撲興行のビジネスモデルなのです。

 相撲協会にとっておそらくこの興行日数の制約には手をつけられない。F1グランプリやボクシング世界戦のような低頻度の開催では現在の規模での雇用を維持することはとうてい不可能です。

 そのうえで力士の最低限の健康を維持しながら、年90日の本土俵を務めるためには、貴乃花親方が何と主張しようと「今のやり方が最善だ」としかいいようがない。ここに今回の問題の本質と、あるべき着地点があります。心情的にも貴乃花寄りの私も大相撲ファンとして最終的に納得できる結論なのです。

ヤフーニュースより転載記事
『朝日』元記者・植村隆裁判で西岡力氏が自らの「捏造」認める

9/26(水) 10:15配信

「慰安婦」問題否定派の旗手である麗澤大学客員教授の西岡力氏――。彼の論考や発言は、国家基本問題研究所理事長の櫻井よしこ氏をはじめ、右派言説の論理的支柱となり、影響を与え続けてきた。その西岡氏が9月5日に東京地裁で尋問に答えた内容は、彼らに失望と嘆息を与えるかもしれない。西岡氏が、いくつかの重要部分について「間違い」を認めたからだ。

 東京地裁では、元「慰安婦」記事を「捏造」と記述され名誉を傷つけられたとして、元『朝日新聞』記者の植村隆・韓国カトリック大学客員教授が西岡氏らを相手取り、損害賠償などを求めた訴訟が2015年1月から続いている。

 植村氏は1991年8月、韓国での「慰安婦」問題に取り組む市民団体への取材やその聞き取り調査に応じた女性(のちに記者会見で名乗り出た金学順さん)の録音テープを聞いてスクープし、同年12月にも証言を記事化した。

 西岡氏は、植村氏の記事に対し、『週刊文春』2014年2月6日号で「名乗り出た女性は親に身売りされて慰安婦になったと訴状に書き、韓国紙の取材にもそう答えている。捏造記事と言っても過言ではありません」とコメントした。

 しかし、尋問で「そう訴状に書いてあるのか」と問われると、「記憶違いだった」と間違いを認めた。金さんの記者会見を報じた韓国『ハンギョレ』新聞の記事を著作で引用した際、「私は40円で売られて、キーセンの修業を何年かして、その後、日本の軍隊のあるところに行きました」という、元の記事にない文章を書き加えていることを指摘されると、「間違いです」と小声で認めた。

 西岡氏はまた、元「慰安婦」の証言集は読んでおりながら、「挺身隊」名目で「慰安婦」にさせられた韓国人女性の証言は「覚えていない」とし、自らの主張と異なる最新の調査・研究結果も読んでいないと答えた。

(佐藤和雄・ジャーナリスト、大学非常勤講師、2018年9月14日号)

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新日本プロレスと「殺しの柳川」 知られざるその関係

NEWSポストセブン / 2018年9月27日   より転載記事

“殺しの柳川”と称された柳川次郎(梁元錫、ヤンウォンソク)が1969年に柳川組を解散したあと、力を入れたのが日韓のスポーツ交流だった。空手の極真会館館長・大山倍達を庇護し、アントニオ猪木を韓国へ送り込み、猪木のモハメド・アリ戦でも陰ながらその成功を支えていた。ジャーナリストの竹中明洋氏が、柳川の足跡を辿った。

 * * *
 1974年11月、柳川は韓国政府の招きを受けて韓国を訪問した。7歳で釜山から海峡を渡って以来、じつに45年ぶりに祖国の土を踏んだことになる。この訪問で柳川は大統領の朴正熙(パクチョンヒ)から直々にある依頼を受けた。

 内実について語るのは、元新日本プロレス営業本部長の新間寿(しんまひさし)だ。

「韓国から帰ってきた柳川さんから連絡があって大阪の事務所を訪ねると、『韓国でプロレスをやってくれないか』と。聞けば、大統領から国軍将兵の慰問のためにやってほしいと依頼を受けたそうです。『そういうことなら、猪木と大木の対決ということでどうですか』と提案すると、柳川さんは『おい、すぐに大木に連絡を取れ』と大乗り気になりましてね」

 朴正熙は無類のプロレス好きとして知られる。大統領在任中、プロレス中継が途中で打ち切られると、自らテレビ局にクレームの電話をかけたという逸話が残る。

 力道山の弟子だった大木金太郎こと金一(キムイル)が、1963年の力道山死後に日本から韓国に帰国すると庇護し、大韓プロレス協会の設立を支援した。

 柳川もまた、力道山死後に、その弟子のアントニオ猪木や金一らを支援した一人である。生前の力道山とは、同じ在日として親しく、柳川組解散前の1961年には、力道山率いる日本プロレスの奈良での興行を取り仕切ったこともある。

〈押し寄せる人、人、人…。長蛇の列が続く。警官、係員が汗ダクの整理。試合開始前に満員札止めとなった。館内は押すな、押すなの大混雑。見渡す限りの人の波…。観衆八千人、超満員。(中略)館内が一瞬静まりかえったのは、日韓両国の国歌演奏の時だ。さあー、決戦のゴングだ〉

 1975年3月にソウルで行われた猪木対金一の一戦を伝える『プロレス』の記事だ。猪木ら新日本プロレス一行は、釜山から始まり、大邱、大田、光州を経てソウルへと回った。

「入りきれない客が外で会場を何重にも取り囲んどった」

 柳川とともに同行し、大阪でボクシングの興行師として知られた梨本隆夫が、その熱狂ぶりを語る。

「釜山で初めてリングに上がる直前、柳川会長にリング上の作法を教えてあげました。まず、リングの真ん中に立って、それから四方に順番に頭を下げて、と。そしたら、釜山の観客は『ヤクザの親分が足を洗って祖国に恩返しをしにきた』いうて、えらい盛り上がりましてね」

 ソウルでの猪木と金一との試合は、金一が得意技の頭突きを繰り出すたびに「キムイル」「キムイル」の大合唱となったが、猪木が足四の字固めで逆襲しそのまま場外に転落。リングアウトの引き分けとなった。

 お約束の結果とはいえ、大盛況のうちに幕を閉じたこの興行の後で柳川は、猪木と金一とともに青瓦台に招かれ、首相の金鍾泌(キムジョンヒル)から直接ねぎらいの言葉をかけられている。柳川はこの功績により大韓プロレス協会の名誉会長に就任した。

「韓国が豊かでなかった時代、白黒つけやすいプロレスは国民を統合するのにちょうど良い手段でした。地域ごとのチームによる野球やサッカーでは、韓国の激しい地域対立を煽りかねませんから」

 金一の弟子だったレスラーの李王杓(イワンピョ)をソウル市内の自宅に訪ねると、当時のことをそう振り返った。

 韓国を代表する金一と日本を代表する猪木。2人の直接対決は、国民を熱狂させ、独裁政権への不満の格好のガス抜きとなった。朴正熙政権が柳川に興行を依頼した狙いはそこにあったのだろう。

◆大山への挑戦状

 新日本プロレスの新間は、韓国興行の後に柳川とこんなやりとりをした。

「柳川さんが世話になったから500万円を持って行けというのです。『両国の親善のためですから頂くわけにはいきません。猪木からもそう言われています』とつっぱねました」

 すると、二週間後に柳川から電話があり大阪を訪れることになった。

「行くと、大きなダイヤの指輪を取り出して、これを猪木の女房にあげるという。でも、受け取るわけにいかない。柳川さんは『おまえも強情なやっちゃなあ』と呆れてました。『他にほしいものないんか』と言うので、ならばと『会長の背中に大変立派なものがあると聞いています。ぜひ拝ませて頂けませんか』と頼みました。柳川さんは『おう』と頷いて上着を脱いで見せてくれましたよ。見事な観音様の入れ墨でした。私は日蓮宗の坊主の息子だから自然とお経を読み上げ始めると、柳川さんも上着を脱いだままじっと待ってくれてね。喜んだ柳川さんは自筆の般若心経の写経を持たせてくれましたよ」

 韓国興行から3か月後のことだ。日本を訪れた金一は、予期せぬ騒動を起こすことになる。金一は、スポーツ紙上で、極真会館の大山倍達への挑戦状を発表したのだ。大山が毎日新聞に寄せた手記のなかで、「力道山すら勝てなかったレスラーに米国修行中、勝利した」と書いたことがきっかけだった。李王杓はいう。

「師である力道山先生が侮辱されたと感じた金一先生は怒って『俺と勝負しろ』と言い出し、日本のメディアがそれを煽った。それを『そんな騒ぎを起こすな』と取りなしたのが柳川さんでした。柳川さんが仲裁に乗り出したのは、大山に泣きつかれたからではないでしょうか。金一先生は骨が頑丈で、スパーリングも滅法強かった。極真空手も強力な足技をもつとはいえ、プロレスのような総合格闘技ではない。闘えば歯が立たなかったはず」

 一方、大山の弟子だった士道館館長・添野義二の見方は全く違う。

「大木(金一)にすれば予想以上の大騒ぎになってしまい、ひっこみがつかなくなっていたはず。たった一人で極真会館に太刀打ちできるわけもなく、柳川さんに説得されて逆に助かったんじゃないかな。でも、実はあの時、大山先生は大山先生で、聖路加病院に入院しようかなんて言ってたんだよ(笑)。先生は都合悪くなると、きまってあそこの病院に入っちゃうの」

◆「我々韓国人にとっても損」

 柳川が火消しに回った事例は、枚挙に暇がない。翌1976年のこと。新日本プロレスの新間は頭を抱えていた。

 6月に日本武道館でアントニオ猪木対モハメド・アリによる「格闘技世界一決定戦」が行われるのを前に、アリに支払う巨額のギャラを用立てるのに四苦八苦していたからだ。  たどり着いたのが、大阪の在日で不動産業を営む木本一馬(孫圭鎬、ソンギュホ)だ。

 木本といえば、もとは柳川の子分。カネ儲けの才覚に長け、柳川組解散後に不動産会社を設立し、国内外で財をなした。のちに数百億円を投じる派手な仕手戦で世間を騒がし、「北浜の風雲児」と呼ばれるようになる。

 新間ら新日本プロレスは、その木本から8000万円を無利子無担保で借りるという約束を取りつけた。かつて新日本プロレスから3000万を借りたことがあり、「あんたたちには世話になったから」と木本は破格の条件に応じたという。

「用意しとくから明日取りに来い」

 翌日事務所に向かうと、契約書には、8000万に「9%の利息」をつけて返す、と明記されていた。新間らは約束が違うと反論したが、木本は「それなら借りなきゃいい」の一点張り。

 そうは言っても、アリとの試合は目前に近づいていた。

「それだけのまとまったお金を用意できる人は他にいない。それで取りあえず借りたんですが、試合後は利息をつけずに8000万しか返しませんでした。そうしたら利息分を寄越せと脅されてね」

 困った新間らが駆け込んだのはやはり柳川だった。新日本プロレスのために骨を折ることにした柳川は、木本宛に手紙をしたためた。

〈前回も自腹を切って私が韓国へプロレスを持って行き、アントニオ猪木も自分のギャラも投打って韓国の為に尽くしてくれた。昨年の十月の興行でも韓国のプロレス協会は貧しいので私が立て替えてプロレスを連れていっている。(中略)猪木も新間も韓国の為にどれだけPRしてくれたか。この様な人々にアイソをつかされる様では我々韓国人にとってもどれだけ損かわからない。お前も今一度良く考えて新日本プロレスの為にあたたかく見守ってやるべきではないか〉

 在日韓国人としての柳川の気負いすら感じられる手紙に、木本も矛を収めるしかなかった。

●たけなか・あきひろ/1973年山口県生まれ。北海道大学卒業、東京大学大学院修士課程中退、ロシア・サンクトペテルブルク大学留学。在ウズベキスタン日本大使館専門調査員、NHK記者、衆議院議員秘書、「週刊文春」記者などを経てフリーランスに。著書に『沖縄を売った男』。

※SAPIO2018年9・10月号

msnニュースより転載記事

日本人が驚く、海外では違った意味を持つ「あの日本語」とは?
2018/09/25 07:30
c TABIZINE 提供 日本人がビックリ。海外では違った意味を持つ「あの日本語」とは

日本ブームの影響で、海外でも日本語の認知度が高まってきています。「ラーメン」「しょうゆ」「すし」「きもの」「漫画」「酒(Sakiと発音)」などは、日本語のまま通用しますよ。

しかしながら、海外では「日本とは違った意味を持つ日本語」もあるのです。今回は日本人がビックリする意味を持つ日本語を、本来の意味と比較してご紹介しましょう。

Hibachi(ヒバチ)

c TABIZINE 提供 日本人がビックリ。海外では違った意味を持つ「あの日本語」とは


火鉢の意味

古くから火桶,火樞,火櫃とも呼んだ。中に灰を入れ,炭火をいけて手先を暖めたり湯茶を沸したりする器具。江戸時代後期から昭和10年代までの都市生活者の茶の間には長火鉢が置かれる風習があった。

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説|コトバンクより引用

火鉢は、日本では骨董価値。時代劇のドラマや映画でしか見ないですよね。家庭で使っている家も少なければ、話題に上ることも稀でしょう。筆者もまさか20代のアメリカ人女性から、「火鉢」の話題が出るとは思いませんでした。

しかも、日本で意味するものとはどうやら違うようなのです。「妹の誕生日が近づいているんだけど、Hibachi(ヒバチ)レストランに行きたがっているのよね。日本人に評判の良いところを知らない?」と聞かれ、「火鉢とレストランがどう結びつくのか」と頭は???でいっぱいになりました。

客の目の前で、火を使ってパフォーマンスする鉄板焼き料理

c TABIZINE 提供 日本人がビックリ。海外では違った意味を持つ「あの日本語」とは (C)Jevgeni Mironov / Shutterstock.com

アメリカ人が意味するHibachi(ヒバチ)とは、カウンター席に座った客の目の前で、火を使ってステーキ等を鉄板で焼く派手なパフォーマンスのこと。筆者は、はじめて聞きました。日本語なので、アメリカ人は日本でもお馴染みと思っていたらしく、お互いにビックリ。

鉄板焼きで有名なBenihanaが発祥のようです。アメリカ人は派手に盛り上がるのが好きなので、こういったパフォーマンスを思いついたのかもしれませんね。現在はBenihanaから派生して、他の鉄板焼きレストランでも行われています。筆者を含め日本人では、知らない人が多いかもしれませんね。

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https://www.youtube.com/watch?v=8aPhp_I4JaQ

youtube/How to Become a Hibachi Chef at Benihana / ZAGAT

Sensei(センセイ)

c TABIZINE 提供 日本人がビックリ。海外では違った意味を持つ「あの日本語」とは


先生の意味

1 学問や技術・芸能を教える人。特に、学校の教師。また、自分が教えを受けている人。師。師匠。「国語の先生」「ピアノの先生」

2 教師・師匠・医師・代議士など学識のある人や指導的立場にある人を敬っていう語。呼びかけるときなどに代名詞的に、また人名に付けて敬称としても用いる。

goo辞書より引用

日本で先生といえば、一般的には学校の教師やお医者様を指す場合が多いと思います。

柔道、空手、剣道などの指導者で尊敬すべき人

c TABIZINE 提供 日本人がビックリ。海外では違った意味を持つ「あの日本語」とは

アメリカをはじめとする海外では、柔道、空手、剣道などの指導者で尊敬すべき人を指す場合が多いようです。武術などはスポーツというよりは、礼儀・作法・生き方も含めて教わるものなので、先生は「師」を意味しています。小さな子が空手などを習いに行くと、まず指導者を”Sensei(センセイ)”と呼ぶところから教わり、常に尊敬の念を持って接します。

筆者の住むアメリカでは公立学校の教師は、女性には「ミス・スミス(名字)」男性には「ミスター・ウッド(名字)」と呼ぶのが一般的(礼儀正しい)です。語学学校の教師や、スポーツジムなどの指導員はファーストネーム(名前)で呼ぶことが多いですね。

Samurai(サムライ)

c TABIZINE 提供 日本人がビックリ。海外では違った意味を持つ「あの日本語」とは


さむらい【侍】の意味

〔「さぶらい」の転。近世以降多用されるようになった〕

1 帯刀し、武芸をもって主君に仕えた者。武士。さぶらい。

2 特に、江戸時代、士農工商のうち士の身分のもの。幕府では御目見得以上、すなわち旗本を、諸藩では中小姓以上の上級武士をさした。

3 相当な人物。気骨のある人物。

三省堂大辞林 第三版|コトバンクより引用

侍も日常では使わない言葉ですね。筆者は時代劇の映画やドラマやアニメに出てくるキャラクターなど、漠然としたイメージしか思い浮かびませんでした。また日本のサッカーチームは、”サムライブルー”ですね。さて、チリ人から聞いたサムライの意味とは。

ボス(上司)を指す 

c TABIZINE 提供 日本人がビックリ。海外では違った意味を持つ「あの日本語」とは

チリでは、Samurai(サムライ)とはボス(上司)を指すそうです。ボス本人には直接言わず、「サムライが来たわよ」「サムライに怒られた」などと部下同士で使います。こちらもはじめて聞いた使い方で、驚きました。

「サムライ」は、アメリカほか海外で人気が高く、憧れの的。強くストイックで精神性が高いキャラクター。舞うような剣術遣い。無口でミステリアスなところが、またクール。映画やアニメの影響だとは思いますが、日本人としては悪い気はしないものです。

しかしながら、アメリカ人女性に「日本男性はサムライスピリット(サムライ魂)があるから、男らしくてクールなのでは」期待を込めて問われ、「現代の日本男性は草食系で優しくなっており、サムライスピリットは、現在は日本女性に移行している」と答えたらガッカリされました(苦笑)。

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https://www.youtube.com/watch?v=EmqGk1vGqOE

海外でイメージされるサムライ?

youtube/Cup Noodles Samrai 60sec / CupNoodles India

ところ変われば意味変わる

海外では、日本語が微妙に違った意味で使われていて興味深いですね。いずれも「ミステリアス」「精神的」「礼儀」「東洋の文化」がキーワード。日本のアニメや漫画から、日本について興味を抱く人も多いです。海外で人気の高い日本語を英語の綴りで検索してみると、面白い結果が得られますよ。

世界でそのまま通じる日本語については、『イギリスBBCが「Tsundoku=積んどく」を紹介。世界で通じる日本語とは?』『これぞクールジャパン!世界共通語になった日本語10選?Senpaiも!?』もご一読ください。

msnニュース(JBpress)より転載記事
平和と日本を愛するマハティール首相、国連で吠える


末永 恵
2018/09/21
 「コフィ・アナン氏の訃報に、心から哀悼の意を表する」

 マレーシアのマハティール首相(以下、マハティール氏)は8月に80歳で死去したコフィ・アナン元国連事務総長の死を受け早々に、こう弔辞を表明した。

 日本のメディアは「アナン氏は平和を愛し、紛争解決に尽力。中でも事務総長として最も高く評価されたのが、米国のイラク攻撃に対し、非難声明を発表したこと」と、その“偉業”を称えた。

 イラク戦争は、2003年3月に開戦。米国が国連安保理の同意を経ずに、戦争に単独で踏み切った。アナン氏が事務総長に就任してから6年目のことだ。

 国連への最大分担金を支出する最大支援国の大国・米国に対し、「法を破った行為であるとともに、憲章への違反行為」と非難した国連事務総長は、後にも先にもアナン氏以外、いなかったからだ、ということらしい。

 そうした一般的な評価とは一線を画して、当時のアナン氏を厳しく非難したのが小国・マレーシアのマハティール氏(当時、4代目首相)だった。

 アナン氏を名指しで、国連を無視し、イラクへの開戦に踏み切った米国を止められなかったことに対し、「辞表を突きつけ、抗議するべきだ」と直言したのはマハティール氏のみだった。

 アナン氏は回顧録の中で、「事務総長時代の最悪の経験は、イラク戦争を阻止できなかったことだ」と国際社会での評価とは裏腹に、後悔の念を深く滲ませた。

 マハティール氏の一喝は、心に深く、暗く重石となって横たわっていたに違いない。

 マハティール氏は2003年10月末に22年間のマレーシア最長となる首相職を自ら退いたが、その1か月前の国連総会での最後の演説でも、大国・米国や国連を厳しく非難した。

 「(イラク進攻は)欧州帝国主義の再来だ。経済的締め付けと金融の無力化で、新興独立国が屈服させられ、再植民地化されることはあった」

 「だが今は、外国の軍隊が、諸外国を『占領』するという事態が現実となって起きている」

 このようにジョージ・W・ブッシュ政権(当時)の一国覇権主義の対外・経済政策などを痛烈に批判した。

 さらに国連についても、「国連は、足元から崩壊している。貧困や弱者を救済できなくなっている。そういう国や人々は、無視され、脇に追いやられている。国連が創立された時の原点に戻り、信頼を取り戻す必要がある」と力説し、新興国や発展途上国の指導者から喝采を浴びた。

 あれから15年。世界最高齢(93歳)の首相として再び政界に返り咲いたマハティール氏は、今月28日に再び、ニューヨークで開催の国連総会の演壇に立つ。

 5月に政権交代を果たして以後、初の欧米への外遊となる。米国(ニューヨーク)訪問後、30日には旧宗主国・英国(ロンドン)入りする。テレサ・メイ首相とは、国連総会時に首脳会談を行う予定だ。  

 マハティール氏は国連では、新生マレーシアの外交方針を発表する(マレーシア政府筋)。

 9月11日の米国同時多発テロの追悼覚めやらぬニューヨークで、平和的解決による世界的繁栄を訴える中、国連改革の推進を訴える。

 「拒否権を誇示する国連安保理常任理事国などの大国主義の再考」

 「途上国のアフリカ諸国との連携」

 「経済貿易の保護主義を否定。トランプ政権のアメリカ・ファーストやアジア軽視を牽制」

 さらには、「中国などの新植民地主義に警笛」を鳴らし、経済で台頭するアジア的価値観の重要性についても言及するとみられる。

 実は、マハティール氏はこうした国際的な表舞台だけではなく、22年間の首相時代とともに、2003年10月の引退後も、積極的に「裏舞台」でも世界情勢への提言や苦言を世界の指導者に発信続けてきた。

c Japan Business Press Co., Ltd. 提供 マハティール首相と世界の指導者との書簡を集大成した「ドクターMより:世界のリーダーへの書簡」

 中でも世界のリーダーに向けた私信(書簡)が、影響力を強く発揮してきたといえる。

 その書簡で最も多いのが超大国の米国との指導者たちとのやりとりだ。

 『ドクターMより:世界のリーダーへの書簡』(2012年、2015年発刊。写真添付)にまとめられた書籍の中では、米国を含めた世界のリーダーとの何千通にもなる書簡から厳選されたものが紹介されている。

 象徴的な書簡のやり取りは、コフィ・アナン元事務総長が人生最大の後悔と悔やんだイラク戦争や米国のアフガン軍事介入などで、平和的解決で紛争や戦争を回避するべきと主張するマハティール氏の訴えと願いが込められたものだ。

 前任の首相時代から(1981〜2003年)核の再処理や廃棄物問題など、原子力の人類への脅威を理由に、「反原発」を長年一貫して主張し、米国による日本の原爆投下を厳しく非難。

 ハスマ夫人と何度も長崎や広島の平和記念式典に出席している同氏が、人生を通して、訴えてきたのが、恒久的な世界平和だ。

 英国の統治下で多感な少年期を過ごし、悲惨な戦争体験を身にしみて味わってきたからこそ、主権国家として平和を統治することの重要性を痛感しているからともいえる。

 実際、英国領土であった植民地下のマレーシアでは、英国人を「マスター」(雇い主、主人)に相当する「トゥアン」(マレー語)と呼ばなければならなかった。

 マレー人は常に英国人に見下されたが、「私は決して『マスター』とは呼ばなかった。自分の国では自分がマスターであるべきだからだ」と述懐する。

 とりわけ、世界の覇権を一手に掌握する米国が介入する戦争への苦言に容赦はない。

 「米国の大統領が第三世界の指導者の苦言に耳を傾けるとは思えないが・・・」と前置きしたうえでイラクへの軍事介入を示唆するジョージ・W・ブッシュ大統領(当時)に書簡を送った。

 「サダム・フセインの大量化学兵器密造の国連による立証がなされなかったにもかかわらず、戦争に突入する意味は全くなく、何の解決にもならない」

 「最も重要なのは、互いの憎しみと怒りを取り払うことで、それが最大の解決策だ。軍事介入は何の解決をももたらさないどころか、新たな憎しみを助長する」

 これに対して、ブッシュ氏は「軍事介入しなければ、米国民の安全、ひいては国際社会が危険にさらされる」とマハティール氏に往簡したという。

 また、9月11日の米国同時多発テロ直後の2001年10月には、アルカイダの指導者、オサマ・ビン・ラディン容疑者の大捜索戦に銘打ったアフガンへの軍事介入に対しても、「軍事介入は悲劇をもたらすだけ」とブッシュ氏に書簡を送っている。

 マハティール氏は、ビル・クリントン大統領(当時)にもボスニア紛争で同様の書簡を送っている。

 また、バラク・オバマ大統領就任直前にも、アフガン戦争に対して「私はあなたの有権者ではないが、あなたの言動行動は、私や私の国に多大な影響を及ぼす」として、戦争を避けるよう忠告している。

 「米国人は今や世界で最も嫌われている、欧州人からもだ。世界から称賛される国は、植民地支配から撤退する国と指導者だ」

 こうした書簡の効果があったのか、のちに米国は国内からも批判が上がった泥沼の戦いに終止符を打つことになった。

 ここで、マハティール氏が小国であっても大国に物申す彼独自の世界観を描いた演説の一端を紹介したい。

 「日本なかりせば」

 マハティール氏が1992年10月、香港で開催された「欧州・東アジア経済フォーラム」での演説だ。

 「日本の存在しない世界を想像してみたらいい。もし、『日本なかりせば』、欧州と米国が世界の工業国を支配していたい違いない」

 「欧米が基準と価格を決め、欧米だけにしか製造できない製品を買うため、世界中の国はその価格を押しつけられていただろう」

 「貧しい南側諸国が輸出する原材料価格は、買い手が北側のヨーロッパ諸国だけなので最低水準に固定。その結果、市場での南側諸国の立場は弱まる」

「多国籍企業が安い労働力を求め南側の国々に投資したのは、日本と競争せざるを得なかったからだ。日本との競争がなければ、南側・開発途上国への投資や経済発展はなかった」

 「日本と日本の成功体験がなければ、東アジア諸国は模範にすべきものがなかっただろう。欧州が開発・完成させた産業分野では、自分たちは太刀打ちできないと信じ続けていただろう」

 「もし、『日本なかりせば』、世界は全く違う様相を呈していたに違いない。富める北側は淀みなく富み、貧しい南側は淀みなく貧しくなっていただろう」

 「北側の欧州が、世界を永遠に支配し、マレーシアのような国は、ゴムを育て、スズを掘り、それを富める工業国の顧客の言い値で売り続けていたに違いない」

 冒頭のこの演説から、白人(white manとマハティール氏は記述)の政府関係者が憤慨して、プンプン顔を赤らげ、退席していったという。

 マハティール氏はアジア通貨危機でも、IMF(国際通貨基金)からの支援申し出を断り、通貨取引を規制した。

 欧米諸国やメディアは「自由市場を冒涜する無知な指導者」と批判。しかし、のちに、世銀やIMFはマハティール氏の固定相場制導入を評価した。

 その後に起こったロシア経済危機では、米国の投機家が損失を出すと、米国政府が巨額資金で救済する事態となった。

 これを見て、西側諸国は通貨取引安定化のため監督強化を図った。マハティール氏に“追随”したわけだ。

 民主選挙で選ばれながら、欧米諸国やメディアからは「独裁者」と叩かれ続けた。しかし、独自の政策でマレーシアを東南アジアの「ハリマオ(マレー語で『虎』)」に育てたマハティール氏を「鉄の女」マーガレット・サッチャー元英国首相は「アジアの歴史を最も代表する宰相」に挙げた。

 首相に返り咲いたマハティール氏は中国に続き、今回の西側への外遊で再び、大国に「耳の痛い訓示」を浴びせるだろう。

 「マハティールなかりせば」

 国際社会でのアジアのプレゼンスは、今よりはるかに弱いものになっていたのではないだろうか。

(取材・文 末永 恵)

「綾瀬コンクリ殺人」の元少年Cも再犯!戦慄走る周辺住民、30年前の記憶と恐怖

週刊女性2018918日号/ネットニュースより転載記事

「現場検証で警察が凶器のナイフを探しているとき、逮捕された男はニヤニヤと笑いながら、アパートの前に座ってその様子を見ていました。連行時は周辺のヤジ馬をずっとにらみつけていました。いずれは帰ってくるって考えると怖いです」

 事件現場近くの女性住民は、声を震わせながらそう話す。当時少年Cだった男の素顔

 連行された男は、埼玉県川口市東内野在住の無職・湊伸治容疑者(45)。逮捕容疑は殺人未遂。819日の夕方、自宅アパートの駐車場で事件は起きた。

「駐車場に関するトラブルから口論になり、犯人が自家用車から警棒とナイフを取り出し、32歳男性の右肩を殴ったうえ首を折りたたみ式ナイフで刺しました。警棒は金属製で3段式のもの。ナイフは刃渡り8センチ、全長19センチのもの」

 と捜査関係者。男が争う声に驚いたという近隣男性が、そのときの状況を伝える。

「網戸にしていたら、すごい声が聞こえてきたんです。てめぇこのやろうって。そのうちボンボンと車を叩く音が聞こえてきて、気になったので外に出ました。

 そうしたら男が被害男性に馬乗りになって、殴り合っていました。2人とも地べたに寝そべってもみ合っている感じで、何を言っているのかわかりませんが、逮捕された男が一方的に怒鳴っている感じでした

 首を切りつけられた被害者は、一緒にいた知人に止血されながら110番通報した。

 逮捕された湊容疑者の来歴がほどなく明らかになると、周辺住民に戦慄が走った。

 今から約30年前、東京都足立区で起きた『女子高生コンクリート詰め殺人事件』。

 198811月、アルバイト帰りの女子高校生(当時17歳)を4人の少年が誘拐し、監禁。40日以上にわたり暴力と陵辱の限りを尽くし、死に至らしめた事件。

 少年らは少女を輪姦し、殴る蹴るなど凄惨なリンチ、さらに少女の手足などにライター用オイルをかけて焼くといった行為を日常的に繰り返した。ついに少女は「殺して、殺してよ!」と、泣き叫んだというが、彼らはその姿を見て笑い転げていたという。

 暴行により少女の顔は腫れあがり、食事も与えられない日が続いた。死の直前は自力で歩くこともできず、監禁されていた家の2階から1階のトイレに行くにも数十分かけて這って下りるほどだった。

「少年たちは少女に回し蹴りをしたり、遺体の処理方法をふざけて話し合いながらなぶり殺し、遺体をドラム缶にコンクリ詰めにして遺棄したんです」(全国紙社会部記者)

 コンクリートの中にあった少女の遺体の体重は10キロ近くやせ細り、全身に殴打やヤケドの痕、顔面は変形陥没していたため指紋から少女と特定するしかなかった。

ムエタイ選手時代の湊容疑者と少年時代の写真

 裁判の判決は「被害者の身体的および精神的苦痛・苦悶、ならびに被告らへの恨みの深さはいかばかりのものであったか。まことにこれを表現する言葉さえないくらいである」と断じた。

 その犯行グループのひとり、当時16歳だった少年Cが湊容疑者だった。

 湊容疑者は当時、弁護士との接見の中で「殴っている最中、なぜ殴っているのか自分でもわからなくなる。暴力が止められない」と、その凶暴性を明かしており、心理鑑定では「他者に対する想像力が欠如しており苦痛や幸福といったものへの配慮が非常に乏しい」と指摘されていた。

 19917月、少年Cに下された刑は、懲役5年以上9年以下の不定期刑だった。

 いつ出所し、その後どこでどう暮らしてきたのかはつまびらかになっていないが、出所後の一時期、ムエタイジムに所属し、プロとしてタイレストランのムエタイショーに出演していたことがあったという。当時を知るジムのスタッフが明かす。

'97年ごろから2年くらい、本名で所属していましたね。プロとして23戦したと思いますが、試合のセンスはなかった。ジムの生徒がコンクリ事件の犯人じゃないかと噂するようになりフェードアウトしていきました」

 そんな湊容疑者が事件現場のアパートに引っ越してきたのは今年6月のことだった。結婚予定だという同年代の女性も不動産会社の契約の席に同席していたという。無職なのに「自営業」と伝えていた。
まるで理性を知らない野獣

 近隣トラブルは入居後すぐに始まった。

湊容疑者は夕方になると、この愛車の前に立っていた

 近くに住む20代の男性は、

「見た目は普通のおっさんです。夕方になると毎日、自分の車の前に立っていました。通行人をにらみつけて、車の周りをちょろちょろ歩いてまた車の前に戻る。そのうちにキョエーッとか奇声をあげはじめたので、クスリでもやっているんじゃないかなと思って、近寄らないようにしていました

 事件現場を散歩コースにしているという男性は、

「アパート住人が、加害者の車の横で車をUターンさせようとして、てめえ何してるんだよ、この野郎って、突然、理不尽に恫喝された」

 と話す。別の近隣住民は、

「知り合いは、駐車場のバイクを蹴り飛ばして倒したところを見たそうです」と証言。近隣主婦は、

「私の知り合いが車で駐車場にきたときに、ライター貸してくれって車に寄ってきたそうです。持ってないと伝えると、チッと舌打ちされて使えねぇなと罵られた」と明かす。

理不尽極まりないケンカのふっかけかたや、そのキレっぷりは何も変わっていなかった。それは理性を知らない獣性といっていい。

 おまけに真夜中に床を蹴りつけるような音を立てたり、怒鳴り声が隣近所に響くこともたびたびあったという。

 あまりの騒音にストレスを感じ、湊容疑者に苦情を訴えたという人物に、そのときの会話の様子を聞いた。

「私が訴えても謝罪などは一切なかった。それどころか、キョロキョロとして目が泳いでいるというか、何かこちらが言っても、大丈夫、大丈夫って繰り返すばかり。こっちの質問には答えず、君、何年くらい住んでんのとか公園はどこだ?とか会話が成り立たないんです」

 早朝の散歩中に嫌な思いをした、という女性がいる。

「私のほうを見るので、ちらっと見たりするじゃないですか。そうしたら、ガンを飛ばすようにこっちをにらみつけ、目をそらしても、目をそらさないでずっと見ているんです」

 そして、こんな驚かせ方もするんです、と続ける

「すれ違いざまに、大きな咳ばらいをするんです。駐車場から家に入るまでずっと見張られて、わざと咳ばらいをされた人もいます」

 そのおぞましい過去は逮捕されるまで知らされていなかったが、隣近所には怪しい人物として恐れられていた。

「警察から戻ってくることに不安はあります。今、近所では犯人が帰ってきたらすぐ教えてねと声をかけ合って注意しています」(近隣住民)

 コンクリート詰め事件の犯行グループ4人のうち、主犯格の元少年A2013年に振り込め詐欺で、少年B'04年、逮捕監禁及び傷害致死の疑いでそれぞれ逮捕されている。

2018/08/17 09:15
トヨタ自動車には現場から生まれた言葉がいくつもある。「ジャスト・イン・タイム」「自働化」「視える化」……。なかでも創生期から使われている言葉は、創業者・豊田喜一郎の「1日に10回、手を洗え」。それはどういう意味なのか。ノンフィクション作家の野地秩嘉氏が「仕事の現場」から言葉を拾い上げる。連載第1回はトヨタの言葉について――。

長く続いている会社はなぜ生き残っているのか

1980年代、経済誌には「日本の会社の寿命は30年」と書いてあった。当時のビジネスマンは「少なくとも自分が働いている間、うちの会社はつぶれない」と、ほっとしたことだろう。99年には、同じメディアが「会社の寿命は7年、アメリカは5年」と言っている。これから会社に入る学生は定年までに会社を3回くらい変わるのが当たり前になるのではないか。

では、長く続いている会社はなぜ生き残っているのか。それは会社自体が時代に合わせて変化し、業務も変容しているからだ。

設立から80年以上経ったトヨタだって、実はずいぶんと仕事の中身が変わっている。戦時中のトヨタは軍需の会社で、陸軍に車両を納めていた。戦後すぐの頃はアメリカ軍のジープやトラックの修理で稼ぎ、その後はトラックを製造した。乗用セダンを開発し、売り始めるが、主な用途はタクシーなどの業務用だった。

本格的に大衆向け乗用車を売るようになったのは66年のカローラ以降で、日本にモータリゼーションが起こったのと同時である。その後、トヨタは海外向けの輸出メーカーとしての存在感が高まり、車の開発で言えば、ハイブリッド、燃料電池といった技術で業界をリードするようになった。「変わらない会社は生き残れない」という典型がトヨタだろう。

柳井正「トヨタの強さは現場にある」

トヨタの現在の売上高は29兆3795億円で、前年からプラス1兆7823億円だった。営業利益は2兆3998億円、前年からプラス4054億円。増収増益である。

業務を変容させながら、しぶとく粘り強く生き残ってきたトヨタの強さはどこにあるのか。それは現場だ。

ユニクロ創業者の柳井正はトヨタの強さは現場にあると見抜いている。

「今日の成功は明日の失敗になるかもしれない。進化し続ける『現場』。それがトヨタの本質だ」

柳井が言うように、進化を続けないと組織はたくましくはならないし、何より外部環境の変化に対応することができない。

「あ、キミ、昨日の続きをやっておいて」と言ったまま、席にじっと座っている上司がいる会社は10年どころか5年ももたない。せいぜい半年の命だ。

トヨタの言葉は聞いた人間に誤解の余地を与えない

トヨタ、ユニクロに限らず、強い会社は現場が進化しているし、現場に強さがある。メーカーなら生産現場、物流であれば運搬の現場、小売りであれば販売現場が強い。そして、そういった会社は強さを支える言葉を持っている。最前線で働く社員は現場で生まれた言葉を頼りにしている。

トヨタには現場から生まれた言葉がいくつもある。トヨタ生産方式を支える2本柱の「ジャスト・イン・タイム」と「自働化」は生産現場に対する指示だった。さらに、「視える化」「自工程完結」「現地現物」といった言葉も生産現場から生まれている。

いずれも具体的な言葉で、聞いた人間に誤解の余地を与えない。トヨタの生産ラインで働く人間は20代の若者が中心だ。カタカナのテクニカルタームや形而上の哲学を標語にしても、聞いた人がわからなければ意味はない。現場の言葉とは具体的な言い回しでなければ通用しない。

数あるトヨタの言葉のなかで、もっとも初期から使われていたそれは、創業者・豊田喜一郎が大学卒の社員に向けて言ったものだ。

「1日に10回、手を洗え」

「大卒は理屈ばっかり言って役に立たない」

喜一郎は発明王・豊田佐吉の長男で、豊田自動織機の常務だったが、「人の役に立ちたい」とベンチャー企業のトヨタ自動車を創った。「自動車は組み立て産業だ」と喝破した彼はアメリカから1台のシボレーを購入、分解し、自らすべての部品を原寸大でスケッチする。そうして、自動車と部品の機能と性能を頭に叩き込み、自動車工場を創り上げた。

もともとエンジニアだった彼は生産現場が好きだった。息子の豊田章一郎(現名誉会長)は「親父は現場の人だった」と言っている。

「父は生産現場が好きで、『論より実行』がモットーだった。『大卒は理屈ばっかり言って役に立たない』と怒り、現場に行こうとしない大卒社員には、『現場に行け、現場の機械を触れ、現場で手を汚せ、そして、1日に10回は手を洗え』とよく言っていた」

トヨタの経営者は喜一郎に限らず、現場が好きだ。たとえば、喜一郎のいとこで、長く社長を務めた豊田英二もまた現場に足を運んだ。

「おい、社長だぞ。上役の悪口でもなんでも言っちゃえ」

副社長を務めている河合満はたたき上げの職人だ。河合が鍛造工場の現場で働いていたときも、英二はたったひとりで現場にやってきた。

「昼休みに工場の隅でタバコを吸っていたら、英二さんがひとりで入ってきて、『新しい機械を見せてくれないか』って。あわててタバコを消して、機械のところに連れていったんですよ。英二さんは機械をほれぼれと見ていて、触って、『これを使いこなせるといいな』って。帰りにまだ若造だった僕に、『今日はありがとう』って帽子を脱いで、直立不動で深々と頭を下げる。いやあ、あれにはびっくりしました」

現在の社長、豊田章男もまた時間が空くと、現場に来る。副社長の河合の部屋をのぞいて、「河合さん、一緒に行こうよ」と工場へすたすたと歩いて行く。

現場の主のような職人副社長の河合は工場に入ると、大声で叫ぶ。

「おい、社長だぞ。みんな集まれ。何を言ってもいい。上役の悪口でもなんでも言っちゃえ」

現場の若い作業者が集まってきて、章男を囲む。章男は自ら話をするよりも、彼らの話に耳を傾ける。時には相談に乗る。トヨタは30万人以上も従業員がいる会社だ。けれども社長は雲の上の人ではない。生産現場にいれば、ふらりと訪れてきたトップと仕事の話や世間話ができる。トヨタはそういう会社だ。

経営者の仕事とは、現場のみんなを幸せにすること

2010年のこと、トヨタはアメリカで車の品質が問題となり、豊田章男は下院の公聴会に呼ばれた。彼は議員たちから厳しい質問を浴びせられたが、時に毅然として対応した。公聴会が終わり、アメリカの従業員を集めた会合の席で彼はこんなスピーチをしている。

「みなさん、公聴会では私はひとりではありませんでした(I was not alone)。あなたたちがそばにいてくれました。ですから、何もつらいことはなかった」

日頃から現場を訪ね、若い作業者と言葉を交わし、冗談を言っては肩をたたいて笑い合ったりしているからこそ、こういうフレーズが出たのだろう。

経営者は孤独ではない。孤独だと思っている経営者は粋がって、格好をつけているだけだ。経営者は現場の人間に寄り添い、現場のみんなを幸せにするのが仕事だ。

野地秩嘉(のじ・つねよし)

ノンフィクション作家

1957年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒、出版社勤務などを経て現職。人物ルポ、ビジネス、食など幅広い分野で活躍中。近著に、7年に及ぶ単独取材を行った『トヨタ物語』(日経BP社)がある。(写真=毎日新聞社、AP/AFLO

MSN/ニュースポストセブンより転載記事から

「銀歯治療」の繰り返しが歯を失う負の連鎖を引き起こす

2018/08/11 16:0

歯医者に何度通っても、虫歯は治るどころか再発し、挙げ句の果てには、「歯を全部抜いてしまいましょう」──密室の診療室で歯医者の言うことばかり聞いていたら、一生悔やむ事態になりかねない。100人以上の歯医者、歯科衛生士、歯科技工士に取材を重ねた岩澤倫彦氏が緊急レポートする。

 * * *

 今年6月に上梓した拙著『やってはいけない歯科治療』(小学館新書)において、筆者は「銀歯」の問題点を指摘した。それに対し、歯医者から強い反発の声が多数寄せられた。

 日本人の7割に入っている「銀歯」のタブーは、歯医者にとって最も隠したい不都合な真実だったからだろう。東京医科歯科大学の田上順次副学長が解説する。

「歯の形状に合っていない銀歯は、虫歯の再発原因となります。再発すると、さらに歯を削るので、神経に感染が起きやすくなる。感染した神経は“抜髄”といって、抜くしかありません。神経を抜いた歯は、確実に寿命が短くなります」

 つまり、「銀歯」治療の繰り返しが、歯を失う“負の連鎖”を引き起こしていたのだ。それだけではない。「銀歯」治療では、健全な部分の歯まで削られていた──。

「虫歯部分の象牙質は、神経がダメになっているので、削っても痛くありません。治療中に痛みを感じるのは、健康な部分を削っているからです。これまでの虫歯治療では、周辺の溝など虫歯になりそうな健康な部分も削って銀歯に替えていました。

“予防拡大”という歯科治療の教則があるからです。言うなれば、転ばぬ先の杖。でも、これは大きなお世話だったと後で判明しました。歯を大きく削ってしまうと、歯の寿命が短くなるからです」(歯の保存学を専門にする、長崎大・久保至誠准教授)

 加えて、虫歯が小さいと「銀歯」の型取りが難しく、「銀歯」自体も小さいと外れやすい。このような理由で、小さな虫歯でも「銀歯」を入れるために歯医者は健康な部分まで広げて削っていたのだ。

※女性セブン2018年8月23・30日号

ねつ造された従軍慰安婦(売春婦、兵隊より給料が良かった)と南京大虐殺(原爆で死んだ人数に合わせた死亡者数) ベトナムのライタイハンに口をつぐむ韓国
楽天インフォシークニュースより転載記事

戦艦「大和」元乗組員が見た当時の南京「虐殺は絶対にない」

NEWSポストセブン / 2018年8月9日 7時0分
日本軍が誇った“世界最大の戦艦”大和は戦後、無謀な特攻との批判を受け、無用の長物とまで揶揄された。このままその歴史観が定着することは耐えられない──声を上げたのは、他ならぬ大和の元乗組員、現在104歳である。

「長いこと生きているが、台風が東から西に来たなんていうことは1回もなかった。船乗りだったから、天候は気になります」(深井氏、以下「」内同)

 取材日は東京都内を台風が直撃した日だった。深井俊之助氏は、大正3年生まれの104歳。部屋の中を杖もつかずに歩き、座る姿勢は背筋がピンと伸び、驚くべき記憶力で理路整然と語る。

 深井氏は戦前、海軍の通信技術者だった父親の影響から海軍兵学校に入り、終戦まで戦艦乗組員として活動した。世界最大と謳われた戦艦「大和」の副砲長まで務め、日本海軍の最前線の戦いを語ることができる最後の人物だ。その証言は、大東亜戦争を検証するうえで貴重な資料である。

「海軍に入ってすぐ、私が練習艦『比叡』に乗っていた頃、昭和10年4月に満州国皇帝・溥儀(ふぎ)が来日することになり、比叡が御召艦として溥儀さんを迎えに行くことになった。そこで、一番若い士官の私が溥儀さんの世話係になりました。

 ところが、大連から横浜までの間、低気圧が襲来して船は大揺れ。溥儀さんは船酔いしてげえげえ吐いた。私は洗面器を差し出し、背中をさすってあげて、汚物の後始末をしました。

 言葉は通じなかったんですが、溥儀さんは頭を下げて、ジェスチャーで『ありがとう、ありがとう』と言っていました。すごく優しい人でした」

 昭和12年7月7日、盧溝橋事件で日支事変が始まると、深井氏は水雷艇「雁」に転勤。南京攻略を支援するため、揚子江をさかのぼる遡行作戦に参加した。

「南京攻略で陸軍が進軍していくのを、揚子江をのぼりながら防備するのが我々の任務でした。『雁』は小さい船でしたが、支那軍の砲台を大砲で撃破し、それで陸軍が上陸できるようになった。その功章として金850円もらいました。

 11月下旬には陸軍は南京を完全攻略し、1週間もしたら南京の町は平和になった。私らが南京に入ったら、中国人の子供たちが日章旗を振って歓迎してくれましたよ。激戦の跡も虐殺の跡もない。南京で虐殺があったと言われていますが、ないない。絶対にない。

 支那軍というのは『三十六計逃げるに如かず』で、攻めていくと逃げる、追うと逃げるで、どんどん奥に引きずり込んでいくんです。だから、案内をしてくれた陸軍少尉も『激しい市街戦なんてまったくなかった』と話していました」

●聞き手/井上和彦(ジャーナリスト)

※週刊ポスト2018年8月17・24日号

中国で逮捕される日本の“スパイ”が急増、その理由と対策
MSNニュース JPプレスよりり転載記事

2018/08/08 06:00

最近の新聞報道によると、中国で長期拘束されている日本人が年々増えているという。

 2015年以降、スパイ行為に関わったなどとして日本人8人が相次いで逮捕・起訴されている。

 そして、本年7月10日には愛知県の男性がスパイ罪で懲役12年の実刑判決を、7月13日には神奈川県の男性がスパイ罪で懲役5年の実刑判決をそれぞれ受けた。

 これら有罪判決を受けた2人以外にも、温泉開発の地質調査中に拘束された男性ら6人が逮捕・起訴されている。8人のうち6人がスパイ罪、2人が国家秘密等窃盗罪などで起訴されている。

 菅義偉官房長官は、7月30日の記者会見で次のように述べるなど、日本政府は一貫してスパイ行為への関与を否定している。

 「日本政府が中国に、スパイ行為に関与する民間の人を送り込んだという事実はあるのか」との記者の質問に対して、「我が国はそうしたことは、絶対にしていないということを、これはすべての国に対して同じことを申し上げておきたい」

 日本の新聞各紙は日本人の動静しか報道していないので拘束された8人という数字が他の国々と比較して多いのか少ないのか分からない。

 すなわち、中国で日本人スパイがそんなに多数活動しているのか、あるいは中国がことさら日本人を標的としているかが不明である。

 官房長官の日本政府は今回のスパイ行為に一切関与していないという発言を信じるならば、今回身に覚えのないことで身柄を拘束された日本人にとっては青天の霹靂どころか恐怖と不安で生きた心地がしないであろうと推察する。

 このように日本人が外国のスパイ対策などに関する法制に無知であるがゆえの不幸な事態に巻き込まれることは二度と起こしてはならない。

1.中国のスパイ対策に関する法制の実態

 法律に関する格言に「法の不知はこれを許さず」というものがある。

 例えば、日本で自衛隊基地を撮影しても罪にならないからといって、中国で軍事基地を撮影して拘束されても、「中国で軍事基地を撮影することが罪になることだとは知らなかった」では済まされず、スパイ罪で罰せられるということを肝に銘じるべきである。

 そのためには、中国を観光または仕事で訪れる日本人は、どのような行為がスパイ容疑に該当するか、関連する法律を知っておかなければならない。本稿ではその点に焦点をあて中国のスパイ対策に関する法律の要点を紹介する。

 関連する法律には、刑法、国家秘密保護法、スパイ防止法および軍事施設保護法がある。

 各法律の日本語版をインターネットで検索したが見当たらなかったので、各法律の関連条文の要点のみを筆者が翻訳し、以下に紹介する。翻訳の適否について大方のご教授を賜りたい。

(1)刑法(中華人民共和国刑法)

 中国は、1979年7月1日制定の旧刑法典を1997年に全面改定した。そして、2015年には一部改定した。

 本稿に関連する改定箇所としては第311条がある。同条文では、これまで証拠提出拒否罪がスパイ犯罪のみであったが、今回の改定で、スパイ罪に加えてテロリズム犯罪と過激主義犯罪の証拠拒否罪へと拡大した。

 関連する条文の要点は以下のとおりである。

ア.次のような国家安全に危害を及ぼすスパイ行為は、10年以上の有期懲役又は無期懲役に処する。比較的軽度の場合は3年以上10年以下の有期懲役に処する。(110条)

@スパイ組織に参加する又はスパイ組織若しくは代理人の任務を遂行する。

A敵に攻撃目標を指示する。

イ.外国の機関、組織、個人のために国家秘密を不法に入手し、それらを不法に提供する者は、5年以上10年以下の有期懲役に処する。

 特に重度の場合は10年以上の有期懲役又は無期懲役に処する。比較的軽度の場合は5年以下の有期懲役、拘留、監視又は政治上の権利剥奪に処する。(111条)

ウ.戦時中に、敵に、武器、装備、軍用物資又は資金を提供した者は、10年以上の有期懲役あるいは無期懲役に処する。比較的軽度の場合は3年以上10年以下の有期懲役に処する。(112条)

エ.上記のスパイ行為等により、国家と人民に対して特別に重度の危害を及ぼした場合は死刑に処すことができる。(113条)

(2)国家秘密保護法(保守国家秘密法)

 中国は2010年に旧国家秘密保護法を改定した。

 改正法ではネット業者に対し、ネット上で当局が「国家秘密」と判断した情報の漏洩が発見された場合、ただちに配信を停止し、記録を保存して公安機関に報告することなどが義務づけられた。関連する条文の要点は以下のとおりである。

ア.次に掲げる事項について、その漏洩により国の政治・経済・国防・外交等の分野における安全及び利益が損なわれるおそれがある場合には、国家秘密に指定しなければならない。(9条)

@国家事務の重大な政策決定における秘密事項

A国防建設及び武力活動における秘密事項

B外交及び外事活動における秘密事項並びに対外的に秘密保護義務を負う秘密事項

C国民経済及び社会発展における秘密事項

D科学技術における秘密事項

E国家安全の擁護活動及び刑事犯罪の調査における秘密事項

F国家秘密行政管理部門が指定したしたその他の秘密事項

G政党の秘密事項で前項の規定に合致するものは、国家秘密に属する

イ.次の行為の一つを犯した者は、法律に基づき罰せられる。違反行為が犯罪となる場合は起訴され、法律に基づき刑事責任が問われる。(48条)

@国家秘密に属する物件(国家秘密?体)を不法に取得又は所有する

A国家秘密に属する物件を購入、販売、移動又は破壊する

B国家秘密に属する物件を秘密防護手順に従わず、通常郵便又は速達便などで送達する

C関連する当局の許可なく、国家秘密に属する物件を国外へ郵送若しくは配送する又は国外に携行若しくは移動する

D不法に国家秘密をコピー、記録又は(データ)保存する

E個人的な接触又は手紙のやりとりにおいて国家機密に言及する

Fインターネットもしくは他の公共情報ネットワーク又は秘密保護措置が適用されていない有線若しくは無線によって国家秘密を送信する

G 国家秘密を扱っているコンピュータ又は他の記憶装置を、インターネット又は他の公共情報ネットワークに接続する

H保護措置を講ぜずに、秘密情報システムと、インターネット又は他の公共情報ネットワークの間で情報を交換する

I国家秘密情報を保存又は処理するために、国家秘密を扱っていないコンピュータ又は他の記憶装置を用いる

(3)スパイ防止法(反間諜法)

 1993年に制定された国家安全法(旧国家安全法)に代わるものとして、スパイ防止法(反間諜法)が2014年11月1日に第12期全国人民代表大会の常務委員会によって制定され、即日施行された。

 同法の特筆すべき点は、第36条でスパイ行為を定義していることである。関連する条文の要点は以下のとおりである。

ア.本法が言うところのスパイ行為とは、次のような行為を指す。(36条)

@スパイ組織が実施する、その代理人が実施する、スパイ組織等から資金を援助された者が実施する、又は国内外の機関・組織・個人が結託して実施する、中華人民共和国の安全に危害を与える行為

Aスパイ組織又はその代理人からの指示を遂行する行為

B海外の機関・組織・個人が、又は海外の機関・組織・個人が国内の機関・組織・個人と結託して、情報を不法に入手する又は不法に提供する行為

C中国の国家公務員を扇動、誘惑又は買収して国家を裏切るようそそのかす行為

D敵に、攻撃目標を指示する行為

Eその他のスパイ活動

(4)軍事施設保護法(?事?施保?法)

 1990年に制定された軍事施設保護法が2014年に改定された。

 改正法では軍事施設の保護範囲の拡充や「軍事禁区」「軍事管理区」の定義の詳細化などが行われた。関連する条文の要点は以下のとおりである。

ア.次の建物、場所、設備を軍事施設とする。(2条)

@作戦指揮所(地上及び地下)

A軍用の空港・港・埠頭

B隊舎、訓練場、試験場

C軍用の地下壕・倉庫

D軍用の通信、偵察、航法及び観測塔並びに測量、航法及び航路標識

E軍用の道路、鉄道、通信回線及び送電回線並びに軍用の送油管及び送水管

F国境警備及び海洋警備の管理施設

G国務院と中央軍事委員会が指定する他の軍事施設

イ.軍事禁止区域保護のための禁止事項(15条)

@軍事禁止区域への関係者以外の人員、車両、船舶の侵入を禁止する

A軍事禁止区域における撮影、ビデオ撮影、録音、実地調査、測量、スケッチ及びメモを禁止する

ウ.次の行為には、「中華人民共和国治安管理処罰法第23条」(注)の規定が適用される。(43条)

@不法に軍事禁止区域及び軍事管理区域に入り、制止を無視する

A軍事禁止区域には入っていないが軍事施設から一定の距離にある軍事管理区域に入り、軍事施設の安全と効果的な使用に危害を加える行動を行い、制止を無視する

B軍用空港の保護区域に入り、飛行安全と空港施設の効果的な使用に影響する行動を行い、制止を無視する

C軍事禁止区域及び軍事管理区において、不法に撮影、ビデオ撮影、録音、調査、測量、スケッチ及びメモを行い、制止を無視する

Dその他、軍事禁止区域及び軍事管理区域の管理秩序を乱し、軍事施設の安全活動に危害を及ぼしたが、状況が刑事処分の対象となるには軽微である場合

(注)第 23 条の罰則は、警告又は200 元以下の罰金で、情状が比較的重い場合は、5日以上10日以下の拘留と500元以下の罰金の併科である。

エ.次の行為に該当し、犯罪を構成すれば、法律に基づき刑事責任が問われる。(46条)

@軍事施設を破壊する

A軍事施設の装備・物資・器材を窃盗、略取又は強奪する

B軍事施設の秘密を漏えいする

C海外の機関・組織・個人のために軍事施設の秘密を不法に入手し、不法に提供する

D軍用固定無線施設の電磁環境を破壊し、軍用無線通信を妨害し、その影響が重大な場合

(6)その他、軍事禁止区域及軍事管理区域の管理秩序を乱し、軍事施設の安全活動に危害を及ぼし、その影響が重大な場合

オ.武装警察部隊所属の軍事施設及び国防関連産業の重要な武器装備に関する研究・生産・試験・貯蔵等の施設の保護についてもこの法律の規定が適用される。

 以上が中国に行く日本人が最低限知っておくべき法律・条文の要点である。

2.日本が採るべき対策など

 中国で長期拘束されている日本人が年々増えているという事実に対して日本はどう対処すべきか。

 まず、日本人のスパイ・リテラシーを向上することである。筆者が考えるスパイ・リテラシーには3つの側面がある。

 1つ目はスパイ活動(諜報、謀略、宣伝工作など)に対する理解力である。

 2つ目はスパイ対策活動(防諜)に対する理解力である。

 3つ目はスパイ活動の意義に対する理解力である。

 諜報、防諜という用語は読者の方々には聞きなれないかもしれないが、旧軍で用いられていた。

 そこでは諜報とは、その行為の目的を秘匿して行う情報収集活動であり、防諜とは、相手の我に対するスパイ活動を阻止・破砕する活動であり、防諜意識向上のための教育・啓蒙等(消極的防諜)と外国の非合法的な諜報活動等を探知・逮捕(積極防諜)から構成されるとされた。

 3つ目のスパイ活動の意義は、国家の外交政策、防衛政策等の立案・遂行の前提条件は相手国の国情を知ることであるとされた。

 すなわち、「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」ということである。

 諸外国では、スパイ活動は政府の通常の機能であると考えられており、そのため、行政機関の1つとしてスパイ組織を保有し、国外におけるスパイ活動を行っている。

 戦後、日本ではスパイ活動のみならず諜報、防諜という用語が軍国主義を想起させるとしてタブー視しされてきた。それが今日の日本人のスパイ・リテラシーを低くしている要因である。

 我が国でも「国家秘密に係るスパイ行為等の防止に関する法律案」が衆議院に提出されたが廃案となった経緯がある。

 戦後73年を経たが、いまだスパイ防止法は制定されていない。このような我が国の現状が国民のスパイ・リテラシーを低くしているのである。

 早急にスパイ防止法を制定し、我が国において多数の外国のスパイが活動していることを公式に認めるとともに外国情報機関員等の非合法のスパイ活動を決して許さず、スパイを確実に逮捕するとい強い姿勢を明らかにすべきである。

 そうすれば自ずと国民のスパイ・リテラシーは向上するであろう。

 次に、外国のスパイ対策の実態を国民に教育・啓蒙することである。再発防止策の定番は事例紹介である。

 しかし、今回、中国においてスパイ容疑などで拘束された8人がどのような経緯で拘束されたかが明らかにされていない。

 政府は海外でスパイ行為とみなされる行為をしないよう教育・啓蒙を行っているのであろうか。

 海外における邦人の安全確保は外務省の重要な責務であることは間違いない。しかし、外務省が発信している情報の中にスパイという用語は一語もない。

 例えば、外務省安全情報の中に「撮影した対象が国家機密に触れた場合は重罪となる場合がありますので、決して興味本位でこれらの施設等を撮影しないようにしてください。」との注意喚起がある。

 これでは、スパイ・リテラシーの低い日本人には、撮影した行為がスパイと見なされ、 最高刑が死刑であるスパイ罪で逮捕される恐れがあることまでは理解できないであろう。これはまさに「教えざる罪」である。

 政府は、海外で無実の罪で逮捕・起訴される日本人を二度と出さないために、早急にスパイ活動(諜報等)、スパイ対策活動(防諜)およびスパイ活動の意義等について国民を教育・啓蒙しなければならない。

 その前提としては我が国のスパイ活動やスパイ対策活動などの法制の整備が必須である。しかしながら、政府がこのような施策に着手するには時間がかかるであろう。

 したがって、海外に出かける国民には、自らの安全を確保するために事前に訪問国の関連する法律を理解する努力が必須である。本稿がその一助となれば幸いである

2018/07/25 07:00 ニュースポストセブンよりり転載記事

親日を巡る旅、カンボジアが国の紙幣に日の丸を描くまで

紙幣は国の「顔」である。1万円札には福澤諭吉、1ドル札にはジョージ・ワシントン、人民元には毛沢東と各国を代表する人物が描かれている。だが、カンボジアはそこに日の丸を描いている。それほどまでの親日感情はなぜ生まれたのか。ジャーナリストの井上和彦氏が迫った。
カンボジア王国──まず思い浮かぶのは、国旗にも描かれている世界遺産アンコール・ワットやアンコール・トムだろう。

 カンボジアを観光で訪れる人のほとんどがこの遺跡群を訪れ、その美しさに言葉を失い、いにしえの人々の叡智に感銘することだろう。私もその一人であったことは言うまでもない。建設機械もコンピューターもない時代によくぞこんな立派な建造物を造れたものだと感心させられる。そのカンボジアと日本との深い絆を語る際、前段階として同国の暗い歴史に触れないわけにはいかないだろう。

◆自衛隊初のPKO

 カンボジアにはポル・ポト率いる共産党独裁政権による筆紙に尽くせぬほど辛い暗黒時代があった。それは同国史上最大の汚点であり、できることなら消し去りたい負の記憶だろう。だが、むしろこの共産主義の恐怖と殺戮の史実を語り継ぐことで、二度とこうした悲劇を繰り返してはならないという教訓にしているのであろう、各地にポル・ポト時代の遺跡が保存されている。

 首都プノンペンにあった政治犯収容所「S21」はトゥール・スレン虐殺博物館として公開されている。そこには残酷な拷問室や独房などが当時のまま保存されており、一歩足を踏み入れると背筋が寒くなる。

 他にも、各地に“キリング・フィールド”と呼ばれるポル・ポト派による虐殺現場がある。ある寺院では地中から無数の頭蓋骨が発見され、それらは誰もが見られるように安置されており、中国の支援を受けたポル・ポト政権の残虐さと共産主義の恐ろしさを後世に語り継いでいる。

 カンボジアの悲劇はそれだけではなかった。20年におよぶ内戦で、隣国のベトナムや中国、そしてアメリカなどが様々な形で介入し、国土は荒廃して国民生活は困窮を極めたのだった。

 1991年10月、パリ和平協定が調印され内戦が終結。同年11月、カンボジアの復興支援のため、国際連合平和維持活動(PKO)の先遣隊がやってきた。続いて1992年3月には国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)が活動を開始。これを受けて日本政府も動き出した。それが自衛隊初のPKOとなった。

◆25年後の宿営地は

 1992年6月に「国際平和協力法」、いわゆる“PKO法”が成立。8月に同法が施行されるや、その翌月には陸上自衛隊の施設大隊と停戦監視要員が、戦乱から立ち直って民主選挙を控えたカンボジアへ派遣されたのだった。

 日本PKOの幕開けとなる派遣部隊は、内戦で破壊された道路や橋梁を修理するなどして復興に大きく貢献した。UNTACに派遣された陸上自衛隊員は、タケオ州を中心に第一次・第二次隊合わせて約1200名、約1年間の任務期間中に修復した道路は100km、補修した橋梁は約40橋に上ったのである。

 ところが日本国内では、初のPKO任務での自衛隊海外派遣について、まるで自衛隊が対外戦争に派遣されるかのような物言いの反対論もあったと記憶している。さらに携行する武器を巡って非現実的で無責任な議論が巻き起こった結果、派遣部隊は小銃と拳銃という軽装備で任務を遂行せねばならなかったのだ(※注)。

〈※注/戦後初の自衛隊地上部隊の海外派遣とあって、反対派を抑えるために軽武装となったが、現地のゲリラよりも火力が劣るとして当初から危惧する声があった。〉

 だが実際はどうだったか。筆者はあれから25年後のタケオ州を訪れた。

 かつての自衛隊の宿営地は、いまはサッカー場としてきれいに整備されており、そこには平和に暮らす村人の生活があった。

 当時、情報局の職員だったサオ・サリ氏はいう。

「自衛隊がやって来たときは本当に嬉しかった。自衛隊は道路や橋をつくり、あるいは修復してくれたし、村の人々とも温かい交流があった。

 当時はまだ近くにポル・ポト派兵士がいたので危険でしたが、自衛隊が守ってくれていたので人々は夜でも明るくして生活できたし、安心して眠れました。もし自衛隊が来てくれなかったら、この地域の人々は安全なところに避難しなければならなかったでしょう。我々は日本の自衛隊に感謝し、その恩を忘れません」

 地元の人々は自衛隊を大歓迎し、PKO派遣を“日本の侵略行為の兆候”などと捉えてはいなかったのである。実はUNTACには自衛隊だけでなく、警察官75名、選挙要員として国家・地方公務員18名、民間人23名が参加しており、まさに国を挙げてのカンボジアに対する援助だった。

 こうした活動の中で、国連ボランティアの選挙監視員として活動していた中田厚仁氏と、文民警察官の高田晴行警部補が相次いでゲリラに襲撃されるなどして殉職したのである。高田警部補(殉職後、警視)は、自衛隊ではなくオランダ軍に護衛されて移動中の出来事だった。

◆息子を「キンタロウ」と命名

 そして日本のPKO部隊が当初の任務を無事終了して撤収した後、2002年(平成14年)から、元自衛官らで組織される「日本地雷処理を支援する会」(JMAS)がカンボジア各地で地雷処理を開始した。

 長きに亘る内戦でばらまかれた地雷によって、いまも多くの人々が足を吹き飛ばされ、あるいは命を落としており、現代のカンボジアにとって深刻な問題となっている。

 そんなカンボジアの遺棄地雷処理に、現役を引退した元自衛官が無償で汗をかこうというのだからカンボジアの人々に感謝されないわけがない。

 こうしたことも含めてカンボジア人の対日感情はすこぶる良い。

 ガイドを務めてくれたソフィアさんは、たいへんな親日家で、カンボジア人のご主人との間に二人の子供をもうけたが、娘には「カオリ」という日本名をつけ、息子にも「キンタロウ」とつけたという。カオリは綺麗な響きだから、キンタロウは日本の童話に出てくる金太郎のことで、親孝行で強く逞しく悪者をやっつけてくれる人になってほしいという思いから命名したのだという。

 そんなソフィアさんが、こんな話をしてくれた。

「中国製のものは何でもすぐに壊れますが、日本製は丈夫で壊れません。だからカンボジア人は高くても日本製の車やバイク、電化製品を欲しがるんです。それにもし万が一壊れても、日本人はすぐにやってきて無償で直してくれたりしますが、中国はお金を要求してきます。こうしたことが大きな違いなんです。だからカンボジア人は日本が好きで感謝しているんです」

 皮肉たっぷりに言うと、粗悪で安価な中国製品がカンボジア人の日本への信頼と好感度を高めてくれているというわけだ。

 そんな日本への感謝の気持ちは、カンボジア紙幣が何より雄弁に物語っている。

 カンボジアの紙幣500リエルの裏側には、日本のODAでメコン川に架けられた「きずな橋」「つばさ橋」と共に「日の丸」が描かれているのだ。

 復興のために日本政府が行ってきた誠実な支援に対するカンボジアの感謝の気持ちが、紙幣に現れていることをどれほどの日本人が知っているだろうか。

※SAPIO2018年7・8月号

マイクロチップ問題がここから

波に幾月…漂着ペットボトル 高校生が収集、漂流ルート調査で“新発見”続々
神戸新聞 2018/07/24 08:30
神戸商業高校(神戸市垂水区星陵台4)の理科研究部が、同区の西舞子海岸に漂着する海洋ごみに注目し、外国製のペットボトルの表記データから漂流ルートを割り出すユニークな研究を進めている。今春には日本自然保護協会の「日本自然保護大賞選考委員特別賞」を受賞した。(三津山朋彦)

同部は2013年9月から月に一度、西舞子海岸で地元自治会の清掃活動に参加。ごみの中に外国製のペットボトルがあることに気付き、漂流ルートの解明に乗り出した。毎回集めたペットボトルを持ち帰り、商品名や生産地、賞味期限を記録。これまでに約5千個分(うち外国製は約70個)のデータを蓄積した。

c 神戸新聞NEXT/神戸新聞社 漂着ペットボトルの研究で受賞した多くの賞状を掲げる理科研究部のメンバー=垂水区星陵台4、神戸商業高校

 外国製品は多くが中国、韓国、台湾製で、日本列島の南から対馬海流と日本海流に乗って流れ着くと想定。瀬戸内海への流入ルートを探ろうと、淡路島や播磨灘沿岸のほか、夏休みを利用して沖縄や岡山、愛媛、山口、大分などの県外15地点にも出掛けて漂着ペットボトルを採集し、データを収集した。

その結果、西舞子海岸に漂着する外国製ペットボトルは紀伊水道を経由し瀬戸内海に入ってくると結論付けた。漂着ごみを海岸に1カ月放置すると大半が再び漂流し始め、海水の循環と共に外海に出て行くこと、賞味期限の分析から、日本製、外国製を問わず漂着ペットボトルの大半が最近捨てられたごみであることを突き止めるなど、次々と“新発見”をしている。

部長の森光春平さん(18)は「ボランティアで拾ったごみを研究することがエコにつながる」と意義を強調。部員(16)は「今後は注目されているマイクロプラスチックの調査も加えたい」と話している。

この人は、何処の国の税金を使って大きくなったんだ。
孫正義氏、相乗り規制を批判 「こんなばかな国はあるか」

共同通信社
2018/07/19 12:1 より転載記事
ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は19日、東京都内で講演し「(自家用車を用いた相乗りなど)ライドシェアを禁止しているなんて、こんなばかな国はあるか」と関連法制で規制を続ける政府の姿勢を強く批判した。

 孫氏は米ウーバー・テクノロジーズをはじめ中国、インド、東南アジアの配車・ライドシェアサービス大手に出資している。これらのサービスは便利さだけでなく、交通渋滞解消や安全などにも寄与するとして「国が進化を止めている」と話した。
また、孫氏は「人工知能(AI)を制するものが未来を制する」と述べ、今後AI関連への投資を加速する方針を示した。

性犯罪者のGPS監視求める意見書を可決 新潟県議会

7/13() 20:13配信 朝日新聞デジタルよりり転載記事

 新潟市西区の小学2年の女児(7)が5月に殺害されて線路上に遺棄された事件を受け、新潟県議会は13日、性犯罪者にGPS端末を装着して監視するシステムの導入について、国に検討を求める意見書を賛成多数で可決した。全国都道府県議会議長会によると、このような意見書が地方議会で可決されるのは初めて。

 意見書は自民党の県議らが提出。今回の事件で、殺人、強制わいせつ致死罪などの罪で起訴された男が、事件前に別の少女にわいせつ行為をした疑いで書類送検されていたことに触れ、「米国では性犯罪常習者にGPS端末を装着させて監視するシステムがある。再犯防止を図る上で検討する必要がある」とした。県議会の自民、公明、民進、社民系会派などが賛成に回り、賛成48、反対2で可決した。

 反対した共産党県議は「厳罰化一辺倒の対策では、性犯罪の再発防止につながらない」と意見を述べた。性犯罪者のGPS監視については「プライバシーや人権の侵害にあたる」との指摘もあり、政府は慎重な姿勢を示している。(加藤あず佐)

朝日新聞社

「立ち上がれ、日本人よ」 92歳マハティール首相の感動メッセージ

国際2018年6月8日掲載 デイリー新潮よりり転載記事


愛国心を持て
92歳でマレーシア首相に返り咲いたマハティール・モハマド氏が日本の修学旅行生に向けて語ったスピーチをご紹介した記事は大きな反響を呼んだ。
 とかく「日本はアジアに謝罪すべきだ」という声がマスコミでは大きく扱われがちだが、当のアジアの中にも「日本は戦争の贖罪意識から解放されるべきだ」と語るリーダーが存在することはあまり伝えられない。それゆえに、マハティール首相の言葉は新鮮だったのかもしれない。
 そこでマハティール氏の著書『立ち上がれ日本人』(加藤暁子・訳)から、さらに日本人に向けてのメッセージをご紹介しよう。前回の首相在任時の発言だが、十分現代の私たちにも訴えてかけてくるメッセージばかりだ。

――愛国心について
「はっきり申し上げれば、いまの日本人に欠けているのは自信と愛国心です。日本が『愛国心』という言葉に過敏になる理由は、私にもわかります。確かに、過去に犯した多くの過ちを認める用意と意思は持たなければならない。しかし半世紀以上も前の行動に縛られ、恒常的に罪の意識を感じる必要があるのでしょうか。
 ドイツを見てください。誰が彼らに、戦争中のナチスの残虐な行為を謝罪して回るよう求めているでしょうか。
 しかし日本ではどの首相も、2世代も前の人間がやらかしたことを謝罪しなければならないと思っている。
 これは不幸なことです。
 日本が再び軍事大国になることはないという、近隣諸国の不安を取り除くための保証さえあれば、謝罪の必要はありません」

――日本の首相の在任期間の短さについて
「一人の政治指導者があまりに長く権力の座に居座ると、強権的になり腐敗を招く、という懸念がつきまとうのも事実です。しかし良識ある愛国的な指導者は、自らの権力を濫用することはありません。
 投票による民主的なシステムでは、人気のあるリーダーは政策を十分に実行しうるポストを与えられます。いっぽう権力を濫用する者は、解任されるか選挙で落とされる運命にあります」

――日本のアジアでの地位について
「今まさに日本が挑戦すべきことは、東アジアにおけるリーダーの役割を果たすことです。日本には経済的な規模があり、富があり、世界水準の技術力がある。
 世界のリーダーとなるには軍事力も必要だという考え方もあるでしょうが、今日の『戦争』は経済的な側面が焦点です。
 東アジアだけでなく、世界が日本を必要としています。今日、世界がおかれた状況は修羅場と言ってもいいほどです。自由貿易システムの濫用、投機家の底なしの貪欲さ、そしてテロリズム――。日本のダイナミズムと、ひたむきな献身が、まさに必要とされているのです」


日本の力を忘れるな
――終身雇用の崩壊について
「最近、欧米のメディアが積極的に転職する日本の若い世代を誉めそやす記事を読みました。これは、まったく間違っています。
 長年保たれてきた企業と従業員の、よき家族にも似た関係が薄れてしまえば、私たちが多くを学んだ『日本株式会社』もまた立ち行かなくなる。
 失業者を増やし、企業と社会の生産性を損なう外国のシステムを、なぜ盲目的に受け入れなければならないのでしょうか。アジアは欧米ではないのです。
 日本人は、日本固有の文化にもっと誇りをもつべきです。もし当事者であるあなた方がそう思っていないとしたら、私の口からお伝えしたい。
 あなた方の文化は、本当に優れているのです。
 日本の力を忘れてはいませんか」

――日本の現状について
「マレーシア経済危機のとき、日本は私たちの味方となってくれました。しかしその日本はといえば、残念ながら私の目からは自分を見失っているように、そして自分の考えで動いてはいないように映ります。
 いまのところ日本は、私たち東アジアの国々から生まれた唯一の先進国です。そして、富める国には隣人に対してリーダーシップを発揮する義務があります。潜在的な大国である中国をうまく御しながら、その責務を果たせるのは西側諸国ではありません。それは、東アジアの一員たる日本にしかできない役目なのです。
 いつまでも立ち止まっている余裕はありません。それは日本にとっても、東アジアにとっても、世界にとっても、大いなる損失でしかないのです。
 最後にはっきりと申し上げたい。
 日本人よ、いまこそ立ち上がれ――と」
日本では不思議なことに、ここに挙げたマハティール首相のようなことを政治家が口にすると、「右傾化」「戦前回帰」「国粋主義的」などと批判されることが珍しくない。とくにメディアにその傾向は顕著だ。
 最後に、メディアについてのマハティール首相の言葉もご紹介しておこう。
「世界は西側の価値観に支配されている。メディアはその最たるものだ。
 日本のメディアは欧米のメディアに左右されることなく真実の報道をしてほしい」

デイリー新潮編集部

「日本人を裏切るな!」 92歳マハティール首相と日本の縁

デイリー新潮 7/9(月) 6:31配信記事より転載
日本軍人は律儀だった

 6月12日、92歳のマレーシア首相であるマハティール・モハマド氏と安倍首相との会談が実現した。
 マレーシアの前政権は親中的と見られていたが、無類の親日家として知られるマハティール首相が再登板したことで、その路線が変わることを期待するのは安倍首相だけではないだろう。

マハティール氏が前回の首相就任時に「ルックイースト(日本を見習え)政策」を掲げたことはよく知られている。これは簡単にいえば日本を手本にして経済成長をしよう、という政策だが、マハティール首相は決して、日本が高度成長したから「見習おう」と言ったわけではない。その「親日感情」は戦時中にも培われていたようだ。
 マハティール氏の著書『立ち上がれ日本人』には、訳者である加藤暁子氏による長い解説が収録されている。そこでは、マハティール氏と日本にまつわる「いい話」がいくつも紹介されている。同書より抜粋、引用してみよう。
 1945年、マレーシアは日本の占領から解放される。祖国が解放されたこと自体は喜ばしいことで、青年だったマハティール氏(当時20歳)もその喜びを味わう。
 しかし当時、英語学校の学校新聞の編集者をつとめていたマハティール氏は、紙面で日本占領中の苦しみを語るとともに、すでに日本の復興を願う文章も寄せていた。
「日本が原爆の悲劇を乗り越え、平和と発展に貢献してほしい」と論説で訴えていたのである。
 これは占領中の経験が影響しているようだ。
 占領中、マハティール氏は学費を稼ぐために屋台でコーヒーやピーナッツを売っていた。その頃のことをこう振り返っている。
「英国人はカネも払わず勝手に商品を奪うことも多々あったが、日本の軍人は端数まできちんと支払ってくれた。町でみかける軍人は折り目正しく、勇敢で愛国的だった」

部下を一喝した理由

 それから約30年、マハティール氏は「マレーシア食品工業公社会長」というポストについていた。当時の首相から与えられたポストで、名前は立派だが、実際は品質の悪いパイナップル缶詰工場の責任者だった。
 この時、親しくなったのが三井物産クアラルンプール出張所に赴任していた鈴木一正氏だ。鈴木氏は自社のルートを通じて、米国のパイナップルの缶詰の作り方をマハティールに無償で教える。その結果、マレーシアの公社が製造するパイナップルの缶詰は輸出に耐えられる品質に変わった。
 そこで彼らは米国市場を目指し、実際に米食品医薬品局(FDA)の検査基準もクリアする。
 こうなると、その輸出権を奪おうとする会社が三井物産以外にも現れるのは当然だろう。多額のフランチャイズ・マネーを提示されて、公社の職員にはそちらに傾きそうになった者もいたという。それを一喝したのがマハティール氏だった。
「ここまでの商品にできたのは、誰のおかげだと思っているのか!」
 世話になった人を裏切ることが、マハティール氏には許せなかったのだ。
 鈴木氏はその後もマレーシアとの親交を深め、退職後も現地に居を構え、マレーシア日本人商工会議所会頭を務めた。マハティール氏にとって一番親しい日本人で、その日本びいきは鈴木氏によるところが大きい、と加藤氏は解説している。
 律義さ、真面目さ、恩を忘れない精神……マハティール氏は日本人の美徳をそうしたところに見ているようだ。そのうえで、バブル期以降低迷してきた日本人に対して、誇りをもって、立ち上がってほしい、というメッセージを常に送っている。
 その期待を裏切ってはならないだろう。
デイリー新潮編集部
2018年7月9日 掲載



池上彰氏「ニュースは、芸能人ではなくにゅーすのプロが伝えるべきだと思っています」2018/06/06 よりり転載記事
Q ニュースに芸能人が出すぎ。池上さんはどう思いますか?

 TOKIOの元メンバー・山口達也氏の事件を受けて、『ビビット』(TBS)でMCを務める国分太一さんが番組冒頭で謝罪をするなど、最近はテレビのワイドショーや報道番組に、ジャニーズをはじめ、たくさんの芸能人が出ていることに気づかされました。芸能人がこれほど報道に大きく関わっていることについて、池上さんはどのようにお考えでしょうか?(30代・男性・会社員)

A ニュースを伝えたり、解説したり、コメントしたりする役割を芸能人が務めることには違和感を禁じ得ません。

 個々の番組の方針について私はコメントすべき立場にありませんが、少なくともニュースを伝えたり、解説したり、コメントしたりする役割を芸能人が務めることには違和感を禁じ得ません。

 人気タレントが画面に出ていれば視聴率が稼げるだろうという、さもしい発想が透けて見えます。

 ニュースキャスターがニュースを伝え、その聞き手に芸能人がいるという演出はありだとは思いますが、芸能人がニュースを伝えるのは国際的に見て日本ならではの奇観です。

c 文春オンライン 『ビビット』のMCを務めるTOKIOの国分太一氏 c文藝春秋

 たとえばイギリスのBBCやアメリカのCNNのニュースを見ると、画面に登場するのは男女ともに経験豊富なベテランジャーナリストです。そもそもアナウンサーという職種自体がありません。番組のナレーションをする仕事はナレーターといいます。

 ニュースを伝えるのは、現場での取材を積み重ねてきたジャーナリスト。ジャーナリストならではの視点でニュースを伝えます。これまでニュースに関心のなかった芸能人にカンペを読み上げさせるのは不思議な光景です。ちなみに「カンペ」とはカンニングペーパーのこと。言うべき内容が画用紙に書いてあり、アシスタントディレクターがカメラの横に掲げて読ませるのです。

 中にはカンペの文章が読めない人もいますし、カンペの文章が間違っていたりすることもあります。

 日本のテレビ界では、プロの仕事はプロに任せるというルールが確立していません。ニュースはニュースのプロが伝えるべきだと思っています。きっと私は古いタイプの人間なのでしょうね。


msnニュースより転載記事
プレジデントオンライン
2018 5 30 宇山卓栄


朝鮮半島の"再属国化"を狙う習近平の誤算


開催が不透明な状況にある米朝首脳会談。混乱の背景について、著述家の宇山卓栄氏は「北朝鮮の後ろ盾として介入姿勢を強める中国を、アメリカが牽制したのだろう」とみる。その構図を読み解くには、123年ぶりに朝鮮半島の「属国化」を狙う習近平と、中国を利用しつつ干渉は避けたい金正恩という、両国の約2000年の歴史についての知識が必要だ――。

2000年に及ぶ隷属関係

5月24日、トランプ米大統領は突如、米朝首脳会談の中止を表明しました。それに先立つ22日、同大統領は金正恩・朝鮮労働党委員長が、習近平・中国国家主席と2回目の会談をしてから「態度が少し変わった。気に入らない」と発言しています。

27日、トランプ大統領は再び会談に応じると表明しました。会談の主導権はアメリカにあると、明確に示した格好です。24日の会談中止表明は、北朝鮮への介入を急激に進めつつある中国への、アメリカの牽制だったと考えられます。

漢の武帝が紀元前108年、楽浪郡を朝鮮に設置して以来、朝鮮半島は約2000年間、中国の属国でした。高麗(こうらい)王朝の前半に一時期、独立を維持したことがありましたが、朝鮮はその歴史のほとんどにおいて、中国に隷属させられていたのです。

日清戦争後の1895年、下関条約により、日本は清(しん)王朝に、朝鮮の独立を承認させます。日本は中国の朝鮮に対する属国支配の長い歴史を断ち切りました。それから123年の時を経た現在、中国は朝鮮半島を再び属国にしようとする野心を隠しません。

中国が目論む二つのステップ

中国は10年〜20年くらいの時間をかけて、朝鮮の再属国化を実現することを考えているようにみます。第1段階では、経済支援を通じ、北朝鮮を中国資本の傘下に組み入れます。北朝鮮の立場を強化したうえで、第2段階として、北朝鮮に南北朝鮮の連邦制統一を主導させます。韓国に文在寅政権のような左派政権が現れたことも、赤化統一の追い風になっています。

この二つの段階を経て、中国は朝鮮半島への支配を復権させることができます。普通に考えれば、妄想のように思えるかもしれませんが、中国はこういう妄想を実行する(実行した)国であることをよく認識しておかねばなりません。

2018年の3月に開催された全国人民代表大会(全人代)で、2期10年の国家主席の任期制限を撤廃する憲法改正が承認され、習近平主席が独裁権を固めました。習主席は、いわゆる「習近平思想」を国の指針として憲法に盛り込み、中国の国益拡大を狙っています。中国の世界戦略は、これまでのフェーズとは全く違う段階に入っているのです。
中国とむしろ距離を置いてきた歴代「金王朝」

とはいえ北朝鮮のほうは、簡単に中国の支配下に組み込まれる気はないようです。

中国は以前から、北朝鮮を中国資本の傘下に組み入れようと画策し、北朝鮮に「改革開放」を迫ってきました。金正恩委員長の父の金正日は、2000年5月の最初の電撃訪中以降、2011年までに合計8回、訪中しています。その度ごとに、江沢民や胡錦濤は上海の経済特区を金正日に見学させるなどして、共産主義体制を維持しながら資本主義的な市場開放を行うことは可能だと示し、北朝鮮も中国にならって改革開放路線を歩むべきと説得しました。

しかし、金正日はこれを拒否し続けました。表向きは、「経済の自由化は政治の自由化を求める危険な動きとなる」ということでしたが、実際には「中国の介入を受けるのがイヤだ」ということだったのでしょう。

金正恩も露骨に中国を嫌い、中国を「1000年の宿敵」と呼んでいました。これは前述のように、朝鮮が長年中国の属国であった歴史的経緯を踏まえての発言です(歴史的な事実に基づけば、「2000年の宿敵」と言わなければならないところですが)。さらに2013年には、親中派の代表格で、改革開放を推進しようとしていた叔父の張成沢(チャン・ソンテク)を処刑します。これ以降、北朝鮮と中国との関係は急速に冷え込みました。

そこへトランプ大統領が登場し、北朝鮮への圧力政策を進めたことで、北朝鮮は窮地に陥ります。中国はこれを好機と見なしました。北朝鮮のクビが絞まれば絞まるほど、中国の差し伸べる「救いの手」は高く売れるからです。

習近平と金正恩は何を話し合ったのか?

ところが、北朝鮮は簡単には中国の「救いの手」を握りませんでした。北朝鮮は韓国を仲介にして、アメリカへ抱き付いたのです。この抱き付き作戦が予想以上に効果を発揮し、3月8日、トランプ大統領は米朝首脳会談の開催を決めました。

この一連の動きに焦ったのが中国です。中国は、北朝鮮が窮すれば自分たちのところへ頭を下げに来るはずだとタカをくくっていましたが、見事に当てが外れました。3月と5月に、習主席は金正恩と2回にわたって会談。3月の会談は中国側が金正恩を招聘(しょうへい)したもので、5月の会談も中国側の招聘で行われたとみて間違いないと思います。中国は北朝鮮という暴れ馬の手綱を握ろうと必死なのです。

この2回の首脳会談で、中国は北朝鮮に譲歩し、北朝鮮に有利な合意が形成されたことでしょう。これは、アメリカと中国をてんびんにかける北朝鮮の二股外交です。中国が金正日時代から求めている改革開放路線は是認されたものの、「カネも出す、口も出す」とはいかず、「口も出す」部分について、中国は大幅に制約をかけられたとみるべきです。

よくありがちな「北朝鮮が中国に泣きついた」論では、実態を捉えることはできません。北朝鮮はわれわれが考える以上に、外交技術に長(た)けた国です(北朝鮮は、外交官だけは処刑しない)。貧弱な小国でありながら、これまでも、アメリカや中国などの大国に外交上伍(ご)してきました。転んでもタダでは起きないのです。韓国の文在寅政権などが扱える相手でないことだけは確かです。 ただ、トランプ大統領が首脳会談の中止を表明した5月24日以降は、北朝鮮もトランプ大統領にはかなわないと思ったことでしょう。

金日成による朝鮮戦争後の「親中派」粛清

中国は北朝鮮との経済連携を進めていきさえすれば、いずれ北朝鮮を中国資本の傘下に収めることができるという長期的な戦略を描いているでしょうし、それを対アメリカの外交カードに利用することもできます。そこで、まずは北朝鮮と経済連携をすることを急いだのです。習主席は5月16日、北朝鮮の訪中使節団に対し、「金正恩委員長と2度も会い、両国の関係発展の共通の認識を持つことができた」と述べました。

しかし、過去に、中国は北朝鮮に痛い目に合わされています。1950年に勃発した朝鮮戦争で、中国は北朝鮮を支援しました。戦後、毛沢東は北朝鮮への影響力を強め、属国にしてしまおうともくろんでいましたが、失敗します。中国は北朝鮮内の「延安派」と呼ばれる親中派の一派と連携していましたが(延安は1930年代後半の中国共産党の本拠地)、金日成はスターリン批判(1956年)以降の中ソ対立の隙を突いて、延安派を速やかに処刑していきました。

1959年、毛沢東の大躍進政策に対する批判が巻き起こり、中国指導部で内部紛争が生じたとき(彭徳懐の失脚)、金日成は「延安派」を完全に根絶やしにしました。中国は混乱に巻き込まれている間に、北朝鮮支配の足場を失ってしまったのです。中国共産党の対北朝鮮政策は、このように失敗続きでした。

北朝鮮は金日成時代と同じように、中国を都合よく利用しつつ中国の影響力は断つという方法を、今後模索していくと思われます。今日の習政権が、経済連携を通じて北朝鮮という暴れ馬の手綱を完全に握ることができると考えているなら、大きなしっぺ返しを食らうでしょう。中国の「朝鮮属国化構想」を阻止するうえで最も大きな力を発揮するのは、アメリカではなく北朝鮮かもしれません。

「二股外交」はどこまで通用するか

もっとも、アメリカと中国の両方を利用しようとする北朝鮮の二股外交が、トランプ政権にどこまで通用するかはわかりません。

北朝鮮はこれまで、中国の支援を背景にアメリカに対して強気なアプローチを展開し、ペンス副大統領を罵倒までして揺さぶりをかけていました。ところが、トランプ大統領が突然会談中止を表明したことで、北朝鮮のこうしたアプローチはピシャリと退けられました。同時に、裏で策動していた中国の影響力も、一定のレベルで低下しました。

会談中止の発表直後、中国の「環球時報」は「信義にもとる行為」などという言葉を使って、トランプ大統領を批判する記事を掲載しました。一方で、同じ記事内では「アメリカが北朝鮮に対する軍事的圧力を高めないことを望む」と記され、中国のアメリカに対する屈服をうかがわせる内容となっています。

北朝鮮問題はその本質において、アメリカと中国の二大国の駆け引きであり、「米中冷戦」と呼ぶべき現在の危機構造の一部として存在しています。アメリカにとって、北朝鮮に譲歩することは、中国に譲歩することと同じなのです。「ドラゴンスレイヤー」と呼ばれる対中強硬派で占められたトランプ政権の中枢は、そのことを最もよく理解しています。

宇山卓栄(うやま・たくえい)

著作家。1975年、大阪生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。おもな著書に、『世界一おもしろい世界史の授業』(KADOKAWA)、『経済を読み解くための宗教史』(KADOKAWA)、『世界史は99%、経済でつくられる』(育鵬社)、『「民族」で読み解く世界史』(日本実業出版社)などがある。(写真=AFP/時事通信フォト)

産経デジタルより転載記事
立憲民主党 セクハラ問題で財務省追及もスネに傷 身内に甘い?

2018.4.24 10:00
【野党ウオッチ】

 財務省の福田淳一事務次官(58)のセクハラ問題が国会を揺るがしている。立憲民主党など野党6党は麻生太郎財務相(77)の辞任などを求め、国会審議を拒否する一方、合同ヒアリングを連日開き、財務省への追及を強めている。ただ立憲民主党はセクハラ問題を起こした議員を抱える。その議員には資格停止処分などにとどめており、麻生氏らの辞任を求める一方で身内のスキャンダルには甘いとの批判も出ている。

 「福田次官の本日中の処分と謝罪を求めたい。本日中に処分しなければ明日の閣議で辞任が認められる。そうなると退職金が満額出る。それが許されるのか」

 23日、国会内で開かれた財務省のセクハラ問題に関する野党合同ヒアリングで、立憲民主党の尾辻かな子衆院議員(43)が口火を切った。福田氏の辞任が24日の閣議で認められれば、福田氏には約5300万円にも上るとされる退職金が支払われる。「それでは国民は納得できない」として閣議で辞任が認められる前に福田氏を懲戒処分にするよう財務省側に迫ったのだ。

 野党側はセクハラ問題発覚後、頻繁に合同ヒアリングを開いて福田氏や財務省の対応を厳しく追及している。セクハラ問題と森友学園問題で事務次官と国税庁長官がともに辞任し、不在という異常事態を招いた麻生氏の辞任を要求し、安倍晋三政権を退陣に追い込みたい考えだ。

しかし、野党第一党の立憲民主党は麻生氏や福田氏にクビを迫る一方で、自らの党に所属するセクハラ問題を起こした議員には相対的に甘い処分で事態の収拾を図ろうとしているように見える。

 立憲民主党公認で初当選した青山雅幸衆院議員(56)=比例東海=は昨年10月、女性元秘書からセクハラ被害を週刊誌に告発された。これを受け、同党は青山氏を無期限の党員資格停止処分とした。青山氏は今年2月に記者会見し、元秘書の女性と和解が成立したことを明らかにしたが、東海地方の女性地方議員らが青山氏の辞職を求めて署名活動を実施。今月11日には署名簿を同党に提出した。

 しかし、対応した西村智奈美・ジェンダー平等推進本部長(51)は、被害者と和解が成立していることや、すでに処分を下していることから「対応は難しい」と述べるにとどまった。

 同じく立憲民主党の初鹿明博衆院議員(49)=比例東京=は昨年11月、支援者の女性にキスを迫るなどのわいせつ行為の疑惑を週刊誌に報じられた。これを受け党執行部は初鹿氏に6カ月間の役職停止処分を下した。初鹿氏には民進党時代の平成28年末、女性を強引にラブホテルに連れこもうとしたことをこれまた週刊誌に報じられ、党青年局長を辞任したこともあった。

立憲民主党は青山、初鹿両氏とも資格停止処分にとどめているのだ。仮にも同じセクハラ問題で福田氏の処分や麻生氏の辞任を迫るのであれば、身内の議員にも議員辞職を促すくらいの厳しい対応があってしかるべきではないだろうか。

 さらに同党は昨年末、山尾志桜里衆院議員(43)を迎え入れた。不倫で衆院議員を辞職した自民党の宮崎謙介氏(37)を公然と批判しながら、自身の不倫疑惑に対しては「むき出しの好奇心」(神奈川新聞のインタビュー)などと答えた山尾氏は、いまだに十分な説明責任を果たしていない。財務省への追及姿勢と党所属議員への対応はまさにダブルスタンダード(二重基準)であり、これでは身内に甘いとのそしりは免れない。

 もちろん財務省のセクハラ問題に関して事実解明と関係者の責任追及に野党として取り組むべきであることはいうまでもない。

 ただ、自らのスネに傷を抱えたまま、一方ではヒアリングの場で財務省職員に批判を浴びせたり、「#MeToo」と書かれたプラカードを掲げ黒服姿で財務省に“突撃”したりする姿が国民の目にはどう映るのか、今一度思い起こしてみた方がいいのではないだろうか。 (政治部 小沢慶太)

楽天インフォシークより転載記事
国益無視した「倒閣運動」…野党“職場放棄”の愚 民進会見でセクハラ被害女性記者の実名も

夕刊フジ / 2018年4月20日 17時6分


野党は、国民をバカにしているのか。財務省や防衛省の不祥事をめぐり、麻生太郎副総理兼財務相の辞任要求などに応じない与党に対し、新たな国会日程の協議を拒否する方針を決めたのだ。国際情勢が激動するなか、パフォーマンス狙いの「職場放棄」に等しい。閣僚の海外出張も認めない姿勢は、国益を無視した「倒閣運動」といって差し支えない。

 衆院では20日に厚労委員会などを開いたが、野党は質疑に立たず、数時間にわたって議論のない「空回し」が続く見通し。厚労委は、野党が提出した「生活保護法改正案」も議題となり、審議拒否は「自殺行為」にほかならない。

 立憲民主党など野党6党は19日、与党に対し、麻生氏の辞任や、セクハラ発言疑惑がかかる財務省の福田淳一事務次官(58)の罷免など4項目を要求した。

 これに対し、与党は、麻生氏について「全容解明の責任者として職務を果たすべきだ」として、続投の考えを伝えた。

 野党側は、「ゼロ回答だ」と反発し、「徹底抗戦」の構えを見せるが、1日数億円かかる国会審議を拒否して、国民の理解が得られるのか。

 セクハラ疑惑については、恒例となった合同ヒアリングで、希望の党の山井和則衆院議員が「財務省はセクハラを認め、おわびすべきだ。次官、省、麻生氏が政権ぐるみで被害者の首を締め付けている」と批判した。

 であるならば、野党に所属する不倫議員やセクハラ議員が自らバッジを外し、国民に「申し訳ない」「二度と政界に戻らない」と頭を下げ、ケジメをつけるべきだ。賢明な国民は、野党のご都合主義を見透かしている。

 麻生氏や小野寺五典防衛相の米国出張に反対する姿勢には、「的外れ」「筋違い」という言葉しか思い浮かばない。

 もし、麻生、小野寺両氏が、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議や、ジェームズ・マティス米国防長官との会談に出席できず、日本の国益を損なった場合、責任を取れるのか。

 野党6党が旧社会党のような「万年野党」ぶりを発揮するなか、民進党の会見動画で看過できない事態が起きた。

 大塚耕平代表の19日の記者会見で、ある記者が、福田氏のセクハラ発言を告発したテレビ朝日の女性記者の実名を挙げ、それが流れてしまったのだ。ネット上には、女性記者の実名や顔写真が拡散している。

 まともな野党が存在しないことが、日本最大の悲劇といえる。

MSN産経ニュースより転載記事
【加計学園問題】「首相案件」独り歩きに「ばかばかしい漫画」加戸守行・前愛媛県知事が痛烈批判
学校法人「加計学園」の獣医学部誘致を進めた加戸守行・前愛媛県知事は13日、産経新聞の取材に対し「首相案件」などと書かれた文書について「首相に結びつく話ではない」と述べた。野党の追及に対しては「ばかばかしい漫画を見ているようだ」と痛烈に批判した。(今仲信博)

 また、騒がしくなりましたな。

 今回問題となっている愛媛県職員が作った備忘録というメモにある「首相案件」という言葉は、(県職員が面会したとする)柳瀬唯夫元首相秘書官(現・経済産業審議官)が「使うわけがない」とコメントしているのだから、使ってはいないと思う。

 ただ、国家戦略特区を認定する「国家戦略特区諮問会議」の議長が安倍晋三首相だから、それらしい言葉は出ていたのかもしれない。

 仮にそうだとしても、最後は首相が裁くという意味で使ったのではないだろうか。決して鬼の首を取ったように騒ぐことではないし、首相に結びつくような話ではない。首相案件という言葉が、独り歩きしてしまっている。

 野党や一部メディアは「加計ありき」に結びつけたいんでしょう。しかし、メモは、書いた本人の記憶です。すべて録音をしているわけではないでしょう。普通は10日ぐらい前の話を思い出しながらダイジェストでメモを作るものですよね。

 首相案件という言葉は、役人は普通使いません。首相や大臣の「マター」というような言葉はよく使う。今回の場合に照らすと、首相が最後に裁くという意味での「マター」。だから、推理だけを言えば、首相マターというのを首相案件とメモにしたのかもしれませんね。

 今回、メモが出てきて、国が地方を信用しなくなるのではないだろうか。愛媛県は何でもメモにして外に出すと思われると、国の対応は不親切になるでしょう。もともとは知事や副知事に説明するための材料だったのに、やりとりしたメモが外に出るようでは、信用してもらえなくなる。

 愛媛県職員は、みんな真面目です。一生懸命、アヒルの水かきでも何でもやる。獣医学部を誘致するためには、いろいろなことを訴えたのだろうと思う。

 ただ、もし官邸に行って話をつけるなら、部長や副知事ぐらいが行かないといけない。課長らが官邸を訪問したという今回のケースは、手続き論かと思っている。国側が知恵をつけるということぐらいはあったのかもしれない。登山に例えるなら、構造改革特区という登山口は厳しいけれど、国家戦略特区という登山口がある。民間議員が一生懸命に道を開こうとしているから「こっちの方が登りやすいよ」とね。登山口を教えたというだけで便宜をはかったというのは、どうかと思う。

 私が官邸側の人間だったらやりますよ。愛媛県は内閣府に何回も蹴飛ばされてかわいそうだと思って助言するでしょうね。農林水産省と文部科学省が日本獣医師会の意向を受けて愛媛県の申請をはね返しているのだから。それならば、登山口を知っていながら教えない方が不親切だ。

 私は平成25年5月と10月の教育再生実行会議の場で、首相に四国での獣医学部新設を要請した。加計学園とか固有名詞は出さずに、岩盤規制でできない、何とか再生会議の提言に入れてもらえないかと頼んだが、首相は興味なさそうな顔で聞いていた。

 私が発言したから、愛媛県は獣医学部新設のために頑張っているというようなことは頭に入ったかもしれないけれど、(首相の関与があったなら)あんなに無反応なのは、よほどのポーカーフェースだと思う。その後、内閣府からは申請を断られている。首相がちょっとでも関心があったなら、あんな反応にならないと思う。

 野党や一部メディアは、加計学園の岡山理科大獣医学部が開学しちゃって攻め手を失ってきている中、首相案件というメモが出てきて、たたくのにいい材料が見つかったと思っているのかもしれない。防衛省の日報問題、森友学園の財務省決裁文書改竄(かいざん)問題、そして今回のメモの3点セットで文書攻撃をやるにはいい材料だという考えでしょう。憲法改正を阻止するためのくだらん攻撃ですね。最後の悪あがきです。だが、メモは職員が備忘録的に作ったものであり、公文書ではない。

 一国の政党の代表が、文書で首相案件だなんだと、あほらしくて予算委員会も見ていられない。世界はめまぐるしく動き、日米首脳会談を控え、北朝鮮問題もある中で、やれメモが出てきただの、これが正しいだの…。まるで、ばかばかしい漫画を見ているようだ。

 かと・もりゆき 昭和9年、旧満州・大連生まれ。東大法卒。32年、文部省(現文部科学省)入省。平成11年、愛媛県知事選に立候補し初当選。3期12年務めた。知事在任中は、獣医師が不足する四国への獣医学部誘致に尽力した。

"叱られたことのない人"を叱ると殺される

4/19(木) 9:15配信ヤフーニュースより転載記事(プレジデントオンライン)


滋賀県彦根市で交番勤務の19歳の男性巡査が、同僚の41歳の巡査部長を拳銃で射殺した。精神科医・片田珠美氏は、「加害者は『間欠爆発症』の可能性がある」と語る。怒りや攻撃衝動を制御できない衝動制御障害で、「これくらいのことであんなに怒るなんて」という人は、このタイプかもしれない。周囲はどう対処すればいいのか――。


■41歳の巡査部長を撃った19歳巡査は「間欠爆発症」か

 滋賀県彦根市の滋賀県警彦根署河瀬駅前交番で、19歳の男性巡査が、同僚の41歳の巡査部長を拳銃で撃って殺害した。殺人容疑で逮捕された巡査は、「罵倒されたので撃った」などと話しているようだ。

 もっとも、「罵倒された」というのは加害者側の主張であり、死亡した巡査部長が本当に罵倒したのかどうかについては、確認のしようがない。なぜ、この巡査は巡査部長を射殺したのだろうか? 

 ▼軽口や冗談も引き金「間欠爆発症」の可能性

 まず考えられるのは、この巡査が「間欠爆発症」である可能性だ。間欠爆発症は、怒りや攻撃衝動を制御できない衝動制御障害の一種であり、かんしゃく発作、激しい口論や喧嘩、他人への暴力、モノへの八つ当たりによる破壊などを繰り返す。こうした爆発は、きっかけとなるストレスや心理社会的誘因と釣り合わないほど激しい。しかも、衝動的で計画性がない。

 平たくいえば、「これくらいのことであんなに怒るなんて信じられない」と周囲が驚くほど過剰反応するのが、間欠爆発症の人である。軽口や冗談などの悪意のない言葉でも、爆発の引き金になりかねないので、周囲はしばしば困惑する。「かんしゃく持ち」「すぐキレる」などと陰口を叩かれることも少なくない。

 この巡査が本当に「罵倒されたので撃った」のだとしても、同僚を拳銃で撃つのは、罵倒という誘因と釣り合わないほど激しい反応だ。客観的に見ると過剰反応である。

 さらに、単に叱責されただけなのに、この巡査が「罵倒された」と受け止めた可能性も否定できない。そうだとすれば理解しがたいほどの過剰反応ということになる。

 間欠爆発症の人が傷害事件や殺人事件を起こす危険性は、一般の人よりも高い。たとえば、2016年7月、神奈川県平塚市の雑木林で、高校3年の男子生徒が遺体で見つかり、その後、自称土木作業員の20歳の男が、男子生徒のバイクに乗用車を衝突させ、死亡させたとして、殺人の疑いで逮捕された。この男は、「横を通った男子生徒がにらみつけてきた気がして、追いかけて追突した」「追い越されたときにガンをつけられ、頭に血が上った」などと供述したようだが、どう見ても過剰反応である。

 たしかに、運転中に追い越されると、怒りを覚えて頭に血が上ることはあるだろう。ただ、にらみつけてきたと感じ、ガンをつけられたと受け止めたのは、被害者意識が強すぎるからではないか。死亡した男子生徒が実際ににらみつけたのかどうかは今さら確認のしようがないが、少なくとも、逮捕された男の逆上の仕方は、状況を客観的に見ると過剰反応である。したがって、間欠爆発症の可能性が高い。

 間欠爆発症の人の多くは自覚がなく、自分から精神科を受診することはまれだ。ほとんどの場合、警察沙汰になってはじめて精神科医の診察を受け、その結果、間欠爆発症と判明する。
若い社員に注意すると「パワハラだ」と叫ばれる時代

 困ったことに、間欠爆発症に限らず、過剰反応する若者が最近増えている。そのため、指導する立場の上司や先輩が困惑することも少なくない。

 たとえば、ある会社に女性の新入社員が入ってきた。ミスが多かったが、「誰でも最初はそういうもの」と上司は自分に言い聞かせながら、我慢して指導していた。彼女にはもう1つ指導すべき点があった。遅刻癖だ。正当な理由のない遅刻は、社会人として失格である。仕事のミスは仕方がないとしても、遅刻癖は直してもらわないと他の社員にも示しがつかない。そこで、上司は女性社員を呼び出して口頭で注意した。

 上司が注意したところ、女性社員はその場でワッと泣き出し、「ひどい。そんな言い方をするなんて、パワハラです! 」と叫んだ。上司は指導するつもりで注意したのに、逆に非をなじられて困惑し、それ以上何も言えなくなってしまったという。

 しかも、彼女の反撃は、その場にとどまらなかった。上司の上司にパワハラ被害を相談したのだ。そのため、上司は人事部から呼び出されて、事情説明をする羽目になった。

 この女性社員は、遅刻癖という自分自身の非を認めたくないからこそ、自分がパワハラの被害者であるかのように装ったのだろうが、どう見ても過剰反応である。このように被害者のふりをして、叱責や非難をかわそうとする社員は要注意だ。

 こういう社員は、絶えず「自分は悪くない」と主張する。そのためには何でもするが、この女性社員のように被害者を装って、“加害者”とみなす相手を糾弾する場合もあることを忘れてはならない。

 ▼「僕は、親にも教師にも怒られたことがないんです」

 別の会社では、20代の一流大学出身の新入社員の男性に手を焼いたらしい。はじめての業務ばかりだから、わからないことがあって当たり前なのに、上司にも先輩にも一切質問せず、自己判断で進めてしまう。そのため、何度も取引先からクレームがきたので、上司が「わからないことがあったら、必ず聞きなさい」と注意した。

 しかし、その後も相変わらず質問せず、自己判断で進めることをやめなかった。そして、ついに多額の損失を出してしまった。取引先にも迷惑をかけたので、上司が取引先に謝罪に行ったのだが、当の本人は反省するどころか、「僕は、こんな小さな取引をするために会社に入ったわけではありません。もっと大きな仕事をさせてください」と上司に直訴した。

 そのため、上司が「お前、自分が何をやったか、わかっているのか」と怒鳴ったところ、新入社員は「僕は、親にも教師にも怒られたことがないんです」と答え、翌日から出勤しなくなった。

 後日、「適応障害のため、休養加療を要する」という趣旨の診断書が送付されてきて、数カ月間休職した。その間、この新入社員は、「(怒鳴った上司の)パワハラではないか」と社内の相談室で訴えたらしく、上司も事情を聞かれたが、「パワハラではない」という結論が出た。ただ、上司は、自分が怒鳴った理由や新入社員が損失を出した経緯を説明するのに時間とエネルギーを費やし、疲れ果てたという。
自分自身を過大評価「オーバークレーミング」の生態

 この新入社員が「親にも教師にも怒られたことがない」のは、おそらく本当だろう。学業優秀だったので、大学を卒業するまで親にも教師にも叱られた経験がないまま、就職したのではないか。

 当然、自尊心は高いはずで、自分は何でも知っていると思いたがる。こういう知ったかぶりを心理学では「オーバークレーミング」と呼ぶが、この新入社員はその典型のように見える。

 「オーバークレーミング」の新入社員は、わからないことがあっても、一切質問せず、自己判断で進めてしまった。これは自信過剰のせいだろう。こうした自信過剰は、自分自身を過大評価しているせいである。

 ▼「注意するのが怖い」という上司「自己愛過剰社会」の弊害

 この手の新入社員が最近増えているようで、企業の管理職の方と話すたびに、「どう対応すればいいのかわからない」「注意するのが怖い」という声を耳にする。

 その背景にあるのは、「自己愛過剰社会」とも呼べるほどナルシシズムが蔓延した日本社会だ。その一因に自尊心の過度の重視があるのではないか。

 もちろん、自尊心は大切だと私も思う。ただ、自尊心の重要性が強調されすぎた結果、勘違いした親や教師が増えているように見える。

 どう勘違いしているかというと、ほめれば、ほめるほど、能力が伸び、成績が上がると思い込んでいる。なかには、わが子に「お前は特別だ」と言い、望むものを与えれば、自尊心を高められると思い込んでいる親もいるようだが、残念ながらそれはナルシシズムに火をつけるだけだ。

 結局、「本当は駄目なのに自分をすばらしいと思うのはナルシシズムへの近道なのだが、多くの親と教師はそれを自尊心と呼び換えて日々子供を励ましている」(ジーン・M・トウェンギ、W・キース・キャンベル『自己愛過剰社会』)。

 このように子どもを甘やかし、ほめそやす風潮に拍車をかけているのが少子化だ。まるで王子様や王女様のように子どもを大事に育て、自尊心を傷つけてはいけないとの配慮から、叱らない親が多い。

 一方、教師の多くは、目に余る言動があれば生徒に注意すべきだと思ってはいるものの、なかなか叱れない。へたに叱ると、親に怒鳴り込まれかねないからだ。

 ある小学校では、校長が「今は子どもの数が少なくて、どの保護者もちょっとしたことに文句をつけるし、教育委員会に通報されては大変なので、気をつけてください」と日々教師に注意しているらしい。それだけ親からクレームがくるわけで、多くの教師は親からのクレームに戦々恐々としている。

こうすれば殺されない「正しい叱り方3か条」

 このように、親が叱らないだけでなく、教師も叱りたくても叱れないのが現在の日本の教育の現状だ。その結果、少々のことは許されると思い込み、自分の過ちは決して認めない子どもが増えている。

 こういう子どもが成長して新入社員として入ってくるわけだから、上司や先輩としては、自尊心を傷つけないように配慮する必要がある。「勝手に『できる』と勘違いしているのは新入社員のほうなのに、なぜ指導する立場の自分が配慮しなければならないのか」と納得できない方もいるだろうが、ここで紹介した上司のような目に遭いたくなければ、配慮するのが賢明だ。

 配慮すべき点は、次の3つである。

 (1)できるだけ丁寧な言葉で話す
(2)何ができていないのかを具体的に説明する
(3)侮辱と脅迫は禁物

 まず、(1)の「できるだけ丁寧な言葉で話す」のは、相手との間に適度の距離感を保つためである。過剰反応しかねない新入社員は取扱注意の“危険物”と認識し、“危険物”を触るときの手袋として丁寧な言葉を用いるべきだ。

 (2)の「何ができていないのかを具体的に説明する」のは、「お前は駄目だ」と言われることに耐えられない新入社員が多いためである。自尊心の傷つきを恐れるあまり、ちょっとした注意や叱責でも、自分への批判や非難と受け止めて過剰反応することを精神医学では「拒絶過敏性」と呼ぶが、このような傾向が認められる若者が増えている。そういう若者に「だから、お前は駄目なんだ」などと言うと、とんでもないことになる。「お前が駄目なわけではなく、お前がやったこの仕事に問題があるのだから、直してほしい」という論法で対応するしかない。

 (3)の「侮辱と脅迫は禁物」というのは当たり前だが、とくに「拒絶過敏性」の傾向を持つ新入社員を指導する場合は肝に銘ずるべきだ。侮辱は敵意をかき立てるし、脅迫は恐怖を植えつける。敵意と恐怖にさいなまれた新入社員は、「窮鼠猫を噛む」のことわざ通りパワハラをでっちあげかねない。そうなれば困るのは指導する立場の上司や先輩なので、わが身を守るために気をつけていただきたい。

精神科医 片田 珠美 写真=iStock.com

MSNニュースより転載記事
ハングル表記のポリタンク、山陰に大量漂着…中に強酸性液体、韓国側の違法行為のツケ回される

島根県の日本海沿岸に3月、ポリタンクが大量に漂着した。その大半にハングル表記がみられ、一部には強酸性液体の内容物が確認された。ポリタンクの漂着は近年、日本海沿岸を中心に増えており、同県では昨年2?3月にも約3千個が流れ着いた。歓迎されざる“冬の風物詩”となりつつある状況に、沿岸自治体は困惑している。

 3月2日午後2時ごろ、同県出雲市の海岸部をパトロールしていた県出雲県土整備事務所の職員が、湊原海岸にポリタンクが21個漂着しているのを発見。周辺を巡視した結果、約17キロの範囲で538個のポリタンクを確認し、その大半にハングルの表記がみられた。

 県は他地域にも漂着しているとみて、巡視を強化。16日までに、同市など7市町で2301個の漂着を確認、2124個が回収された。このうち、182個に内容物があり、検査を終えた162個のうち96個に強酸性、8個に弱酸性、2個に弱アルカリ性の液体が残存していたことが分かった。漂着はこれ以降、目立ってはないという。

 一方、ポリタンクの漂着は近隣でも相次いでみつかり、鳥取県では3月12日までに161個を回収。山口県や兵庫県、京都府などでも確認された。島根県によると、流れ着く量は近年増えており、平成28年には県内で4051個に上った。

 ポリタンクの大量漂着について、関係者は「韓国のノリ養殖に伴う化学物質の違法な使用が関わっているケースが多い」とみる。ポリタンクに社名が表示されていたある韓国系企業は「私たちが不法投棄したと疑われ、心外だ」と憤る。

 担当者によると、この会社はノリ養殖向けなどに製品の過酸化水素などをポリタンクに入れて販売しているが、ポリタンクの中身を塩酸に詰め替えて転売されるケースが相次いでいるという。塩酸は漁民の多くがノリ養殖の際に異物を取り除くため使っているが、使用は禁じられている。当局も取り締まりを強化するが、塩酸などが残ったポリタンクの不法な海洋投棄が後を絶たないという。

 同社は不法投棄を根絶するため、政府に取り締まり強化を要請。使用済みポリタンクの回収率を高め、2次利用されるのを防ぐ努力も続けている。

 日本に流れ着くのはポリタンクだけではない。近年はさまざまな海洋ごみが漂着している。

 環境省がまとめた漂着状況(平成28年度)は、ポリタンク1万6029個(20道府県)▽医療系廃棄物2089個(10県)▽漁具18万6465個(14道県)▽電球類2430個(12道県)など。ポリタンクについて同省は韓国に再発防止の徹底などを要請した。 

 ポリタンクの漂着が突出して多い島根県は、中身を検査した上で強酸性やアルカリ性の残留物は専門の業者に委託して処分。空のポリタンクは県や各自治体の予算で処分している。それらの経費も軽視できず、国へ対策を要望しているという。

 県防災危機管理課の担当者は「何よりも重視するのは、ポリタンクの残留物などで危害を受ける人が出ないこと」といい、3月中旬に事態が落ち着きをみせるまで、沿岸自治体や住民に注意喚起を続けてきた。

 この時期に漂着が多いのは、海流の向きと関係しており、担当者は「日本海の地形的、気候的な要因から島根への漂着が多いのはある程度やむを得ないが、事態の改善に向けて政府が韓国にしっかり働きかけてほしい」と話している。

約束を反故にした旧ソ連に次ぐ、条約を守らいない国ナンバー1 韓国2018/03/15
慰安婦合意反故「法より正義の国・韓国」


日本国内に“韓国疲れ”が広がっています。「どうして約束を守らず、ゴールポストを勝手に動かすのか」。慰安婦問題には同情的だった人たちさえ、さすがに呆れています。

 文在寅(ムンジェイン)政権が日韓慰安婦合意(以下、日韓合意)について、年頭に「新方針」を発表したためです。「両国が公式的に合意をした事実は否定できない」故に破棄や再交渉は否定しながらも、「日本が真実を認め、被害者の女性たちに心を尽くして謝罪し、それを教訓に再発しないよう国際社会と努力するとき、(元慰安婦の)おばあさんも日本を許すことができる。それが完全な解決だ」と、日本側に追加措置を促しました。また、日本が元慰安婦の支援財団に拠出した10億円は使わず、韓国が同額を支出すると述べました。

安倍首相と文大統領 c共同通信社

 2015年12月に朴槿恵(パククネ)政権下で結ばれた日韓合意で、韓国政府は「この問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認」したはず。ところが文在寅政権に代わった途端、日韓が合意に至る外交過程の検証を行ない、結果として出てきたのが、「新方針」です。

 しかし、合意は合意。それを政権が代わるごとにひっくり返されては、外交が成り立たない。そう考えるのが国際的常識です。しかし、今回見せつけられたように韓国には、その常識が通じないことがある。それはなぜか。そして、そんな隣国と日本はどう付き合っていけばいいのか。

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 木村幹氏(51)は、神戸大学大学院国際協力研究科の教授。比較政治学と朝鮮半島地域研究を専門とし、『日韓歴史認識問題とは何か』などの著書がある。

 日韓関係の内情に通じ、慰安婦合意の交渉過程では、朴槿恵大統領のブレーンから相談を受けた。現在の文在寅政権に近い人物の間にも知己が多い。

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法よりも正義を優先する韓国

 韓国が日韓合意を反故にしようとした最大の理由は、韓国人の民主主義に対する考え方に見いだすことができるかもしれません。端的に言えば、それはかなり直接民主主義に寄っています。国民が到達した「正しい」意見に従い、反映するのが政治の役割だという考え方です。

 朴槿恵大統領の弾劾が典型です。大規模なろうそくデモをテレビが報じるときの決まり文句に「これは国民の命令だ」というものがありました。国民が望み、命じているのだから、当然弾劾されるべき。結論が先にあって、民衆の「正しい」望みは実現しなければならず、実現のために知恵を出すのが、法律家であり裁判所だという理解。正義は法より上にあるものだから、国民が何が正義かについての合意に達すれば、それに合わせて法の方を変えなければならない、と考える。国際的な合意についても同様です。それが韓国の民主主義です。ある意味、極端な理想主義を奉じている人々と言っても良いでしょう。

 だから世論が正義を見つけたら、それに従うのは当然だと考えられ、反論するのは難しい。それは行き過ぎれば、危ない側面も持っています。しかし、その考え方が、朴正熙(パクチョンヒ)、全斗煥(チョンドファン)と続く軍の力を背景とした抑圧的な政権に対して、粘り強く民主化を求める原動力となったことも事実です。民主化を求める勢力は、「悪い軍事政権が国民に押しつけた憲法や法律だから、それらは『正しい』憲法や法律ではない。だから我が手で『正しい』憲法や法律を作り直さなければならない」と国民に呼びかけ、民主化を実現しました。そのため韓国の人々はこの考え方の「正しさ」に自信を持ち、それに従って、民主化以後の社会を築いてきました。

 つまり、韓国は日本に対してだけゴールポストを動かしているわけではなく、国内政治でも常に動かし続けています。動かしているというより、常に「正しい」サッカー場の在り方を模索し、「正しい」サッカー場を普請しているような感じです。

 日本は、まったく逆の傾向を持っています。たとえ正義にもとる悪法だとわかっていても、法律を変えるまでは、それに従うべきだと考える傾向がある。正義のためであっても、法を破って直線的に、それを実現するのは間違っていると考える。日本は憲法でさえ、一度も自分で改正したことがありません。

 かように同じ民主主義について、日本と韓国では考えが違う。だから話が噛み合わない。

 しかし、ここで注意すべきは、このような韓国の民主主義についての考え方は、必ずしも孤立したものではない、ということです。イギリスのEU離脱、アメリカのトランプ大統領など、グローバル化に伴い、かつて国政を牽引してきた統治エリートに対する信頼が揺らぎ、それへの反発から国民の声を直接体現するような政治が世界中で求められるようになってきました。民主主義の「ポピュリズム」化です。ある意味では、韓国はこれらの国々がポピュリズムに突入する以前から、ポピュリズムをやっている。1980年代の民主化、1997年のIMFショックなどの経験によって、既成統治エリートの国政への影響力が、繰り返し排除されてきたからです。

合意は日本に「有利」だった

 とは言え、それは韓国の「ポピュリズム」を前にして、日本が匙(さじ)を投げていい、ということではありません。冒頭で述べたように文在寅政権は、1月に「新方針」を発表したものの、日韓合意の再交渉は求めていません。つまり、その意味では日韓合意はちゃんと生きています。しかも、この合意は日本にとっては明らかに「有利」な内容でした。

 ここで日韓合意の主な5つのポイントを振り返っておきましょう。

(1)旧日本軍の関与と日本政府の責任を認める。

(2)安倍首相が元慰安婦におわびと反省を表明する。

(3)日本は韓国が元慰安婦の支援を目的として設立する財団に10億円を拠出し、協力して事業を行う。

(4)この合意をもって、問題を最終的かつ不可逆的に解決する。

(5)韓国は在韓日本大使館前の少女像の撤去に向けて努力する。

 なぜ、これらの内容が日本にとって「有利」なのか。

 その最大の理由は、韓国政府や挺対協(韓国挺身隊問題対策協議会)を中心とする慰安婦支援団体が20年来、要求してきた日本政府による法的賠償を、韓国側が放棄したことです。1995年のアジア女性基金が頓挫してしまったのは、韓国側が日本政府による法的賠償でなければ、受け取らないという方針を固持したためでした。

 それに対して、日本政府は一貫して1965年の日韓基本条約及びその付属協定によって「補償問題は完全かつ最終的に解決した」という立場でした。だから、法的賠償は受け容れられない、と主張してきた。

 日韓合意は、この積年の最大の対立点を日本が韓国を譲歩させることで乗り越えました。こうして法的賠償ではなく、(3)のような解決法が採られることになりました。法的賠償ではないかたちで、日本政府が拠出したお金を元慰安婦に渡す(3)の方法は、実は95年のアジア女性基金とほとんど変わりませんし、10億円という規模もほぼ同じです。

 日本は(1)を1993年の河野談話で認めていますし、(2)は92年の宮沢首相以降、幾人もの首相がおわびと反省を述べてきました。

 つまり、日韓合意によって、日本が韓国に対して新たに譲歩しなければならないことは、ほとんどありませんでした。しかも、(4)にあるように、この合意をもって「最終的かつ不可逆的に」この問題を解決できることになり、(5)も韓国に認めさせた。これが日本にとって「有利」でないはずがない。

 しかし、韓国側から見れば、これは外交的「敗北」です。しかも、韓国の朴槿恵政権は保守政権だったため、進歩派に近い挺対協や元慰安婦と何の相談もしないまま、この合意をまとめました。当然、国民は強い不満を持ちました。

 なぜ韓国はそのような譲歩をしてまで日韓合意を飲んだのか。その最大の理由は、アメリカの圧力があったからです。2013年に政権がスタートした当初、朴槿恵大統領は「慰安婦問題で実効性のある解決案が出ない限り、日本と首脳会談はしない」という強硬姿勢でした。

 一方の安倍首相は2013年12月に靖国神社を参拝して、アメリカ世論から厳しく批判されました。2014年4月、日本に次いで韓国を訪問したオバマ大統領は、朴槿恵大統領と会談後の共同会見で慰安婦問題について「恐るべき人権侵害の行為だ。安倍首相や日本国民も、そのことをわかっているはずだ」とかなり踏み込んだ発言もしました。この当時は「韓国優勢」と言われても不思議ではない状況でした。

 2015年4月の日米首脳会談で、安倍首相はオバマ大統領に「河野談話を継承し、見直す考えはない」と明言します。このことの重要性に気づいた人は、あまりいませんでした。河野談話は単なる官房長官のコメントであって、誰に向けた約束でもありません。しかし、現職の首相がアメリカ大統領に向かって「守ります」と言った瞬間、河野談話の順守はアメリカに対する約束になり、国際公約になりました。

 その間に朴槿恵大統領は、中国シフトを進めていきました。当初アメリカは、この動きに表立って注文をつけませんでした。しかし、中国が南シナ海へ積極的に進出し、米中対立が顕在化すると、「韓国はどっちの味方なのか」という批判が噴出した。決定的だったのは、2015年9月に北京で行なわれた「抗日戦争勝利70周年記念」の軍事パレードでした。天安門の楼上に習近平、プーチン、朴槿恵が揃ってパレードを観閲した。このビジュアルのインパクトは強烈でした。アメリカの多くの人々は違和感を持ち、「日米韓の連携を崩しているのは、朴槿恵の側だ。慰安婦問題でも、安倍はちゃんと譲歩しているじゃないか」という風向きになりました。

 そんなアメリカの圧力を受けた韓国政府は、慰安婦問題で結果を出さないといけない状況に追い込まれた。その結果が、2015年12月28日の合意発表になります。

交渉過程の検証は大失敗

 しかし、朴槿恵大統領が弾劾され、2017年に次期大統領を決める選挙戦が始まると、文在寅を含め主要候補の全ては、日韓合意の見直しを公約に掲げました。先ほども述べたように、この合意への韓国国民の根深い不満があったからです。しかも朴槿恵大統領を弾劾した勢いで「悪い朴槿恵がやったことは全部やり直せ」という「正しい」意見が出来上がっていました。

 この国民の「正しい」声を受けて、文在寅政権は正義の名の下に「日韓合意」という法を変えようとした。しかし、何の理由もなしに破棄はできないので、その理由を見つけ出そうと合意過程の検証を行うことにした。最も望ましいのは、交渉過程における日本側の瑕疵(かし)をあぶり出すことですが、最初からそれは難しいだろうと思われていました。明確にあったのは、韓国内部の手続きに致命的な問題があるのではないか、という期待でした。

 合意の時点で存命の元慰安婦は、47人いました。そのうち34人が、昨年末までに和解・癒やし財団を通して1億ウォン(約1000万円)を受け取っています。その事実は、反朴槿恵である進歩派と元慰安婦支援団体にはショックでした。当事者の元慰安婦たちがお金を受け取ることは、彼女らが日韓合意に必ずしも強く反発している訳ではないことを意味しています。合意への反対運動をしている人々にとっては、梯子を外されたも同然です。

 95年のアジア女性基金のときには、61人の元慰安婦が日本からの「償い金」を受け取りました。しかし、この元慰安婦の行為は韓国世論からの激しいバッシングを浴びました。支援団体は、お金を受け取った元慰安婦の名前を公表した上、直接電話をかけて「民間基金のカネを受け取ることは、売春婦だったことを自ら認める行為だ」とも非難した。

 しかし、今回の日韓合意では、韓国の外交部や日本が拠出したお金を元慰安婦に渡す役割を担う和解・癒し財団の努力もあり、34人の元慰安婦がお金を受け取りました。それに対する世論の批判も、ほとんどありませんでした。韓国社会はいつの間にか変わってしまっていた。

 そこで支援団体が考えたのは、元慰安婦たちは騙されたに違いないということでした。平均年齢が90歳を超えたおばあさんに細かい法律的な説明をしても、理解してもらえる保証はありません。1億ウォンを持って行って、押し付けたケースがあるだろうと見込みました。

 もし、騙してお金を受け取らせたとなれば、話は違ってきます。そこで調査を始めたのですが、結論から言うと、彼らの望んだ通りにはなりませんでした。和解・癒やし財団は、元慰安婦のおばあさんたちと交渉する様子の記録を撮っていたからです。あとで揚げ足取りをされないように、「この金はこういうお金で、こういう手続きです。あなたは受け取りますか?」というやり取りを証拠に残していたのです。

「正しい」民主主義を追求し、法よりも正義を優先させ、日韓の外交交渉の過程を公表してしまったことは、今回の日韓合意「新方針」発表に関わる大きな失敗だったかもしれません。なぜなら、それにより韓国外交の国際的な信頼性が極端に損なわれてしまったからです。「正しい」ことをしているのだから全部オープンにすればいい、と韓国流に考えたのでしょう。民主主義の理想としては美しいのですが、外交でこれをやると交渉は難しい。「では、軍事機密も全部オープンにするんですか?」ということになりかねない。

慰安婦記念日という時限爆弾

 では、日本は民主主義や法と正義について正反対の考え方を持つ韓国とどのように付き合っていけばいいのか。

 まず、認識すべきは、文在寅政権にとって、慰安婦問題の優先順位は決して高くないことです。

 1月10日に文在寅大統領が年頭の記者会見をしました。日本では、日韓合意と南北首脳会談についての件だけがニュースになりましたが、実際の演説は冒頭から延々、経済問題が続きました。次に憲法改正の話が出て、そのあとにようやく南北対話。その後、平昌五輪にも触れて、終わり近くになって、ようやく日韓合意の話が入りました。このように日韓外交における慰安婦問題の占めるウェイトは現政権にとって軽い。であれば、向こう側が重視していないこの問題を日本がわざわざ取り上げる必要性は小さい。

 文在寅大統領の慰安婦合意に関わる年頭記者会見を丁寧に意訳すると、「日本が真実を認めて心からの謝罪をしないと、元慰安婦のおばあさんたちは許してくれないので、真の解決にならないと私は思います」という表現です。つまり、思うだけであって要求はしない。奇妙なロジックなのですが、それにより不満を表しつつも、合意は維持するという形を取っている。

 彼らが巧みなのは、ここで「新方針は日韓合意の事実上の破棄だ」という解釈を与党筋に流させていることです。政府が言えないから、与党を使ってイメージを作り、世論を上手く丸め込んだ。ある情報筋によれば、文在寅政権の合意の破棄や再交渉をしないという基本方針は、すでに昨年9月頃には決まっていた。そこから3カ月かけて、このロジックを準備した。公約を実行しなければ野党から責められる。だから早めに「損切り」を行ない、日韓合意の事実上の「棚上げ」をしたのが今回の「新方針」だ、というのが私の理解です。

 繰り返しになりますが、破棄しなかった以上、日韓合意は生きています。しかも、韓国政府は「破棄も再交渉もしません。ただ、慰安婦のおばあさんたちは真の解決を求めています」という一線までしか言えないことを自ら明かすことになりました。

 だから日本は今後もこれまでどおり日韓合意の履行を韓国に粘り強く求めていくことができる。これは議論のスタートラインとして、とても大事です。

 しかし、同時に留意しなければいけないのは、日韓合意には「日韓両政府が協力し、全ての元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復、心の傷の癒やしのための事業を行うこととする」という一文があることです。韓国から「新方針」というボールを投げられて、日本がそれに一切協力しなければ、韓国は「合意の精神は失われたので、日本が事実上慰安婦合意を破棄した」というロジックで迫ってくる可能性もあります。

 もうひとつ時限爆弾があります。韓国政府は8月14日を「慰安婦の日」と決めました。まだ具体的には何も決まっていないと思いますが、今年の8月14日には、その第1回の式典が開かれるでしょう。そこには日本政府なり日本大使館も招待を受けるはずです。そこに誰が出て行って何をするのかが、次の焦点になります。

 在外日本公館の目の前にある少女像についてはどうすればいいのか。それを撤去しないのは、約束違反だと言う人がいますが、日韓合意を虚心坦懐に読めば、撤去はやはり「努力目標」でしかない。だから韓国にその「努力」を繰り返し求めるしかありません。

 ただそれもあくまでソウルや釜山の在外公館の前に立てられている銅像についてのみの話です。韓国以外に設置される少女像に関しては、放っておくしかないでしょう。アメリカの街に少女像が建つと、日本の総領事館から抗議に行きますが、これは実際問題として、わざわざその存在を大々的に宣伝している結果になっている。騒がなければ小さな像が建っただけなので、地元でさえ大きな話題にならないのに、日本政府や日本人が大挙して抗議に行くことでニュースになってしまう。お世辞にも上手い方法とは言えません。

 そもそも第2次世界大戦に関わる過去は日本にとって、美しい過去にはなりえません。たとえば「南京で何があったのか。正確な犠牲者数は何人だったか」を一生懸命議論しても、そもそも戦争を始めたのは日本である以上、日本のイメージが良くなる可能性など始めからない。

 文在寅政権ほど日韓関係に関して何のアプローチもしてこない政権はかつてありませんでした。ある意味では歴代政権で日本を最も軽視している政権だと言ってよい。朴槿恵より前の大統領は、政権出発当初は「日韓関係の改善を」と主張して、いろいろな案を出しました。朴槿恵はその代わりに「慰安婦問題の解決を」と言いましたが、これだって形は違うけど日本への関心の表れ。でも、文在寅は何も具体的な事は言わないし、まだ来日さえしていない。昨年10月に着任した新しい駐日大使の李洙勲(イスフン)は、日本とは縁の薄い人物で、政権内に強い影響力を持っている訳でもない。これらのことは彼らが「日韓関係はこのまま膠着(こうちゃく)状態で構わない」と思っている証拠だと思います。朴槿恵は「中国のほうが日本より重要だ」と言っていたのですが、現在の韓国では、そもそも日中を比較する、などという発想自体が存在しない。米中2カ国が圧倒的に重要で、北朝鮮問題で存在感を発揮するロシアがその次。日本はそこからずっと後ろです。

 安倍首相が平昌五輪の開会式に出席し、首脳会談で日韓合意の履行を求めることになりました。やらないよりはましだと思いますが、それで事態が変わるとは思えません。なぜなら、そもそも今の韓国政府には、日韓関係を改善する積極的な意思がないからです。私はよく「熟年離婚」にたとえるのですが、日韓関係は双方がお互いを必要としていた時代が終わり、気が付けば協力する理由さえ見つけられなくなっている。

 その韓国が日本に対して最も恐れているのは、日韓合意へと韓国を追い詰めた日本のアメリカに対する影響力です。現在、文在寅大統領とトランプ大統領はそれほど仲がいいようには見えませんが、安倍首相はトランプ大統領と良い関係を構築しているように見えます。韓国は日本そのものは怖くなくても、日本がアメリカを動かして、米韓関係が悪化すれば大変です。

 だからこそ日本にとって大切なことは、アメリカ及び国際社会を引きつけることです。2015年には安倍首相がオバマ政権との関係を改善したことが、結果的に朴槿恵大統領を追い込みました。韓国が見ているのは、日本の後ろにいるアメリカなのです。しかし、アメリカも今や自国ファーストなので、ことによると、日本を離れて、韓国に接近することもありえます。日韓合意を生きたものにするには、アメリカと国際社会を味方にしておく不断の外交努力が、これからも必要なのです。

出典:「文藝春秋」2018年3月号

マイクロプラスチック、水道水に含有か 研究者ら警告

AFP BB ニュースより転載記事
2017年9月7日 10:12 発信地:パリ/フランス
【9月7日 AFP】(訂正)水道水から人の体内に入ってくるプラスチック粒子は、年間3000〜4000個に上る恐れがあるとする研究結果が6日、発表された。14か国で収集したサンプルに基づく結果だという。

 プラスチック粒子を体内に取り込むことによる健康リスクは不明だが、過去には、害を及ぼす可能性のある化学物質や細菌がこれら粒子に吸収・放出される可能性があるとの研究結果も発表されている。

 米ミネソタ大学(University of Minnesota)と米ニューヨーク州立大学(The State University of New York)の研究チームによる調査を基に、NPO「オーブ・メディア(Orb Media)」が作成した報告書「Invisibles: The plastic inside us(目に見えないもの:人体内のプラスチック)」によると、対象となった水道水サンプル159のうち、「83%にプラスチック粒子が含まれていることが分かった」という。

 研究の多くは、湖や川、海、大気などを対象にプラスチックごみ汚染の影響を調べたものとなっているが、実際に人が飲む水に光が当てられることはこれまでなかった。水道水を対象とした今回に調査について、研究チームは世界初と主張している。

 水道水サンプルの収集期間は今年の1〜3月で、採取した場所はウガンダのカンパラ(Kampala)、インドのニューデリー(New Delhi)、インドネシアのジャカルタ(Jakarta)、レバノンのベイルート(Beirut)、エクアドルのキト(Quito)の各首都および米国と欧州7か国の複数の都市だ。

 全てのサンプルは、米ミネソタ(Minnesota)州ミネアポリス(Minneapolis)にあるミネソタ大で分析された。

 分析の結果、見つかった粒子の大半は、長さが0.1〜5ミリのプラスチック繊維だった。水道水1リットルに含まれる粒子は0〜57個で、平均すると1リットル当たり4.34個だった。

「水道水の単位体積当たりのプラスチック粒子密度が最も高かったのは北米で、最も低かったのは、総合的に欧州7か国だった」と、研究チームは記している。

■その他の飲食物からも摂取

 男性の場合、1日の飲料水摂取量として推奨されている3リットルを基準とし、飲み物をすべて水道水か水道水で作ったものにすると、毎日14個のプラスチック粒子を摂取する可能性があると、報告書の執筆者らは説明している。女性では、同2.2リットルの摂取で1日当たり約10個の粒子を体内に取り込むことになる。

「この日々の粒子摂取量は、1年間では、男性で4000個以上、女性では3000個以上となる」と研究チームは報告書に記している。

 さらに「これらのプラスチック粒子は、海塩、ビール、シーフード、その他の食品によって摂取される可能性のあるプラスチックに追加される」ことも指摘された。

 1月に発表された研究では、欧州で甲殻類を食べている人の場合、それだけで年間最大1万1000個のマイクロプラスチックを体内に摂取している恐れがあるとされた。

 研究チームは、潜在的な汚染源および汚染経路、そして人の健康リスクなどに関するデータをさらに収集するために調査を重ねる必要があると呼びかけている。(c)AFP

ボトル入り飲料水、90%超でプラスチック粒子混入 米調査

3/15(木) 15:56配信ヤフーニュースより転載

【AFP=時事】米国を含む世界9か国で販売されている主要ブランドのボトル入り飲料水を調査したところ、90パーセント以上で微細なプラスチック粒子の混入が確認されたことが分かった。水をボトルに詰める過程で混入したとみられるという。

【写真】「世界で最も汚染された川」 水質改善に本腰 インドネシア

 調査はマイクロプラスチックに詳しい米ニューヨーク州立大学(The State University of New York)のシェリ・メイソン(Sherri Mason)氏が中心となって行われ、報告書要旨をまとめたNPO「オーブ・メディア(Orb Media)」によると、「広範な汚染」が見つかったという。

 対象はブラジル、中国、インド、インドネシア、ケニア、レバノン、メキシコ、タイ、米国で販売されているボトル入り飲料水250本。その中には、エビアン(Evian)、サンペレグリノ(San Pellegrino)、ネスレピュアライフ(Nestle Pure Life)などの主要ブランドが含まれ、全体の93%からプラスチック粒子が検出された。

 このプラスチック粒子には、ポリプロピレンやナイロン、ポリエチレンテレフタラートが含まれていた。

 メイソン氏はAFPに対し「この調査で見つかったプラスチック粒子の65%はかけらで、繊維ではない」と述べた上で、「プラスチック粒子は水をボトルに詰める過程で混入したと考えられ、そのほとんどはボトルそのものかキャップに使われているものだ」と説明している。

 プラスチック粒子の混入の程度にはばらつきがありボトル1本につき「0個から1万個以上」までさまざまだったという。

 平均すると、水1リットルにつき、「マイクロプラスチック」とみなされる100ミクロン(0.10ミリメートル)サイズの粒子が10.4個、それよりも小さな粒子は325個見つかった。【翻訳編集】 AFPBB News

2018/03/15
盗品だった"もぐもぐタイムのイチゴ
韓国イ
チゴ、9割以上、日本由来だった

平昌オリンピックでカーリング女子日本代表が「韓国のイチゴがおいしい」とコメントをしたことがネット上で大きな話題を呼びました。後半戦の作戦会議と、栄養補給を兼ねてフルーツを食べる姿が「もぐもぐタイム」と呼ばれ、そこで韓国のイチゴを食べていたそうです。微笑ましくも思えるのですが、その背後の実態には暗雲が立ち込めています。

プレジデント誌の既報通り、イチゴをはじめ、さまざまな日本のフルーツが韓国に流出していることが大きな問題となっています。農水省の調査によると、韓国のイチゴ栽培面積の9割以上が日本の品種を基にしたものといわれています。これまで「とちおとめ」「レッドパール」「章姫」といった日本を代表するブランドイチゴが無断で持ち出され、韓国で勝手に交配されて「雪香(ソルヒャン)」「梅香(メヒャン)」「錦香(クムヒャン)」というブランドが作られ販売されています。

「なぜ日本のフルーツが流出してしまうのか。脇が甘いのではないか」そんな疑問と憤りを感じるのではないでしょうか。明らかになっている流出経緯の1つは次のようなものです。

愛媛県のイチゴ農家、故・西田朝美さんはレッドパールを6年間かけて開発しました。新品種の栽培というのはものすごく大変な作業で、レッドパールに限らず、開発には数年、時にはそれ以上かかることも珍しくありません。そんなレッドパールは皮肉にも開発者の西田さん自身が韓国に渡したのです。その経緯は次のようなものです。

史上初の銅メダルを獲ったカーリング女子。でも日本の農家は“複雑”(時事通信フ…

ある日、西田さんの下へ韓国人農業研究者が訪れ「レッドパールの苗が欲しい」と懇願されたそうです。「絶対に渡せない」と応じる西田さんに「そこを何とか」と拝み倒され、断りきれなかったというのです。西田さんは書面で「レッドパールの苗を5年間、有料で栽培できる条件で渡す。契約者以外とは許諾契約しない」と書面による契約を結びました。しかし、それも虚しく、その後韓国でレッドパールは無断で広がっていきました。

西田さんの下へ訪れたという農業研究者の正体は金重吉(キム・チュンギル)氏。彼はテレビ番組の取材に対して堪能な日本語で「日本のイチゴよりおいしいよ」と悪びれもせず答えており、彼の本棚には日本の農業技術についての本が並んでいます。韓国でレッドパールが広がって大きなシェアを取っていることについて触れると、「知り合いに苗を譲り渡したところ、勝手に栽培したり売ったりし始めた」と金氏は説明しています。

日本からの抗議を受け、韓国は2002年に植物新品種保護国際同盟に加入し、08年よりロイヤルティーを支払う約束を日本としていました。しかしその後、日本が要求していた年間30億ウォン(約3億4000万円=08年当時)に「金額が高すぎる」と韓国が反発。そこで国産イチゴとして雪香を誕生させ、支払い要求に対抗したのです。

西田さんにロイヤルティーが入ってくることはなく、レッドパールの知的財産権が失効。イチゴ開発に心血を注いだ西田さんは、韓国との決着を見届けることなく15年に他界しました。ちなみに雪香を開発した韓国の農学博士は「日本とのロイヤルティー戦争に打ち勝った英雄」とされています。

韓国はイチゴの輸出ですでに日本の上をいっています。海外輸出量は日本の5.7倍以上(14年度実績)。日本のイチゴを盗み、許可なく勝手に栽培して他国に売ってお金を稼いでいます。これは言うなれば他所の家に泥棒に入って、家財を売ってお金を稼いでいるようなものではないでしょうか。

五輪で注目が集まった韓国のイチゴ泥棒の手口と実態。メダル獲得を成し遂げたカーリング女子が言った「おいしい」のコメントを、日本の農家たちはどのような思いで聞いたのか。韓国イチゴは日本のイチゴの主な輸出先と競合しており、タイやベトナムでは“高級果物”として人気を博しているようです。韓国イチゴがアジアにおける国際的なスタンディングを獲得してしまう前に、一刻も早く手を打たねばならないときが来ているのです。

(写真=時事通信フォト

昼間の都心に核ミサイルなら死者400万人超…“平和ボケ”の日本に「理解できない」の声
2018/03/14 11:30 AERAより転載記事(MSNニュースより)

金正恩氏と韓国特使との会談で事態は急転。米朝首脳会談をする運びになった。注目は朝鮮半島非核化。南北双方と日本に甚大な犠牲を生じる戦争は一応は回避されたかたちだが、核放棄をめぐる米朝対立の行方は不透明だ。

「実行可能な軍事オプション(選択肢)があるなら、私もそれを薦めるかもしれませんが、そんな解決策はないのです。私が驚くのは実に多くの人が戦争の甚大な結果に目を向けていないことです。朝鮮半島での戦争は日本にも波及し、核(戦争)になればその被害は(前の朝鮮戦争の)10倍、(日本にとって)第2次世界大戦の犠牲者に匹敵する大きさになります。何故これを人々が理解できないのか、私には理解できません」

 日本に開国を迫ったマシュー・ペリー提督の子孫、ウィリアム・ペリー元米国防長官は昨年11月14日、朝日新聞のインタビュー(同月30日デジタル版に詳報)でこう語った。

 確かに日本には朝鮮半島での戦争で生じる犠牲を理解していない人が多い。昨年12月20日公表の読売新聞の日米共同世論調査では、北朝鮮に対する米軍の武力行使を支持する人は日本で47%、しない人が46%だった。支持する人々は72年間の平和に慣れ、戦争を現実のこととは思えないのだろう。

 もし戦争になれば、体制崩壊が迫る北朝鮮は、自暴自棄となり、破壊を免れた核ミサイルを韓国、日本に発射する公算は高い。昨年9月3日に実験された水爆の威力は、160キロトン、広島型の10.6倍と推定され、爆心地から約4キロ圏内では初期放射線と爆風で大部分の人が死傷する。熱効果は約10キロに達し、すぐに手当てをしないと致命的なやけどを負う。平日昼間の都心で爆発すれば、死傷者は400万人を超えそうだ。

 だが幸い、戦争に向けて進んでいた時計の針は今のところ止まった。北朝鮮の金正恩国務委員長は昨年11月29日、ICBM(大陸間弾道ミサイル)「火星15」の発射実験後、「今日はじめて国の核武装完成の歴史的大業、ロケット大国の偉業が完成された」との声明を出した。完成したからこれ以上の実験はやめてもいい、と内外に伝え、対話の道を探る兆候だった。

 また、金正恩氏と文在寅韓国大統領は平昌オリンピックを緊張緩和の機会とし、五輪での協力を看板に1月9日に南北閣僚級会談を開催。「軍事的緊張緩和のための軍当局者の会談開催」「当事者として対話と交渉を通じての解決」などで合意した。

 この会談の3日前、トランプ米大統領は記者団に「良い結果を望む。オリンピックの範囲を超えて話し合いが行われれば素晴らしい」と歓迎の意向を示した。韓国側はトランプ氏に十分根回しをしていたようだ。2月9日の開会式に金正恩氏の妹金与正・労働党第一副部長が出席し、翌日、文大統領に訪朝を要請する親書を提出。25日の閉会式では金英哲同党副委員長と文大統領が会談、「米朝会談の早期開催に努めること」で合意した。

 さらに今月5、6日に韓国の大統領特使・鄭義溶国家安全保障室長らが訪朝、金正恩氏は「非核化問題と関係正常化のため米国と対話する用意がある。対話が続く間、核実験や弾道ミサイルの試射は行わない」と述べ、例年の米韓合同演習の実施にも理解を示した。南北双方は巧みな外交で、少なくとも当面、戦争回避に成功したようだ。

 もし戦争になれば、南北は共に存亡に関わる大打撃を受け数百万人の犠牲者が出る形勢だから、双方の指導者が戦争を防ぐために必死の努力をしたのは当然だ。戦争になれば巻き込まれる公算の高い日本で、それを「融和的」と非難する声が出るのは、戦争を考えない「平和ボケ」の症状だ。

 だが南北会談が米朝対話に進展しても、北朝鮮が核を放棄する可能性は低い。トランプ氏は2月23日の記者会見で「経済制裁が機能しなければ、第2の局面に移行する。それは極めて荒っぽく、世界にとって非常に不幸なものかもしれない」と武力行使を示唆。圧力を加えつつ対話も望む意向を表明している。

 米国内では「国民の生命を守るのが第一、北朝鮮が米本土に届くICBMを配備する前に叩くべきだ。他国の犠牲に構ってはおれない」と、従来国際法違反とされてきた「予防戦争」を公然と唱える政治家、論客も出ている。

 だが米統合参謀本部は昨年10月、上下両院議員16人から出ていた質問主意書に書面で回答。

「北朝鮮の核兵器は地下深くに保管されており、位置を確定し全てを確実に破壊するには地上部隊の侵攻が唯一の手段。我々は軍事行動よりも経済的、外交的な解決を支持する」と述べ、戦争反対の姿勢を鮮明にした。

 国防長官J・マティス海兵大将(退役)も「軍事的解決に突き進めば信じがたいほどの悲劇的事態となる」と武力行使に慎重。大統領首席補佐官J・ケリー海兵大将(同)も同様だ。大統領が軽挙妄動しないよう、軍人がシビリアンをコントロールする逆転現象だ。

 実際、米国が予防戦争をしようとしても難しい。北朝鮮の弾道ミサイルは主として中国国境に近い北部山岳地帯の谷間に掘られた無数のトンネルに、移動発射機に載せて隠されているとみられ、位置不明だからだ。

 時速2万7千キロで周回する偵察衛星は1日約1回、北朝鮮上空を1分間ほどで通過するから、固定目標は撮影できても移動目標の監視はできない。早期警戒衛星は赤道上空を3万6千キロの高度で周回するから、地球の自転と釣り合って、地上からは静止しているように見えるが、この距離ではミサイルは見えない。発射の際に出る赤外線を感知できるだけだ。

 仮に衛星や有人・無人の偵察機によってトンネルの入り口を知っても、電柱のような形状の地中貫通用「バンカーバスター」爆弾GBU28(重さ2.3トン、長さ5.7メートル、直径14.7センチ)は、土を約30メートル貫通できるだけ。山腹のトンネルに届かない公算大だ。発射地域全体を地上部隊で占領しないと確実に破壊できない、とする米統合参謀本部の判断は妥当だ。

 北朝鮮首脳部を狙う「斬首作戦」も論じられるが、要人の所在を正確に知るのは容易ではない。イラク戦争で米軍はイラク全土を占領し、サダム・フセイン大統領を捜したが、拘束は侵攻の9カ月後。CIAはキューバのF・カストロ首相の暗殺を638回も計画したが、彼は2016年に90歳で死去した。

 指揮・通信系統を破壊することも語られるが、当然相手はその系統を複数、多様にするから、すべてを一挙に切断して、発射を防げるとは限らない。

 米国では「ホワイトハウスは統合参謀本部などに作戦の選択肢の提出を求めているが、なかなか出ず、不満がある」との報道もある。仮に無理と知りつつ書いた作戦計画を提出し、もし大統領が「これでいこう」と決断すれば実行せざるを得なくなる。軍人が慎重なのも当然だ。(軍事評論家・田岡俊次)

※AERA 2018年3月19日号より抜粋

なぜ日本人だけが時間の正確さにこだわりすぎるのか
MSNニュースより転載記事2018 3 7

多くの日本企業が海外市場へ進出し、優秀な人材を確保するという点から、グローバル視点は欠かせない。その時に起きる課題が、違う文化や価値観の中でいかにお互いを理解し、共生し、同じゴールに向かえるかということだ。

日本と海外の文化の違いを視覚的にわかる「指標」で示し、文化の違いや隔たりから起きるトラブルや混乱を避けようと説くのが、フランスなどに拠点を置く経営大学院、INSEADの客員教授、エリン・メイヤーさん。著書『異文化理解力 相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養』はさまざまな異文化による違いを乗り越えるための示唆に富んでいる。

「KY(空気が読めない)」ことは、日本ではご法度だが、メイヤーさんによると、日本以外で「空気を読む」国は、あまり多くはない。日本人ビジネスパーソンが、海外で戸惑うのは、この大きな違いを理解していないためだ。

こうした文化や考え方の異なる点をしっかり理解した上で行動することは、日本国内の職場での上下関係、ジェンダーの違い、環境の変化などにうまく対応していくのにも役立つ、とメイヤーさんは話す。

「異文化理解力」をつけるには、まず自分自身のこと、自国の文化をクリアに理解することが大切だ。それらをきちんと説明できるようになれば、相手との違いもよく見えてくる。

例えば、日本とアメリカのビジネス文化の違いを比べてみよう。

日本……「空気を読む」ことや上下関係を重んじる。決定には、関係者が皆関わって、長い時間をかける。しかし、決定すると変更はない。

アメリカ……組織はフラットで、ファーストネームで呼びあい、社長とディナーにも行く。決定は、ほとんどの場合トップダウンでスピード感がある。その代わり、良い結果が出なければすぐに変更を加えていく。

「日本は、一つの歴史と文化を長いこと社会が共有してきたため、世界のどこの国にまして、空気を読むというコミュニケーションが発達し、決定の過程が長くて保守的で、そして、最も時間に正確です」とメイヤーさん。

つまり日本人ビジネスパーソンは、日本だけが(1)コミュニケーションの仕方(2)決定の過程(3)時間の守り方で、世界で突出して異なる文化を持っているということを、理解しなければならない。

メイヤーさんの著書で最も興味深い点は、世界数千人の経営幹部に面談し、64カ国の「カルチャーマップ」を作成し、文化の違いを指標として視覚的に理解するのを助けていることだ。

c 撮影:今村拓馬 「空気を読む」文化は日本独特だ。

日本のように空気を読むコミュニケーション文化を「ハイコンテクスト」(コンテクストは文脈)とし、空気を読まず、「明快に曖昧さを取り除いて話す」(同著)文化は「ローコンテクスト」と分類し、指標にも示している。なんと、日本は世界で最もハイコンテクスト、アメリカは最もローコンテクストな国だ。

ハイコンテクストの最右翼である日本は、外国人には理解するのが難しい。あまりに多くのメッセージが言葉にされず、見えてこない。決断になぜ時間がかかるのかも理解できず、他の国の人から見ればフラストレーションが溜まるという。日本人はまず自分たちがそう見られていることを自覚することが必要だ。

メイヤーさんは、外国人も日本のことを理解することが必要とした上で、日本人には次のことを勧める。

1)なるべく、言葉にして、曖昧さを残さないではっきり伝える訓練をする。

2) 交渉やミーティングが始まる前に、日本での決定の過程が、他の国と異なることを伝えて、理解してもらう。

3)時間に正確なことは、外国では最も重要なことではないことを覚える。相手が遅れてきても、無礼に値しないということを理解する。

しかし、日本の企業がずっと外国人にとって分かりにくい、ストレスが溜まる存在であり続けている訳ではない。少しずつ変化が見えるという。

「例えば東芝は、INSEADに長年、社員を送りこんできました。最初のころ、たくさん質問をしても沈黙ということが多かったのですが、2017年は異なっていました。かなりの努力をしたと思いますが、マネジャークラスの英語が上達し、態度も変化し、はっきりと自分の意見を言うことも徹底していました」(メイヤーさん)

一方、日本企業や政府は、女性の待遇についてもっと努力が必要だと強調する。

「日本の女性幹部クラスは、どうしてこんなにすごいのだろうと思うくらい才能があり、英語も達者です。日本企業は、“特に”女性を資産として活かせるということを理解すべきです。日本女性は、人材として最高だからです」

メイヤーさんが2017年に日本で登壇した女性向けのセミナーで、400人の主に女性の参加者にアンケートをとったところ、半数以上が将来海外で働くなど移住したい意向を持っていたという。日本企業が優秀な女性を活かすことができなければ、頭脳流出が起こる可能性もある。

日本国内の職場でも「相手の靴を履いてみる(=相手の立場に立ってみる)」ことが、相手に対する理解を深めて、人間関係をより良いものにできるという。「自分が女性だったら」「自分が部下あるいは幹部だったら」「自分がシングルマザーだったら」と想像力を働かせることが必要だ。

c Rawpixel.com / Shutterstock 異文化理解は、相手の立場に立つことから始まる。

「違う立場、違う個性、違う文化を理解するということは、簡単なことではありません。でも、そういう身の回りのことから、グローバリゼーションに備える異文化理解が始まるのです

将来は、スマートフォンやスマートウォッチなどが外国語を瞬時に訳すというようなテクノロジーの進化が、言葉の壁を取り除くことも期待される。しかしそれだけに、今まで以上に、「異文化理解力」が必要になるとメイヤーさんは言う。機械が訳すことで、ミーティングなどの機会も増える。それだけに誤解が生まれないように文化・慣習の相違をきちんと理解しておくということが、マネージャークラスにとってのチャレンジになる。今から、「異文化理解力」を磨き、そのチャレンジに備えるべきだ。

(文・津山恵子)

ERIN MEYER(エリン・メイヤー):INSEAD客員教授。グローバルに事業を展開する企業の社員、エグゼクティブに異文化への対応「異文化マネジメント」を教える。アメリカ出身、パリ在住。

エリン・メイヤーさんが来日して登壇するイベントが開かれます。詳細はこちらまで。

時事通信社 MSNニュースより転載記事 2018 3 1
慰安婦問題「『終わった』と言うな」=文大統領、竹島でも対日批判−日韓合意を否定
【ソウル時事】韓国の文在寅大統領は1日、日本の植民地支配に抵抗して1919年に起きた「三・一独立運動」の記念式典で演説した。慰安婦問題について「加害者である日本政府が『終わった』と言ってはならない。戦争当時にあった反人道的な人権犯罪行為は『終わった』という言葉で隠すことはできない」と強調し、日本政府の姿勢を批判した。

 また、「不幸な歴史であればあるほど、その歴史を記憶し、その歴史から学ぶことだけが本当の解決だ」と述べた。慰安婦問題をめぐる日韓政府間合意に直接言及しなかったが、「最終的、不可逆的な解決」をうたった合意を真っ向から否定する発言だ。

 その上で、日本に特別な要求はしない考えを示す一方、「日本は人類普遍の良心で歴史の真実と正義に向き合うことができなければならない」と訴え、「本当の反省と和解の上で、共に未来へ進むことを願う」と語った。

 一方、島根県・竹島をめぐっては、「独島(竹島の韓国名)は日本の朝鮮半島侵奪過程で最も早く強制的に占拠されたわが領土だ」と主張。「今、日本がその事実を否定することは、帝国主義による侵略に対する反省を拒否することに他ならない」と批判した。

 演説は、日本の植民地時代に独立運動家らが収容されたソウル市内の西大門刑務所跡地にある歴史館で行われた。歴史を「直視」する姿勢を強調する狙いがあるとみられる。

日本の"甘い顔"が韓国の"身勝手"を育て
より転載記事 2018 3 1
c PRESIDENT Online
1984年9月、韓国の大統領として初めて来日し、中曽根康弘首相(当時)と日韓首脳会談に臨む全斗…

韓国の大統領が交代するたび、日本では「新しい大統領は親日か反日か」といった議論が起きる。だが、著作家の宇山卓栄氏は「韓国の世論はつねに反日。このため歴代大統領で、実際に親日政策をとった者はいない」と断言する。日韓関係を不必要にこじらせてしまった歴代大統領の「用日戦略」とは――。

朴槿恵の父、朴正熙は「親日」だったのか?

「父親は親日だったのに、娘はどうして、ああなのか」。朴槿恵(パク・クネ)が韓国の大統領だったころによく、こんな声を聞きました。しかし、韓国の歴代大統領で、実際に親日政策をとった者はいないと言えます。

韓国に経済発展をもたらした朴正熙(パク・チョンヒ)大統領は、一般的に親日とされますが、その実態は「用日」です。「用日」というのは、日本から金銭や技術などの支援を引き出すために、親日のふりをし、日本を利用することを意味します。

朴正熙は1965年、日韓基本条約を締結します。これにより、韓国政府は日本から総額8億ドル(無償3億ドル、政府借款2億ドル、民間借款3億ドル)の支援を受けます。この額は、当時の韓国の国家予算の2倍以上の額でした。

一方、韓国国内では、日韓基本条約に反対する声が巻き起こり、連日、大規模なデモが発生しました。「日帝時代の屈辱を忘れ、わずかな支援金と引き換えに国を売るのか!」という罵声を、朴正熙政権は浴びせられたのです。

反日教育を展開しつつ日韓基本条約を締結

朴は韓国国内で親日家と見られていました。日本の陸軍士官学校を卒業し、日本語も堪能で、高木正雄という日本名も持っていました。実際、朴自身、反日感情は持っていなかったと思います。

しかし、朴は国内の学校で反日教育を実施し、国内の反日主義者に迎合しました。また、テロを含む抗日活動を展開した金九などの独立運動家や、抗日のために組織された「光復軍」の関係者を表彰し、勲章を授与することもしています。

一方で、日韓基本条約への反対派は、国会議員も含めて厳しく取り締まり、弾圧しました。アメとムチを使い分けたのです。つまり、朴は親日でもなく、反日でもない、「用日」に徹したリアリストでした。

無理筋の要求を受け入れ続けた日本

韓国の反日教育は、朴正熙の後継者の全斗煥(チョン・ドゥファン)大統領ら軍人政権時代も、一貫して続けられました。今日の韓国人の中年層の反日感情は、この全斗煥時代の反日教育で養われたものです。

全斗煥は国内の反日教育を徹底するのみならず、日本の歴史教科書にもクレームを付け、1982年、記述の修正を要求しました。そして、歴史認識問題を外交カードに使いながら、日本に資金援助を要求しました。全斗煥政権は「韓国は北朝鮮の脅威から日本を守る防波堤になっている」と主張し、「防波堤」があるからこそ、日本は安心していられるのだから、日本はその代価を韓国に支払うべきだと要求したのです。

こうした全斗煥の無理筋の要求に対し、日本は大人の対応をしました。1983年、中曽根康弘元総理の訪韓の際、7年間で40億ドルを目途とする円借款を供与することが決まりました。

当時の中曽根総理や安倍晋太郎外務大臣は「韓国は様々な試練・苦境を経て、今がある、少々のことならば寛大に」ということで、韓国の要求を受け入れたのです。翌1984年、全斗煥は韓国大統領として初訪日し、昭和天皇主催の宮中晩餐会にも招かれました。

全斗煥を親日とする見方もありますが、朴正熙と同様、その実態は「用日」というべきです。日本は、韓国の「用日」のスタンスを知りながら、要求を聞き入れました。しかし、韓国は自らの要求が通って姿勢を和らげるどころか、ますます「歴史認識問題」を対日交渉で優位に立つための恫喝(どうかつ)の材料として利用するようになります。不幸なことに、日本国内にも韓国側のこうした主張に同調し、政権批判を展開する向きが少なくありませんでした。

「歴史認識問題」が外交カードに

1986年、第3次中曽根内閣で文部大臣に任命された藤尾正行は、歴史教科書問題に関連して「(1910年の)韓国併合は韓国との合意の上に形成された」と発言。これに対して韓国側が強く反発します。中曽根は藤尾に自発的な辞任を求めますが、藤尾は中曽根のやり方を「その場しのぎの外交」と批判し、辞任を拒否。そのため、中曽根は藤尾を罷免します。

こうした日本の姿勢に意を強くした韓国は、歴史認識問題や教科書記述問題を持ち出しては経済支援や技術支援を得る手法を確立させ、それが歴代の政権に引き継がれていきます。

1992年、宮沢喜一元総理は訪韓し、当時の盧泰愚(ノ・テウ)大統領に慰安婦問題について謝罪しました。「文民大統領」金泳三(キム・ヨンサム)が就任した翌93年には、河野洋平内閣官房長官が慰安所の設置や管理に、旧日本軍が直接・間接に関与していたことを認める河野談話を発表しました。歴史認識問題が慰安婦問題とも絡み、複雑化しはじめたのです。

さらに、翌94年には村山談話が発表され、「植民地支配と侵略」や慰安婦問題について謝罪。翌年には「アジア女性基金」が創設され、元慰安婦への「償い金」や医療・福祉支援を開始しました。

しかし、韓国の反日世論に火が付いたのは、むしろこの頃です。「少々のことならば寛大に」と、日本が一度聞き入れた韓国側の要求がどんどんエスカレートし、両国の関係が改善するどころか、ますます悪化していったというのが、歴史的な事実なのです。

金泳三の「ポルジャンモリ」発言

金泳三政権のころには、経済発展を成し遂げた韓国に、もはや「用日」は必要なくなりました。それまでは「用日」戦略の一環として、日本に対し「作り笑い」を見せることもありましたが、もはやそれも消え失せ、威丈高に恫喝するようになります。

1995年11月、金泳三大統領は中国の江沢民国家主席との首脳会談後の共同記者会見で、「日本のポルジャンモリを必ず直すつもりだ」と発言しました。「ポルジャンモリ」とは韓国の年長者が年下の人間を叱りつけるときに使う俗語で、「行儀が悪い」「しつけがなってない」という意味です。これに対し当時の野坂浩賢官房長官は、「公式の場では使わない言葉だと聞いている。節度ある発言をしてほしい」とコメントしています(※1)。金泳三の発言は、日本の政治家による一連の「問題発言」を念頭に置いたものでしたが、さすがに日本側もムッとしたのでしょう。

韓国で、日本を叩く政治家は強い指導者とされ、国民の支持を集めます。このようなポピュリズム的政治手法が、今日に至るまで常態化しています。

直近では、2015年の日韓外相会談によって、日韓合意が結ばれました。これは慰安婦問題の「最終かつ不可逆的な解決」を示したものですが、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は2017年の12月、「政府間の公の約束であっても、大統領として、この合意で慰安婦問題が解決できないことを改めて明確にする」と表明しました。

「善意」の判断が招くリスク

政治の世界において、だます方が悪いのでしょうか、だまされる方が悪いのでしょうか。対話を繰り返して、相手が図に乗り、無理難題を吹っ掛けてきたとき、さらに感情悪化が募り、双方の溝が深まるリスクがあります。誰がそのリスクの責任を取るのでしょうか。

「恩を仇で返す」ことをされた時、人は最も怒りを感じます。「対話を重視する」という善意から先方の無理な要求を受け入れ続けた結果、むしろ事態が悪化するリスクについて、私たちは意識的でなければならないと思います。

16世紀、イタリア・ルネサンス時代の政治思想家マキャベリはこう言っています。「人を率いていくほどの者ならば、常に考慮しておくべきことの一つは、人の恨みは悪行からだけではなく善行からも生まれるということである。心からの善意で為されたことが、しばしば結果としては悪を生み、それによって人の恨みを買うことが少なくないからである」(『君主論』より(※2))

(※1)朝日新聞 1995年11月17日朝刊。

(※2)塩野七生著『マキアヴェッリ語録』(新潮文庫)

宇山卓栄(うやま・たくえい)

著作家。1975年、大阪生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。おもな著書に、『世界一おもしろい世界史の授業』(KADOKAWA)、『経済を読み解くための宗教史』(KADOKAWA)、『世界史は99%、経済でつくられる』(育鵬社)、『「民族」で読み解く世界史』(日本実業出版社)などがある。(写真=Fujifotos/アフロ)

Goo産経ニュースより転載記事
【単刀直言】自民・西田昌司参院議員「私を形作った西部邁さん」 戦後の偽善の根幹、明確に整理…雷にうたれた思い

自民党が野党だった時代、国会質問で閣僚を辞任に追い込む「爆弾男」と呼ばれました。あの表現はそれなりにうれしかった。旧民主党政権のあまりのでたらめさに「日本は本当に潰れてしまう」と危機感を持っていましたからね。

 与党となった今は国会で法案を通すのが仕事ですが、政権が安定すると、今度は自民党の中に安倍晋三首相にすり寄る人がたくさん出てきました。でも、それをやっちゃうと政府に問題点が伝わらない。政権を守るためにも、嫌なことも言わなきゃだめなんです。議会の立場で、安倍政権にしっかり「駄目出し」をする。私の重要な仕事だと思っています。

 今年は年男で60歳になります。私が過ごした昭和の30年と平成の30年を通じた最大の問題は、先の大戦と占領について一度も総括してこなかったことです。東西冷戦の緊張が世界に安定をもたらしていた皮肉も整理がされていない。

 あの戦争は何だったのか。占領中に何が行われたのか。そして日本は何を引き継ぎ、何を変えるべきか。これらを国民の前で議論するのが政治家としての使命だと思っています。

 憲法を改正するにも、歴史の事実を知らなければ大きな動機づけは出てこない。改憲自体が目的化しては、国民の理解はなかなか得にくいでしょう。「急がば回れ」で、まずは歴史を国民が共有すべきで、政治がその作業をしない限り、憲法改正は無理です。

 冷戦の終結で、北朝鮮の核開発が始まった。中国やソビエトという後ろ盾を失った危機感からでしょう。無論、北の核保有には大反対ですが、米国の核の傘が破られそうになっているのなら、日本も核兵器の保有を選択肢の一つとして議論すべきなんですよ。 

 何も核を保有せよといっているわけではない。持つ、持たない以前に、想像や議論をすることさえ否定したら、思考停止になって現実に対応できなくなる。

 今後も戦後の問題を遠慮なく指摘し続けますが、本来は知識人やジャーナリズムの仕事でしょう。でも日本では、残念なことにそれらがほとんど機能していない。ただ一人違ったのは、西部邁さんでした。西部さんは、自ら雑誌を創刊して戦後の現実をずっと説いてきたわけです。

 西部さんを知ったのは、京都府議会議員に初当選した頃の「朝まで生テレビ!」でした。戦争と平和、憲法、原発問題など、きれい事で片付けられがちな戦後日本のタブーや偽善。西部さんは、それらの問題点をすかっと論理的に指摘された。戦後の偽善の根幹が、憲法をはじめ戦後占領体制そのものにあることが明解に整理され、まさに雷にうたれた思いでした。今日の西田昌司が形作られたのは、西部さんとの出会いがあったからだといえます。

 その西部さんが自裁されました。実は、20年前から西部さんの考えは聞いていました。生きるということは死ぬこととセットですから、きれいに死んだからこそよく生きたともいえる。なかなかできないことですがね。ちょっと寂しい気はするけれども、悲しみはありません。一言でいえば「西部さん、お見事! 見事な人生でした」。(原川貴郎) 


楽天インフォシークニュースより転載記事

これって本当?良い食べ合わせ・悪い食べ合わせ

オールアバウト / 2018年2月11日 20時45分


鰻と梅干、食べ合わせが悪いと言われるけれど……

昔から食べ合わせが悪いと言われる「鰻と梅干」。しかし、鰻と梅干を一緒に食べることが身体に害を与えるといったことはありません。

他にも「天ぷらとスイカ」「天ぷらとカキ氷」「蟹と柿」などさまざまな言い伝えがありますが、これらにはどれも栄養学的な根拠はありません。

それでは、なぜこのような迷信ができたかというと、贅沢や食べ過ぎへの戒めであったり、食中毒の予防の意味があったと言われています。

例えば「鰻と梅干」の食べ合わせを例にとると、食事がすすむ梅干と一緒に高価な鰻を食べたら、必要以上に食べ過ぎてしまい贅沢です。また、食べ物が腐った場合、異味として酸味を発することが多いのですが、梅干と一緒に食べた場合、腐った鰻の酸味に気づかずに食べてしまうというリスクがあったためとも言われています。

現代でもよくやりがちな良くない食べ合わせ

現代でよく気にされるのがほうれん草とベーコンの組み合わせ。ファミリーレストラン等でもよく提供されているメニューなのに、身体によくないと言われ不安になる人がいるようです。

これには2つの理由が言われています。1つめは、ほうれん草のシュウ酸がベーコンを作る際に使われる亜硝酸ナトリウムと体内で化学反応を起こすと、発ガン性物質が生成されること。2つめは、ベーコンに含まれるリン酸が、ほうれん草の鉄分やカルシウムの吸収を阻害してしまうこと。

どちらも実験的には正しい理論ですが、実社会においては気にする必要はないレベルです。

どのような物質でも、良い悪いに関わらず何らかの効果が出るために必要な量(閾値といいます)があります。ほうれん草とベーコンの組み合わせを米飯のようにひたすら食べ続ければ別として、通常の食事で食べる程度であれば、これらの不安要素は特に気にする必要はありません。

他には、鉄分の多い食品とお茶の組み合わせは鉄の吸収率が下がる、焼き魚と漬物の組み合わせで発ガン性物質が合成されるなどが言われていますが、基本的には通常の食事で食べる量であれば問題ありません。

ただし、グレープフルーツのように、特定のお薬の薬効に影響を与えてしまう食品もあります。これには注意が必要です。

これはNG! 薬と食べ物のダメな組み合わせ

お薬の薬効に影響を与えることが知られている主な組み合わせは以下の通りです。

・降圧剤(一部のカルシウム拮抗薬)+グレープフルーツジュース 

・抗結核薬+マグロ(ヒスチジン)、チーズ(チラミン)

・総合感冒薬+コーラ・コーヒー

・ワルファリン+納豆や青汁(ビタミンKを多く含む食品)

・睡眠薬+アルコール

・抗菌薬、抗生物質+牛乳、ヨーグルト

・胃薬+炭酸飲料

・免疫抑制剤、強心剤など+セントジョーンズワート(セイイヨウオトギリソウ)

これらの薬を飲んでいる場合には、それぞれの食材に注意が必要です。薬と食材の関係は、薬の使用量やそれぞれの食材を食べる頻度などによって、その薬を飲んでいるときは絶対に食べないほうがよいものや、薬を飲んでいても多少は食べても問題ないものなど、いろいろなパターンがあります。

同一の効果を持つ薬であっても、A社のものは絶対に食べないほうがよいがB社のものは多少は食べてもよいなど、対応が異なる場合もあります。自分の飲んでいる薬がこれらに該当するのではないかと心配な場合、薬剤師等に確認してみることをオススメします。

薬以外は、基本的に注意すべき食べ合わせはない

薬を飲んでいる場合には、食べ合わせ(飲み合わせ)に気をつけるべきものはありますが、基本的に、食品と食品を組み合わせる場合には、一緒に食べてはいけない組み合わせはありません。